04. ナヴォナ広場からパンテオン（ローマ）

ローマのナヴォナ広場

細長い形をしたこのナヴォナ広場にはいくつかの噴水があるんだけど、上の画像の手前に見えているのはムーア人の噴水。広場の南端にある噴水。この噴水にムーア人の像を付け加えたのはイタリア・バロックの彫刻家ベルニーニだった。西暦1673年のことだったとか。それからこの噴水はムーア人の噴水と呼ばれるわけだ。

ベルニーニによる四大河の噴水

4体の像はドナウ川、ガンジス川、ナイル川、ラプラタ川を象徴しているらしい。故に四大河の噴水と呼ばれるわけだ。

そしてナヴォナ広場の北端には、ネプチューンの噴水がある。ここに画像は無いんだけどね。その噴水にネプチューンの像が付け加えられたのは西暦1878年のこと。南端にあるムーア人の噴水とシンメトリーを成すようにとのことだったらしい。

ナヴォナ広場にあるサンタニエーゼ・イン・アゴーネ教会

サンタニエーゼとは聖アグネスのことなんだけど、聖アグネスは西暦304年にここで殉教したとされている。彼女は敬虔なキリスト教徒だったけど、当時の古代ローマ帝国ではキリスト教徒は迫害されていたんだ。（その後、皇帝コンスタンティヌスの時代になってようやくローマ帝国でキリスト教の信仰が許されたんだけどね。）

ところで、この教会の名前サンタニエーゼ・イン・アゴーネなんだけど、「アゴーネ」とは「競技」を意味する言葉なんだそうな。というのも、このナヴォナ広場は元々は1世紀に皇帝ドミティアヌスによって築かれた競技場だったらしい。更には、「ナヴォナ」という広場の名前なんだけど、これも「イン・アゴーネ」から変化したとされている。

というわけで、歴史もあり、名高い噴水もあるナヴォナ広場には多くの人々が集まってくる。そんな場所で気をつけなきゃいけないのがスリやひったくりだよね。私たちがナヴォナ広場を歩いていた時も、ガイドさんが注意を呼びかけていたよ。やや離れた場所にたむろしていた浅黒い肌の三人の若者たちを指して、ジプシー（ロマ）だから気をつけるようにって。

そんな差別的なことを言っちゃいけないでしょ・・・。とも思うんだけど、私自身もミラノでジプシーに襲われたことがある。やっぱり、気をつけなきゃいけないんだよね。

古代ローマ帝国の建物パンテオン

最初のパンテオンは紀元前27年にアグリッパによって建てられたんだそうな。アグリッパというのは、古代ローマ帝国の初代皇帝アウグストゥスの側近であり、フランス南部プロヴァンス地方にある水道橋ポン・デュ・ガールを築いた人物としても有名だよね。

ところが、アグリッパが建てたパンテオンは西暦80年に焼け落ちてしまった。その後、皇帝ハドリアヌスが西暦118年に再建したのが今のパンテオンなんだそうな。（皇帝ハドリアヌスはスコットランド国境近くにハドリアヌスの長城を築いた人物でもある。）

そんな歴史あるパンテオンの中には、「小椅子の聖母」で名高いラファエロのお墓がある。統一イタリア王国の初代国王ヴィットリオ・エマヌエーレ2世も眠っている。更には第2代国王ウンベルト1世のお墓もある。

ついでながら、ウンベルト1世の王妃はマルゲリータ。ん、なんか聞いたことのある名前だね。イタリアを代表するピザの一つがピッツァ・マルゲリータだよね。西暦1889年、王と王妃がナポリを訪れた際に考案されたのがピッツァ・マルゲリータであり、それが王妃に捧げられたが故にピッツァ・マルゲリータと名づけられた ・・・ という話もあるんだ。

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