東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

旅行記 「初秋のブルゴーニュ」 (フランス)

ディジョン、ジュヴレ・シャンベルタン、ボーヌ、ペルージュ、リヨン

21. リヨンのフルヴィエール教会

リヨンの丘の上にあるフルヴィエール教会

さっきはリヨンにあるフルヴィエールの丘の麓からケーブルカーに乗り、フルヴィエール教会の目の前にある駅で降りたんだけど、先に古代ローマ帝国時代の劇場跡を見に行った。そして今度はリヨンのフルヴィエールの丘にあるフルヴィエール教会(下の画像)を見る為に戻ってきたんだ。

フランス第2の都会リヨンにあるフルヴィエール教会

このリヨンの丘にあるフルヴィエール教会なんだけど、正しくはノートルダム・ド・フルヴィエール教会というらしい。

リヨンとノートルダム(聖母マリア)

下の画像は、リヨンのノートルダム・ド・フルヴィエール教会の正面入り口の上にある彫刻なんだけど、ノートルダム(聖母マリア)が彫られているんだ。パリのノートルダム大聖堂をはじめ、フランス各地にノートルダム教会があるんだけど、このリヨンのノートルダム(聖母マリア)には特別な由緒があるんだそうな。

フランス第2の都会リヨンにあるフルヴィエール教会の正面入り口の上の彫刻

まず14世紀の半ばのこと。西暦1347年に今のフランス南部プロヴァンス地方マルセイユに上陸したペスト(黒死病)が広がった際、リヨンの人々がノートルダム(聖母マリア)に祈ったところ、病魔が後退したという伝説があるらしい。

次いで19世紀後半、普仏戦争でプロシアに敗れフランス皇帝ナポレオン3世は捕われの身となり、首都パリも占領され、ヴェルサイユ宮殿でドイツ皇帝の戴冠式が行われた。その際にプロシア軍はリヨンを目指して南下し始めたんだけど、リヨンを占領することなく後退したらしい。それもノートルダム(聖母マリア)のおかげだと解釈されたんだそうな。

その後、西暦1872年にリヨンのノートルダム・ド・フルヴィエール教会が着工され、西暦1884年に完成したらしい。(同じ時期にパリの北のモンマルトルの丘に建設されたサクレ・クール寺院の完成は西暦1919年だったけど。)

ちなみに、小説「星の王子さま」の作家サン・テグジュペリは西暦1900年にこのリヨンで生まれている。彼が生まれた頃には、リヨンの丘の上にノートルダム・ド・フルヴィエール教会が輝いていたんだろうね。

リヨンのフルヴィエール教会はロマネスク様式とビザンティン様式

フランスの教会や聖堂といえば、サン・ドニ大聖堂シャルトル大聖堂シテ島のノートルダム大聖堂などゴシック様式の建物が多いね。でも、このリヨンのフルヴィエール教会は、ロマネスク様式とビザンティン様式を取り入れたものなんだそうな。

フランス第2の都会リヨンにあるフルヴィエール教会の内部

そのノートルダム・ド・フルヴィエール教会の内部は、上の画像のようにとっても華やかなんだけど、モザイクも素晴らしいと評価が高いんだそうな。(歴史のあるビザンティン様式の教会のモザイクといえば、イタリアの古都ラヴェンナが名高いね。)

ちなみに、このリヨンのノートルダム・ド・フルヴィエール教会と同じく西暦1884年に完成したロマネスク・ビザンティン様式の建物として、モナコ公国の大聖堂がある。やはり祭壇の上ではモザイク画が輝いているんだ。この様式は19世紀後半のトレンドだったんだろうね。(余談と言っては何だけど、モナコ大聖堂には元ハリウッド女優にしてモナコ大公妃となったグレース・ケリーが眠っている。)

フルヴィエールの丘から眺めたリヨン

ところで、このノートルダム・ド・フルヴィエール教会なんだけど、フルヴィエールの丘の上にある。その丘の上から眺めたリヨンの様子が下の画像なんだ。ノートルダム教会の脇にあるカフェの奥に庭があって、その庭のテーブルからの眺めなんだけどね。

フランス第2の都会リヨンにあるフルヴィエール教会の脇のカフェから眺めたリヨン

上の画像の中央の下のほうに大きな聖堂が見えているけど、それが歴史あるサン・ジャン大聖堂。その周囲がリヨンの旧市街なんだそうな。西暦275年にゲルマン人がリヨン付近に侵入してフルヴィエールの丘の水道を破壊した。以後、人々は丘を下って麓に住み始めたらしい。

さて、そのリヨン旧市街にあるサン・ジャン大聖堂が次のページ。


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