東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

旅行記 「初秋のブルゴーニュ」 (フランス)

ディジョン、ジュヴレ・シャンベルタン、ボーヌ、ペルージュ、リヨン

16. 中世の街 ペルージュ

中世の街ペルージュの城壁の門

中世の雰囲気のホテルの部屋を出て、中世の街ペルージュを歩く。

フランス東部にある中世の街ペルージュの城壁の門

まずはペルージュの街を守る城壁の門が上の画像だ。このペルージュの街は、リヨンの軍勢に対して門を閉ざし、13世紀には自治権を獲得したらしい。その13世紀に中世の街ペルージュが職人の街として栄えたらしい。

中世の街ペルージュの石の塔

西暦1355年にサヴォワ公はフランス王ジャン2世からペルージュを買い取っている。百年戦争中のジャン2世は、イングランドと戦う為にお金が必要だったんだ。でも、そうやって調達したお金で戦った挙句に捕虜になり、フランス王ジャン2世は敵地ロンドンで亡くなったんだけどね。お金が調達できなかった方が良かったのかも。

ともかくサヴォワ公が買い取ったペルージュ。でも、それ以後もペルージュはフランスに帰属したり、サヴォワ公家に帰属したり、行ったり来たりだったらしい。ちなみに、同じく14世紀にサヴォワ公家が獲得したニースもフランスとの間に争奪戦が続いたんだ。

フランス東部にある中世の街ペルージュの石の塔

上の画像はペルージュの家々を見下ろす石積みの塔なんだけど、この塔にもフランス王やサヴォワ公の守備兵が配置されたりしたんだろうね。

ちなみに、当時のサヴォワ公は神聖ローマ帝国の皇帝に従っていた。同様に今のフランス南部プロヴァンス地方もフランス王国ではなく神聖ローマ帝国の域内とされていたんだ。

そのプロヴァンス地方がフランス王国に帰属したのは、15世紀後半にプロヴァンス伯ルネ・ダンジューが亡くなった後のことだった。サヴォワ公の領地だったニースがフランスに帰属したのは、フランス皇帝ナポレオン3世統治下の西暦1860年のことだった。フランス王ルイ14世太陽王アウクスブルク同盟戦争スペイン継承戦争などの際に何度かニースを占領したんだけど、戦争が終われば返還されていたんだ。

そして、この中世の街ペルージュが最終的にフランスに帰属したのは、ブルボン家のフランス王アンリ4世治下の西暦1601年のこと。今のフランスの形になるまでには、紆余曲折の歴史があったんだね。

中世の街ペルージュで撮影された映画「三銃士」

そんな中世の街ペルージュは、繊維関係の職人の多い街だった。ところがリヨンで繊維産業が発展し、対照的にペルージュの街はさびれていった。最盛期には1500人ほどいた人口も、19世紀には80人にまで減ってしまった。おかげで、中世の街がそのまま残されたというわけだ。

フランス東部にある中世の街ペルージュの街並み

そんなわけで上の画像のような中世の街並みが残るペルージュでは、日本で言えば時代劇のような映画の撮影が行われたんだ。その代表が20世紀初頭に撮影された映画「三銃士」(アレクサンドル・デュマ・ペールの小説「三銃士」に基づく)だったらしい。

しかし、中世の街は実は歩きづらいね。舗装に慣れた私たちにとっては、石畳の道を歩くのはちょいと疲れる。間違ってもハイヒールなどで歩いちゃ絶対にネンザするね。イギリス南部にある中世の港町ライの石畳の道もそうなんだけどね。

ちなみに、フランス南部プロヴァンス地方でも、ゴルドの村ムスティエ焼きの陶器で名高いムスティエの村も中世の面影が濃厚だよね。でも、ペルージュが街なのに比べて、ゴルドやムスティエは村かも。

中世の街ペルージュでランチ

中世の街ペルージュを歩き、お腹が空いた。ちょいと遅いランチにしよう。というわけで、レストランの前のテーブルの椅子に腰を下ろした。

フランス東部にある中世の街ペルージュでランチ

食べた料理はオムレツと鴨のコンフィとジャガイモのグラタン。名のあるレストランでの食事に飽きた時には、田舎の料理が有り難いね。ちなみに、飲み物はセルドン。後で調べてわかったんだけど、フランス南東部の山間部で作られている微発泡性のロゼ・ワインなんだそうな。初めて飲んだセルドンが非常に美味かった。

食後にはペルージュの名物と言われるガレットを食べてみた。が、期待したほどでもない。別の機会に再び試してみるけどね。そしてカフェ・オレが美味かった。おそらくはミルクが良いんだろうな。まろやかで幸せなカフェ・オレ。そして支払の時に紙幣を一枚多く渡してしまったらしい。店のオヤジが追いかけてきて、一枚多かったよと渡してくれた。このペルージュの街、好きだな。


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