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ロンドンの風景(イギリス)

ロンドン塔

ロンドン塔はタワー・ブリッジの近く

ロンドン地下鉄のタワー・ヒル駅から徒歩数分のところ、テムズ川のほとりにロンドン塔がある。つまり、タワー・ブリッジのすぐ近くだから、この二つは続けて見て回るのが効率が良いね。

フランス北部のノルマンディーに領地を持つノルマンディー公にしてイギリスの征服王と呼ばれるウイリアム1世ホワイト・タワーを築いたのは、1078年のこと。そのホワイト・タワーの周囲に多くの建物や城壁が築かれて、現在の城郭になったわけだ。

といっても、この場所にはそれ以前からも何らかの城砦があったらしい。イタリア本土、特に帝国の中心であるローマの防衛の為に古代ローマ帝国の兵士たちがブリタニア(イギリス)を撤退する前にここに城砦が築かれ、彼らの撤退の後も維持されたという説もあるらしいよ。

ロンドン塔のホワイト・タワー

下の画像は、テムズ川の南岸からロンドン塔を撮影したもの。中央やや左に写っているのが、ロンドン塔の中心にあるホワイト・タワーだね。

テムズ川の南岸から見たロンドン塔(イギリス)

見ての通り、ホワイト・タワーは白くない。しかし、昔は白い漆喰が塗られていたから、本当に白い塔だったらしいよ。

ロンドン塔で幽閉・処刑

この城郭には、17世紀までイギリス国王が住んでいた。しかし、多くの人々が幽閉され、あるいは殺された場所として有名だよね。リチャード2世トマス・モアヘンリー6世、エドワード5世と弟のヨーク公、アン・ブーリン火薬陰謀事件の犯人のガイ・フォークスたち、でっちあげのカトリック陰謀事件に巻き込まれたスタッフォード子爵ウィリアム・ハワード 、カトリックのジェームズ2世の即位に反対したモンマス公・・・ 。

更にはスコットランド王デヴィッド2世フランス王ジャン2世。それに忘れちゃいけない、エリザベス1世も幽閉されていたんだ。加えて、カロデンの戦いで敗れたスチュアート家のボニー・プリンス・チャーリーを救ったフローラ・マクドナルドも幽閉されていたね。

イギリスの劇作家シェイクスピアの作品の中には、このロンドン塔で幽閉あるいは処刑された人々を取り上げたものが少なくないんだ。もしロンドン塔が無ければ、彼の悲劇ももっと少なかったかもしれないね。

このロンドン塔で人々が幽閉されていただけじゃない。処刑だって行われていた。ちなみに、ロンドン塔で最後の処刑が行われたのは西暦1941年のことだったらしい。処刑されたのはナチス・ドイツのスパイだった。

処刑されたわけではなく、このロンドン塔から脱出しようとして転落死した人物もいた。ウェールズ北部にあったケルト系のグウィネズ王国の王子が人質としてロンドン塔に幽閉され、シーツを使って塔を出ようとして転落したらしい。西暦1244年のこと。イングランド王エドワード1世がウェールズを征服する前のことだね。

もう一つ、このロンドン塔で有名なのは「アフリカの星」と呼ばれるダイヤ。530カラットという世界最大のダイヤモンド。このお宝を見るためには、遊歩道に乗ることになっているんだけど、お宝の横をあっという間に通り過ぎるだけなんだ。だから、家内なんて三回も遊歩道に乗っていたよ。

ロンドン塔の衛兵 ヨーマン・ウォーダーズ あるいは ビーフィーター

ジン ビーフィーターのボトルに描かれたロンドン塔とヨーマン・ウォーダーズ ところで、右の画像にあるのはジンのボトル。といっても、今からジンのことを書こうというわけじゃない。見て欲しいのは、右の画像のボトルに描かれている赤い服装の人物。この服装が、ロンドン塔の衛兵 ヨーマン・ウォーダーズ(あるいはビーフィーター)の制服なんだ。

元々は西暦1485年にテューダー家の初代イングランド王ヘンリー7世によって組織された独立自営農民の兵士たちだった。その後はイギリス国王の親衛隊となり、ロンドン塔の警護も行うようになったらしい。

ちなみに、右の画像のボトルの衛兵の背後には、うっすらロンドン塔のホワイト・タワーも描かれているのが見えるかな。

ロンドン塔で餌付けされているカラス

世界中でカラスが餌付けされている場所って、たぶんとっても少ないよね。このロンドン塔は、その数少ない場所の一つなんだ。つまり、ここではカラスが餌付けされている。

というのも、「カラスがいなくなると、ロンドン塔が崩壊する」と信じられているからだって。ちなみに、カラスのエサ代を出しているのはイギリス政府だって話だけど ・・・ 。

ロンドン塔の鍵が盗まれたとか

西暦2012年11月、ロンドン塔に関して驚くべきニュースがあった。ロンドン塔の敷地に何者かが侵入し、いくつかの鍵が消えていたらしい。但し、その消えた鍵だけではロンドン塔の奥にまで侵入することは出来なかっただろうと。

ロンドン塔に保管されていた王冠などの財宝に被害は無かったらしい。でも、盗まれた鍵で開くことの出来る錠は全て取り替えられたとか。


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