東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

旅行記「真冬のアイスランド」

11. クジラの刺身とステーキ(アイスランド)

アイスランドでクジラの刺身

今日の昼間はアイスランドの観光地をいくつか見た回った。バスに乗り込み、レイキャビク市内のホテルに戻ったのが16時半。部屋の風呂につかり、ビールを飲んで、ちょいとお昼寝。19時にはベッドを出て防寒の服を着込む。20時にはホテルの前でタクシーに乗り込み、レイキャビク市内のレストランに向かった。

アイスランドで食べたクジラの刺身

地元のビールを飲みながら料理を待つ。間もなく登場の最初の料理は、クジラの刺身(上の画像)だった。醤油とワサビも付いている。赤身のクジラ肉の刺身は、クセもなくて柔らかかったね。レストランのメニューを見れば、クジラ肉の日本風という料理がある。なるほど、これのことだな。しかし、まさかアイスランドでクジラの刺身を食べることが出来るとは驚いたね。

続いてクジラのステーキ

クジラ ・・・ 久しぶりだ。何十年ぶりだね。年齢がバレてしまうけど、小学生の頃、学校の給食では時折クジラのカツが出ていたよね。その当時はさほど喜びもしなかったんだけど、こうして久々にクジラを食べることができるなんて有り難いことだ。

アイスランドで食べたクジラのステーキ

やがて今夜のディナーのメインが登場。それが上の画像にあるクジラのステーキ。一人前 250グラムほどもあるかな。このステーキをさっきの刺身の醤油とワサビで食べると更に美味い。醤油とワサビを残しておくのがポイントだったね。

クジラとアイスランド

9世紀にアイスランドにノルウェー系ヴァイキングたちが植民を始めて以後、漁業は重要な産業だった。そして12世紀には捕鯨が行われていたんだそうな。19世紀の後半には外国の会社によって近代捕鯨が導入されている。島の周囲にはクジラの豊かな漁場が広がっていたからね。

そんな豊かな漁場ではヨーロッパの人々も捕鯨を行っていたらしい。西暦1615年にはアイスランドの海で捕鯨を行っていたバスク地方の人々が難破して海辺に打ち上げられ、処刑されたそうな。

そんな伝統的な捕鯨国アイスランドも国際的な反捕鯨の動きに巻き込まれざるを得なかった。西暦1986年に商業捕鯨が国際捕鯨委員会によって停止された。それでもアイスランドは調査捕鯨を継続し、その結果として得られたクジラ肉の多くは日本に輸出されたんだそうな。

しかしながら、国際的な反捕鯨の動きはアイスランドにとって厳しい足枷となっていった。その結果、西暦1992年に国際捕鯨委員会を脱退している。西暦2002年には国際捕鯨委員会に再加盟したけれども、その翌年には調査捕鯨の再開を発表。更に西暦2006年には商業捕鯨を再開している。

ちなみに、アイスランドは西暦2009年に EU ヨーロッパ連合に加盟を申請している。ところが、西暦2015年にはその加盟申請を取り下げたんだそうな。ヨーロッパを悩ませる難民問題もその背景にあっただろうけど、ヨーロッパ連合に加盟すれば、捕鯨を継続することが難しくなると懸念したとも言われている。そんなわけでこの国ではユーロではなく、アイスランド・クローナが流通しているんだ。

オーロラは ・・・

捕鯨の話が長くなってしまったんだけど、クジラの刺身やステーキを堪能した後、レストランの前まで迎えに来たバスに乗り込んで出発したのは22時だった。バスはレイキャビクの街を離れ、30分ほど走って雪原(下の画像)に到着。バスがライトを消せば、月を除いてあたりは真っ暗になる。バスを降りて雪原に立ち、夜空を見上げる。今夜はオーロラを見ることが出来るかな。

真冬のアイスランドの荒野にて

目が暗さに慣れるにつれて、幻想的な風景が浮かび上がる。足許の凍結した雪ははるか遠くにまで続いている。その向こうには闇に沈んだ山々。月は明るく輝き、空一面を覆う薄い雲が月明かりを反射している。残念ながら、今日の夜空はオーロラを見るにはよろしくないみたい。

雪原に立って夜空を見上げ、身体が冷え切るとバスの中で暖まる。その繰り返し。しかし、オーロラは現れず。11時半には諦めてバスに乗り込み、レイキャビク市内のホテルに向かう。アイスランドでの夜はこれで最後。明日はロンドンに戻ることになっている。今回の旅ではオーロラを見ることは出来なかったというわけだ。


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