東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

旅行記「マルタ 聖ヨハネ騎士団の島」

21. ラバトの街を散策(マルタ島)

バスでラバトに向かう

マルタ共和国の首都にして要塞都市であるヴァレッタの先端にある聖エルモ城砦を見て歩き、更には聖ヨハネ騎士団ゆかりのイン・ガーディアも見た。というわけで、ホテルに戻って昼寝でもしようかな ・・・ という誘惑にかられながらも、自分をなだめてバス・ターミナルに向かった。

そのバス・ターミナルのチケット売り場の窓口が閉まっている。バスの扉も閉まっていて、運転手も見かけない。昼の1時前だし、皆さん、昼休みなのかな。仕方ない。近くのパブで気に入りのマルタのビール CISK を飲みながら待つ。やがて運転手さんが戻ってきたのは1時半過ぎだった。

ヴァレッタからラバトに向かうバスの運転手(マルタ共和国)

バスに乗り込み、行き先を確認した上で料金を払った。間もなくバスは出発。運転手氏はまるで暴走族だった。左手をギアから離そうとせず、ギア・シフトしながら急加速している。おかげで2時にはラバトに到着。

ラバトの聖パウロ教会

このラバトという街は、マルタ島の古都イムディナと隣接している。イムディナを兄とすれば、ラバトは弟のような存在なんだ。イムディナが貴族の街ならば、ラバトは庶民の街だと言われる。ちなみに、「ラバト」という言葉は「郊外」を意味しているらしい。古都イムディナの郊外ということみたい。

そんなラバトの街で探したのはレストランあるいは食堂。パブでもいいよ。ところが、営業している店は1軒も無かった。入口が開いている店で尋ねてみたんだけど、ちょうど閉めるところだと ・・・ 。既に2時を過ぎているからね。結局、お昼を食べ損なった。仕方なく空きっ腹を抱えてラバトの観光を始めた。

ラバトの聖パウロ教会(マルタ共和国)

やって来たのは、上の画像にある聖パウロ教会。西暦1572年に建設されたという歴史ある教会なんだそうな。但し、今の建物は17世紀に再建されたものらしいけどね。その聖パウロ教会なんだけど、残念ながら入口は閉じられていた。中に入ることはできなかったよ。

西暦1990年、ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世がここでマルタの人々の為に祈りを捧げたんだそうな。ちなみに、教皇は西暦1978年に即位し、その3年後には広島と長崎を訪れて核兵器の廃絶を訴えている。西暦1992年にはガリレオに対する異端裁判について謝罪したという人物なんだ。

ラバトにあるカタコンベ(地下教会)

聖パウロ教会のすぐ近くには、聖パウロのカタコンベ(地下墓地)がある。4世紀から5世紀にかけてのものなんだそうな。その中を歩くことは出来た。でも、そこでシャッターを押す勇気は無かった。というわけで、下の画像はその入口の様子。

ラバトの聖パウロのカタコンべ(地下墓地)の入口(マルタ共和国)

また、ラバトにある聖アガサ教会にもカタコンベ(地下墓地)がある。迫害を逃れてきた聖アガサがそこに隠れ住んだという話もある。いずれのカタコンベ(地下墓地)も、この地におけるキリスト教信仰が長い歴史があることを示しているよね。

余談ながら、西暦1551年に海賊ドラグートなどのオスマン・トルコ軍がマルタ島に上陸した際、土地の人々は聖アガサに祈ったらしい。そのおかげか、マルタ島からオスマン・トルコ軍は撤退した。そんなわけで、聖アガサはマルタ島の守護聖人とされたらしい。でも、マルタ島から撤退したオスマン・トルコ軍は隣のゴゾ島に上陸し、数千人の人々を奴隷としてさらって行ったとか。

ラバトで見かけた労働党のオフィス

ラバトの街を歩いている時に見かけたのが、下の画像にある労働党のオフィスだった。(ビルの上に掲げられているのは、マルタ共和国の国旗だね。)

ラバトで見かけた労働党のオフィス(マルタ共和国)

西暦1798年にエジプト遠征に向かうナポレオンに聖ヨハネ騎士団が屈服し、マルタ島はフランスの支配下に入った。ところが、西暦1800年にはイギリスが島を奪い取っている。そんなイギリスの統治からマルタが独立したのは西暦1964年のこと。その後、西暦1974年には共和制となり、国民党と労働党の二大政党が交互に政権を担っているんだそうな。西暦2013年3月の総選挙からは、労働党が政権を握っている。


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