東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

旅行記 「春のポルトガル」

リスボン、シントラ、オビドス、ナザレなど

01. ポルトガル到着

ロンドンからポルトガル

今日は5月1日。日本ではゴールデン・ウィークの真っ最中だね。でも、私が暮らす(当時のこと)イギリスの首都ロンドンにはそんなものはない。しかも、金融街シティにある会社で財務・経理・税務を担当していた私は、3月の年度末が終わって間もない4月・5月は週末さえも休むことができないほどに忙しいんだ。

でもね、今は春。長くて暗くて湿っぽいロンドンの冬もようやく終わって春が来た。忙しくたって、短い旅行くらい行きたいよね。というわけで、ちょいとだけ週末に休みをくっつけて4連休にしたんだけど、その休みを利用して春のポルトガルを旅行しようというわけだ。

でも、この忙しさの故に自分で旅の手配をする時間も体力も無い。というわけで、今回はロンドンにある旅行会社のツアーに参加することにしたんだ。自分で手配をする必要も無いし、短い日程であちこちと効率よく見て回ることも出来るからね。

そんなわけで、今朝は4時半に起床。とっとと身支度を整え、6時前には車で自宅を出発し、ヒースロー空港に向かう。チェック・インと出国手続きを済ませたら、空港内にあるパブへと向かう。いつものようにビールを飲みながら、イングリッシュ・ブレックファストを食べる。イギリスから外に出るとイングリッシュ・ブレックファストを食べることは出来ないからね。

ポルトガル略図

ポルトガル航空の飛行機に乗り込み、ヒースロー空港を離陸したのは9時前。ポルトガルの首都リスボンの空港に着陸したのは11時だった。イギリスからヨーロッパ大陸の国に移動すると、時差の為に時計を1時間進めることが多い。でも、ポルトガルとイギリスとの間の時差はない。時計を進める必要も無かったね。

リスボンの空港に到着した私の服のポケットには、ポルトガルに関する重要な資料が入っていた。飛行機の中ではポルトガル空港の機内誌をじっくりと読んでいたんだけど、その中にポルトガルのワインに関する詳しい記事(英語で書かれていた)があったんだ。これからポルトガルを旅する間にあちこちでワインを飲むだろうから、これは役に立つと考え、該当のページを破って持って出たわけだ。実際、この記事は旅行中とっても役に立ったよ。(おかげで、この旅行記の最後にポルトガルのワインについてのページを書くことも出来た。)

ポルトガルの海岸をバスで北に向かう

リスボンの空港で入国手続きを済ませ、待っていたツアーのバスに乗り込んだのが12時前。ツアーではあるけれども、バスに乗り込んだ参加者は私と家内を含めて10人。そしてガイドのエルザさんと運転手のペドロさん。旅行会社には気の毒だけど、ツアーの人数が少ないと楽だよね。とっても有り難いね。

私たちを乗せたバスはリスボン市内を出る。市街地を出る時に水道橋の下を通過したんだ。フランス南部プロヴァンス地方にあるポン・デュ・ガールの水道橋の類かと思ったら、新しくて18世紀のものだそうな。今のポルトガルにも古代ローマ帝国は進出していたから、古代の水道橋があっても良さそうだけどね。

バスはポルトガルの海辺を北へと向かう。その途中で立ち寄ったのが、下の画像にあるカスカイスの街。市内にある海辺のエストリルはヨーロッパ有数のリゾートだし、19世紀末にポルトガルの王族たちが夏を過ごしたのがこのカスカイスの街なんだそうな。(西暦1910年のポルトガルの革命で王政が廃止されたから、今ではポルトガルに王族はいないんだけどね。)

カスカイスの海辺の風景(ポルトガル)

上の画像でもわかるけど、今のところ天気はもう一つ。夏の6月から9月まではリスボン付近は雨が少なくて青空に恵まれるんだけど、秋から春にかけては雨がやや多くなるんだそうな。これから今日の目的地に向かう間に青空が広がってくれると有り難いんだけどね。(実際、目的地に到着した時には晴れてくれた。行いが良いのかも。)

ポルトガルのヴィニョ・ヴェルデとシーフードのリゾット

1時過ぎにはバスはレストランの前に停車。ちょいと遅めのお昼だ。テーブルの上に用意してあったオリーヴやゆでたエビを食べながら飲んだのは、ポルトガル北西部で生産されるヴィニョ・ヴェルデ。わずかに緑色を帯びたワインだから、ヴィニョ・ヴェルデ(緑のワイン)と呼ばれるんだそうな。若くて新鮮でさわやか、アルコールは軽めで、わずかに発泡性があり、お昼にぴったりのワインだよね。

ポルトガルで食べたシーフード・リゾットとヴィニョ・ヴェルデ

やがて登場してきたのは、上の画像にもあるシーフードのリゾット「アロース・デ・マリスコス」。エビ、カニ、ムール貝などの海の幸がたっぷりだ。スペインのパエリャに似ていなくもないけど、それよりも水分が多いし、お米も柔らかくしてあるし、サフランは入っていないような。でも、どちらも美味しいよね。(私はスペインのフラメンコを見るのが大好きで、ロンドンのフラメンコの店に通い、そこでいつもパエリャを食べていたんだ。)

ポルトガルの海辺を北へ

お昼を食べ、ヴィニョ・ヴェルデを飲み、満足してバスに戻る。再び走り出したバスは、ポルトガルの海辺の道を北へと向かう。そのバスの車窓からの眺めが下の画像なんだ。

バスの車窓から眺めたポルトガルの海辺の風景

かつてエンリケ航海王子ヴァスコ・ダ・ガマが活躍したポルトガルは、大航海時代にはスペインと並ぶ世界帝国だった。でも、次第に衰退し、フランス皇帝ナポレオンの時代にはフランス・スペイン連合軍の侵攻を受け、ついには全ての植民地を失ったポルトガル。西ヨーロッパの一角にありながらも、ポルトガルの風景にはどこか貧しさを感じるね。道路は整備されていないし、家々からもさほどの豊かさは感じられない。海と緑は豊かだし、シーフードも美味しかったけど。


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