アラン島 (アイルランド) 1996年8月
05. キリスト教
私が旅をして受けた印象では、ヨーロッパでも最も熱心なカトリックの国は、マルタとアイルランドだと思う。どちらの国でも、離婚や堕胎は、国民的な議論を巻き起こさずにはすまない。 |
そんなアイルランドに属するアラン島だが、かつて島にはプロテスタントの人々も住んでいたのだ。しかし、今では彼らの教会の屋根は落ち、廃墟となってしまった。 アイルランドがイギリスから独立したときに、プロテスタントの人々はアラン島を離れてしまったのだ。 しかし、島で親しくなった土産物屋の女主人によれば、彼女の友達の中にはプロテスタントがいるらしい。アラン島では自分達の教会を失ってしまった少数のプロテスタントたちは、カトリックの教会で礼拝をしている、と店の女主人は言っていた。 教会に限らず、島のあちこちには、荒れ果ててしまった家や屋敷が残されている。どれもプロテスタントの財産なのだそうだ。彼らが島を離れてから、持ち主がわからなくなった家・屋敷なのだ。国際的に注目される北アイルランド問題は、「北アイルランド」だけの問題ではない。
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