東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

旅行記 「アンダルシアの古都めぐり(スペイン)」

セビリア、コルドバ、グラナダを見て歩いた旅

11. グラナダのアルハンブラ宮殿 -3. パルタル庭園

アルハンブラ宮殿のパルタル庭園

古都グラナダのアルハンブラ宮殿における次の気に入りの場所は、下の画像にあるパルタル庭園だね。

スペイン南部アンダルシア地方の古都グラナダのアルハンブラ宮殿にあるパルタル庭園

このパルタル庭園とパルタル宮殿を建てたのは、ナスル朝グラナダ王国の初代ムハンマド1世の孫に当たる3代目のムハンマド3世だった。

西暦1302年に即位したムハンマド3世は、キリスト教徒のカスティーリャ王国と講和し、アフリカ北部のイスラム教徒のマリーン朝と戦おうとした。ところが、それに不満を抱いた弟のナスルによって西暦1309年に王位を奪われてしまった。

そのナスルは西暦1313年に甥のイスマーイール1世によって廃位され、以後のグラナダ王国では王家の内部での争いや暗殺が続いたわけだ。ライオンの中庭のページでもちょいと触れたけどね。

アルハンブラ宮殿の貴婦人の塔とパルタル庭園

下の画像は少し高い位置から眺めたパルタル庭園なんだけど、池の向こうに見えているのが、貴婦人の塔と呼ばれる建物なんだそうな。この貴婦人の塔の1階には、水辺に五つのアーチを持つ柱廊があり、その奥には広間がある。2階はかつては居住スペースだったらしい。

スペイン南部アンダルシア地方の古都グラナダのアルハンブラ宮殿にあるパルタル庭園

但し、この貴婦人の塔は昔のパルタル宮殿の一部に過ぎない。かつては貴婦人の塔の南と東にも宮殿が続いていたらしい。そんな貴婦人の塔の向こうに乾いた斜面が見えているよね。あの斜面が古都グラナダを見下ろすサクロモンテの丘なんだそうな。

アルハンブラ宮殿から眺めたアルバイシン地区

パルタル庭園の水辺に立つ貴婦人の塔を歩けば、その向こうに広がる古都グラナダの街並みを見ることができる。下の画像の右手に見えているのはサクロモンテの丘、その左に広がっているのがアルバイシン地区なんだそうな。

スペイン南部アンダルシア地方の古都グラナダのアルハンブラ宮殿から眺めたアルバイシン地区

古都グラナダのアルハンブラ宮殿と共にアルバイシン地区は世界遺産に登録されている。アルバイシンという地区の名前は、アラビア語のアル・バヤーズィーンから来ているんだそうな。かつてのナスル朝グラナダ王国の頃には城壁によって守られていたアルバイシン地区の白壁の家々の間には、中世そのままの迷路のような小路が入り組んでいるらしい。

アルハンブラ宮殿の野外劇場でグラナダ国際音楽舞踏祭

アルハンブラ宮殿の更に奥に進む。今日のハイライトとでもいうべきアルハンブラ宮殿の離宮ヘネラリフェの手前で見たのが、下の画像にある野外劇場だった。

スペイン南部アンダルシア地方の古都グラナダのアルハンブラ宮殿にある野外劇場

この野外劇場はさほど由緒のあるものでもなさそうで、旅の後で色々と調べたんだけど、誰がいつ築いたものかもわからなかったんだ。でも、一つだけとっても重要なことを発見した。

この野外劇場やアルハンブラ宮殿の一角にハプスブルク家のスペイン王カルロス1世(皇帝カール5世)が築いた宮殿(未完成だけど ・・・ )などでグラナダ国際音楽舞踏祭が開催されるらしい。通例として6月下旬から7月初旬に開催されるそのイベントでは、スペインの名だたるフラメンコのミュージシャンやダンサーなどの公演もあるんだそうな。

ロンドンではスペイン料理のレストランに通ってフラメンコを見るのを楽しみにしていた私としては、本場スペインのアンダルシアでフラメンコを見てみたいよね。その時期にグラナダに来ることも、その公演のチケットを取ることも難しいだろうけど ・・・ 。

さて、次のページでは、いよいよアルハンブラ宮殿の最大の見どころとも言うべきヘネラリーフェを歩くよ。


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