東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅
春のルーマニア
東欧(1998年5月)


07. シビエル村のイコン美術館で見たイコン
(トランシルヴァニア、ルーマニア)

トランシルヴァニアのイコンのコレクションを展示しているシビエル村のイコン美術館の中では、基本的にはカメラの使用は禁じられている。

だけど、入り口横のおんぼろ机の係りの女性に 5,000レイ(80円)を払えば、撮影許可証をくれるんだ。

シビエル村のイコン美術館の撮影許可証(トランシルヴァニア、ルーマニア) 右の画像が「撮影許可証」。ノートの端っこにちょこちょこっと書いて、スタンプをポン、ビリビリッ。

十字架のキリストと聖母マリア

シビエル村のイコン キリスト磔刑図(トランシルヴァニア、ルーマニア) まずはオーソドックスに十字架のキリストと聖母マリアのイコン。テーマは珍しくは無いけど、色彩が明るいよね。

ところで、マリア様の頭の周囲を飛び回っているのは、実は天使なんだ。(そうは見えないだろうけど...。)

天使の姿

「天使」といえば、真っ先に頭に浮かぶのは、翼を持った赤ん坊かな。でも、そんな天使が登場したのは、ルネサンス以降のことなんだって。

続いて頭に浮かぶ天使は、例えば聖ミカエル(サン・ミシェル)とかかな。そう、8世紀初頭にフランスの司教の夢に登場して、あの世界遺産モン・サン・ミシェル(フランス)の起源となった礼拝堂を建てさせた...。

まあ、正解かな。確かに聖ミカエル(サン・ミシェル)は天使だね。しかも、最後の審判で人間の魂の重さを測る大天使。でもね、聖ミカエルが属する「大天使」って、天使の中では下から二番目の地位なんだって。つまり、平社員よりはちょっとだけ上だけど、所詮は下っ端というわけだ。

(ほお、じゃあ誰かさんと一緒やんか。)

じゃあ、天使の中のエライさんはどんなか。例えば、燭天使、智天使、座天使...などなど。そのエライさん天使には手も無けりゃ足も無い。頭に翼がついているだけ。つまり、上のイコンの中で、マリア様の頭の周囲を飛び回っているのは、天使の中のエライさん達なんだねえ。




ワインはキリストの血

ダ・ヴィンチも描いた最後の晩餐といえば、キリスト教徒に限らず、誰でも知っている聖書の場面だよね。その最後の晩餐の席でのキリストについて、聖書は書いている。

杯を取り、感謝の祈りを唱え、彼らに渡して言われた。「皆、この杯から飲みなさい。これは、罪が許されるように、多くの人のために流されるわたしの血、契約の血である。」 (マタイによる福音書)

そんな背景があるから、キリスト教徒たちは、ワインはキリストの血だと考えるわけだね。

シビエル村のイコン ワインはキリストの血(トランシルヴァニア、ルーマニア) そんなキリスト教徒のワインに関する考えを目に見える形に描くと、右の画像にあるイコンになるわけだ。

キリストの左の脇腹(画像の右側)から生えたブドウの蔓は、十字架に絡みつくように伸び、キリストの右側(画像の左側)で、果実をつける。

キリストがブドウの果実をしぼってワインを作るんだ。なるほど、ワインはキリストの血というわけだ。

【参考】都市別ツアー


【参考】ホテル検索


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