東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

旅行記「ゴールウェイとアラン島(アイルランド)」

05. ドゥーン・エンガス遺跡

ドゥーン・エンガス遺跡に到着

アラン島で泊まる宿、ベッド・アンド・ブレックファスト(略称 ビー・アンド・ビー)に荷物を置き、ポニー馬車に揺られること40分ほどで、ドゥーン・エンガス遺跡の下に到着。ポニー馬車はここまでしか登れないらしい。遺跡までは歩いて登るしかないんだそうな。

が、その前にまずはお昼だ。ドゥーン・エンガス遺跡に登る坂道の入口にある店でサンドイッチを買い、すぐに食べ始めた。お、驚くほどに美味い。バターが良いんだね、きっと。食べ終えて出発しようとして気がついた。二つ隣のテーブルでポニー馬車の御者さんがサンドイッチを食べていた。なんだ、彼もお腹が空いていたんだ。

アラン島にあるドゥーン・エンガス遺跡を遠望(アイルランド)

岩だらけの坂道を登る。遠くに見えていたドゥーン・エンガス遺跡が次第に大きくなる。歩き始めて10分ほどの眺めが上の画像なんだ。石積みの城壁が見えるよね。

ドゥーン・エンガス遺跡は城跡なのか、祭祀場跡か

ドゥーン・エンガス遺跡の城壁を間近に見た様子が下の画像だ。かなり大きな城壁だよね。でも、この遺跡が何のために築かれたのか、議論は定まっていないんだそうな。

アラン島にあるドゥーン・エンガス遺跡の城壁(アイルランド)

ドゥーン・エンガス遺跡は軍事的な防衛の為の城砦だったという学者もいる。他方で、宗教的な、あるいは儀式的な目的の為の施設だったとの説もある。いずれにせよ、ヨーロッパの辺境、アイルランドのそのまた西の海に浮かぶ小さな島(人口も少ない)にこれほど大規模な石積みの施設を築く目的は不明だよね。

但し、この遺跡がアラン島で最も人気のある観光スポットだという点に関しては疑問は無いんだけどね。且つ今回の私たちの旅の最大のお目当てでもある。

遺跡の下は100メートルの断崖

アラン島に来てドゥーン・エンガス遺跡を訪れる観光客の多くは、下の画像のように岩の上に腹ばいになるんだ。

アラン島にあるドゥーン・エンガス遺跡の断崖の下を見下ろす(アイルランド)

このドゥーン・エンガス遺跡は高さ100メートルの断崖の上にある。見ての通り、手すりも柵も無い。こんな断崖の端っこに立って近づくなんて、怖くて出来ないよね。というわけで皆さん、腹ばいになって断崖の端っこに近づき、大西洋の荒波の打ち寄せる海を見下ろすわけだ。

ドゥーン・エンガス遺跡を築いたのは古代ケルト人か

ドゥーン・エンガス遺跡が最初に築かれたのは、紀元前1100年頃と言われている。更にはその数百年後に拡張・増強されたんだそうな。その結果、4重の同心の城壁を持つ城砦(あるいは祭祀場)となったわけだね。(下の画像は崩れかかった城壁の様子。)

アラン島にあるドゥーン・エンガス遺跡の崩れかかった城壁(アイルランド)

そんなドゥーン・エンガス遺跡を築いたのは、ヨーロッパ大陸からブリテン島、アイルランド、そしてアラン島に渡ってきた古代ケルト人だろうとされている。でも、異論はあるらしい。

そもそもケルト人がいつアイルランドに渡ったのかも定かではない。いや、そもそもケルト人はアイルランドに来ていないという説もある。アイルランド先住民がケルト人からの文化的な影響を吸収しただけであり、ケルト人の移住あるいは彼らとの混血は無かったとの主張もあるんだそうな。

いずれにせよ、アラン島で人気のドゥーン・エンガス遺跡は謎がいっぱいだね。ついでながら、アイルランドの首都ダブリンから車で1時間ほどのところにあるニューグレンジ遺跡も歴史好き(特に先史・古代史好き)には見逃せないよ。


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