東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

旅行記「真冬のアイスランド」

01. レイキャビクに到着

ヴァイキングが築いた国 アイスランド

ヴァイキングといえば、中世にヨーロッパ各地を荒らしまわった北方の野蛮で暴力的な人々 ・・・ というイメージがあるかな。確かに彼らは9世紀にはリスボンやセビリアパリを掠奪し、10世紀初頭にはフランス北部にノルマンディー公国を打ちたて、その子孫であるノルマンディー公ウィリアムは11世紀にイングランドを征服している。

アイスランドの切手に描かれたヴァイキング

上の画像が中世ヨーロッパを震え上がらせたヴァイキングのイメージに近いかな。ところで、この画像はアイスランドで発行されている切手なんだけど、そのアイスランドはヴァイキングが築いた国の一つでもある。西暦874年頃にノルウェー系ヴァイキングがアイスランドに植民を始めたんだそうな。今回の旅はそんな国を訪れようというわけだ。

北大西洋に浮かぶアイスランド

今回の旅の目的地であるアイスランドなんだけど、ノルウェーから西へ 850kmあまり、イギリスからは北西に 700kmほどのところにある。下の略図でもわかるように大西洋北部に浮かぶ北国だよね。夏にここを訪れたならば、涼しくて心地良いだろうね。が、今回の旅は真冬。というのも、オーロラを見に行くつもりだったからね。

アイスランド略図

ちなみに、アイスランドには鉄道も地下鉄も無い。バス路線は発達しているらしいけど、寒風の中でバス停でバスを待つのもいやだ。かといって凍りついた道で車を走らせる自信はない。そんなわけで、今回の旅は当時住んでいたイギリスの首都ロンドンにある旅行社が企画したツアーに参加することにした。

レイキャビクで飲んだビールはヴァイキング

私たちの乗り込んだ飛行機は、予定よりも少し遅れて13時20分にヒースロー空港を出発。アイスランドの首都レイキャビクの近くにあるケフラヴィク空港に着陸したのは16時。さて、まずは時計の調整なんだけど、 ・・・ 不要だった。イギリスとアイスランドとの時差はゼロなんだそうな。但し、夏の間だけはイギリスが夏時間を採用することから1時間の時差(イギリスが1時間早い)が生じるらしいけどね。

入国手続きは簡単そのもの。管理官にパスポートを渡したんだけど、彼はパスポートの写真と私の顔を見比べ、そえrで終わり。荷物のターン・テーブルでスーツ・ケースを回収し、ツアーのバスに乗り込んだのは16時半。アイスランドの首都レイキャビクの市内にあるホテルに到着したのは17時半だった。

まずはホテルの部屋の風呂につかる。硫黄の香りだ。火山の国であるアイスランドでは、島のあちこちで温泉が湧いていて、レイキャビク市内のホテルや家々にも温泉が引かれているんだそうな。発電にも地熱が利用されているらしい。ちなみに、街の名前であるレイキャビクなんだけど、湯煙の入り江という意味らしい。九州の別府温泉が頭に浮かぶね。

アイスランドで飲んだビールは「ヴァイキング」

18時半にはツアーの皆さんとホテルのレストランに向かった。まずはワイン・リストに眼を通した。おおお、ワインが高い。アイスランドでは輸入品の値段が高いんだそうな。では、地元のビールを飲もう。登場したのがヴァイキングという商品名の地元のビール。そのラベルが上の画像なんだ。ついでながら、このレイキャビクの最初の植民者は、インゴールヴル・アルナルソンという名のヴァイキング だったとか。西暦874年(あるいは西暦870年)のこととされている。

ちなみに、今夜のディナーなんだけど、まずは小エビとジャガイモのサラダ、メインはヒツジ肉のグリルだった。アイスランドは漁業国であり、魚介類を食べておけば間違いはないみたいだけど、肉を食べる場合はヒツジが多いらしい。かつては肉屋にもヒツジしか置いてなくて、牛や豚は滅多に無かったんだとか。

大晦日のレイキャビクの花火

食事を終えてホテルの部屋に戻る。が、これで就寝とはならない。帽子から靴下に至るまで防寒の衣類を着込む。ホテルの前からツアーのバスに乗り込んで出かけたのが11時前だった。まずはレイキャビク市内のあちこちで燃え上がっている巨大な焚き火を見に行く。今日は大晦日なんだけど、この街の人々は大晦日には巨大な焚き火の周囲に集まるらしい。

再びバスに乗り込み、レイキャビクの街はずれにある丘の上に向かった。バスを降りると、そこには多くの市民が集まっていた。やがて深夜の12時。街のあちこちから花火(下の画像)が打ち上げられ始めた。アイスランドの人々は大晦日に花火を打ち上げて楽しむらしい。お、ツアーのガイドさんがシャンパンの栓を抜いた。グラスに注がれたシャンパンを手にツアーの参加者たちと乾杯。さすがツアーのガイドさん、行き届いているね。

大晦日のレイキャビクではあちこちで花火(アイスランド)

新年を祝う花火を見終わったところでバスに戻る。が、ホテルに戻るわけではない。逆にレイキャビクの街から離れていく。やがてバスが停まったのは周囲に何の明かりもない真っ暗な野原。なるほどオーロラを眺めるのに最適な場所だ。

が、何年ながらこの夜はオーロラは現れず。ま、いいか。明日の夜も明後日の夜もチャンスはある。諦めてバスでレイキャビクに戻り、ホテルの部屋のベッドに潜り込んだ。


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