東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

旅行記「マルタ 聖ヨハネ騎士団の島」

07. ヴァレッタからバス (マルタ)

ヴァレッタの朝

マルタ島の旅の 2日目の朝、早起きをしてヴァレッタの朝陽を見る ・・・ つもりだったけど、目が覚めたら6時半。既に太陽は水平線のはるか上にまで昇っている。でも、ホテルのテラスからは少し朝もやにかすんだ聖アンジェロ城砦(下の画像)の眺めを楽しませてもらった。しかし、明日こそは早起きして昇る朝陽を見たいもんだ。

ヴァレッタのホテルから眺めた聖アンジェロ城砦とセングレア(マルタ共和国)

7時半からホテルのレストランで朝食。完全なコンティネンタル・ブレックファスト。とっても美味い。が、不満がある。ホテル・ブリティッシュというからには、ロンドンパブで食べるようなイングリッシュ・ブレックファストを出して欲しいよね。

スリー・シティーズを目指そう

文句を言いつつも美味しく朝食をすませたら、ホテルを出発する。今日はヴァレッタからグランド・ハーバーの港をはさんで南東にあるスリー・シティーズを歩くつもりなんだ。

ヴァレッタとその周辺の略図(マルタ共和国)

マルタ共和国の首都といえば聖ヨハネ騎士団が築いた要塞都市ヴァレッタなんだけど、そのヴァレッタが建設されたのはオスマン・トルコ軍による攻囲(グレート・シージ)の後のこと。それまで騎士団が本拠としていたのは、聖アンジェロ城砦のあるヴィットリオーザ(旧名ビルグ)、セングレア、コスピークワという三つの街、即ちスリー・シティーズ(上の略図を参照)だった。

今日はまずスリー・シティーズを訪れ、聖ヨハネ騎士団とオスマン・トルコ軍との戦いの現場を見て歩くつもりなんだ。

ヴァレッタのバス・ターミナル

いつもの私ならば、すぐにタクシーに乗り込んで目的地まで行ってしまうところだね。でも、今回のマルタは学生時代のような一人旅にするつもり。当然ながら、タクシーはいかんでしょ。やっぱりバスでしょ。

ヴァレッタのバス・ターミナル(マルタ共和国)

というわけで、やって来たのはヴァレッタの南のゲート前にあるバス・ターミナル。鉄道の無いマルタ島では、公共交通機関の主役はバス。しかも、このヴァレッタのバス・ターミナルから出発するバスは多い。ここからバスに乗れば、島内のどこにでも行けるというわけだ。バスに乗り間違えなければ ・・・ ね。

ところで、上の画像に見えている黄色い車体のバスなんだけど、西暦2011年に引退しちゃったらしい。今はブルーの車体のバスがマルタ島を走っているみたいだよ。

ヴァレッタからバスで出発

マルタ島のバスなんだけど、乗車の際に運転手に行き先を告げ、運賃を前払いするらしい。が、慣れない土地で、マルタ語も話せないのに、バスに乗車する度にそんなやり取りをするのも面倒くさいよね。

というわけで、バス・ターミナルの片隅にあるチケット売り場で一日乗車券を買った。これがあればバスの乗り降りも楽なはずだ。(西暦2015年4月時点でマルタ島のバスの一日乗車券は 2.60ユーロ。)

ヴァレッタから乗ったバスの運転手さん(マルタ共和国)

バス・ターミナルで乗り込んだのは、1番のバス。ちょいと不安を覚え、運転手さんに「ヴィットリオーザへ行くか」と尋ね、確認した上で乗り込んだ。まずは間違いないだろう。やがてバスが動き出し、ヴァレッタを出発。

やがてコットネラ近くのラウンド・アバウトに入ったところで事故があった。乗用車 2台がぶつかったらしい。そのうちの 1台はあっという間に逃げてしまった。残された 1台を運転していた女性は、ラウンド・アバウトの真ん中で大騒ぎだ。

私の乗っているバスの運転手が降りていく。近くに住むお年寄りや神父さんまで集まってきた。バスの中の乗客たちも大騒ぎだ。もちろん私にはマルタ語は理解できないんだけどね。

そのうちに騒ぎに飽きたのか、人々が散っていく。運転手もバスに戻ってきた。気を取り直して出発だ。やがて丘の上でバスが停まった。運転手が私に向かって「ヴィットリオーザだよ。降りるんだろ。」と言ってくれた。乗車の際に私が尋ねたのを覚えていたんだ。見かけよりも良い男じゃないか。


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