東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

旅行記 「アンダルシアの古都めぐり(スペイン)」

セビリア、コルドバ、グラナダを見て歩いた旅

08. グラナダでパエリャ

アンダルシア地方の田舎の風景、オリーヴ畑

スペイン南部アンダルシア地方の古都コルドバのメスキータを歩き、やがてバスに乗り込んで出発。同じくアンダルシア地方にあるアルハンブラ宮殿で名高い古都グラナダに向かう。

スペイン南部アンダルシア地方の古都コルドバからグラナダへ向かう途中で見たオリーヴ畑と小さな城

上の画像はグラナダに向かうバスの車窓からの眺めなんだ。無数のオリーヴの木々の向こうの小山の上には小さなお城も見えているね。スペインのレコンキスタ(国土回復運動)の時代には、あのお城をイスラム教徒やキリスト教徒の戦士たちが奪い合ったりしたのかな。

アンダルシア地方の丘の上の白壁の家々

下の画像は同じく古都コルドバからグラナダへと向かうバスの車窓から眺めた風景なんだけど、丘の上に広がる白壁の家々が素敵だよね。

スペイン南部アンダルシア地方の古都コルドバからグラナダへ向かう途中で見た丘の上の白壁の家々の街

3泊4日という今回の短い旅ではあちこち寄り道することも出来ないんだけど、スペイン南部アンダルシア地方にはもっともっと魅力的な街や村があるんだろうね。

グラナダのレストランに到着

やがて到着したアンダルシア地方の古都グラナダは、ハプスブルク家のスペイン王カルロス1世(皇帝カール5世)の母方の祖父母にあたるカトリック両王コロンブスの新大陸発見を支援したことで名高い)がイスラム教徒の支配から奪い返した街。スペインにおけるイスラム教徒の最後の王朝があった街だね。

当然ながらアルハンブラ宮殿を筆頭に、古都グラナダで見るべきものは多い。が、今はお昼なんだ。最優先すべきは食事だよね、なんと言っても。というわけで、まずはグラナダ市内のレストランに入った。

スペイン南部アンダルシア地方の古都グラナダのレストランで地元の音楽を聞いた

上の画像はレストランの人々が地元の音楽を聞かせてくれたんだけど、スペイン南部アンダルシア地方といえば、フラメンコの本場だからね。せっかくなんだから、フラメンコ・ギターでも演奏してくれればもっとうれしかったな。(実は私はフラメンコを見るのが大好きで、住んでいたロンドンでもスペイン料理のレストランに通ってフラメンコを観ていたんだ。)

古都グラナダで食べたパエリャ

やがてお昼の主役のパエリャが登場した。魚介類たっぷりの熱々のパエリャ(下の画像)をレストランのスタッフが注意深く運んで来たよ。

スペイン南部アンダルシア地方の古都グラナダのレストランで食べたパエリャ

そもそもスペインに米を持ち込んだのは、西暦711年に北アフリカから侵入して西ゴート王国を滅亡させたイスラム教徒たちだった。彼らは進んだ灌漑技術も持ち込み、スペインで米作りを始めたんだ。そのおかげで代表的なスペイン料理となったパエリャがあるわけだね。セビリアのヒラルダの塔コルドバのメスキータも、この後で歩くグラナダのアルハンブラ宮殿も彼らが残した偉大な遺産なんだけどね。

話をパエリャに戻すけれども、パエリャはアンダルシア地方ではなくスペイン東部の地中海に面したヴァレンシアの名物料理とされているらしい。スペイン王フェリペ2世統治下の西暦1568年にグラナダのモリスコ(キリスト教に改宗を強制されたイスラム教徒)が反乱を起こし、その鎮圧後にグラナダのモリスコの多くがヴァレンシアに強制的に移住させられた。

その結果、ヴァレンシアの人口に占めるモリスコたちの比率は3割を越えていたらしい。そんなモリスコたちがパエリャの元となる料理を好み、やがてパエリャがヴァレンシアの名物料理になったのかな ・・・ というのは私の推測なんだけどね。ちなみに、ヴァレンシアの言葉では、パエリャは「パエジャ」と発音するんだそうな。

他方、カトリックに改宗させられたイスラム教徒たち(モリスコ)なんだけど、結局のところは17世紀前半にスペインから追放されている。それを命じたのは、フェリペ2世(レパントの海戦で名高い)の息子のスペイン王フェリペ3世だったそうな。


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