東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

旅行記 「春のプロヴァンス (フランス)」

14. セナンク修道院とゴルドの村

山の上から眺めたセナンク修道院

次の目的地は、西暦1148年に設立されたセナンク修道院。下の画像は、セナンク修道院のある谷に向かって下っていく坂道の途中から眺めた様子なんだ。

フランス南部プロヴァンス地方にあるセナンク修道院を山の上から眺めた

このセナンク修道院は、中世のフランスなどヨーロッパ各地に多くの修道院が参加したシトー派修道会が設立したものなんだそうな。

周囲には民家も見えない人里離れた谷にある修道院。でも、このセナンク修道院にも歴史の波は押し寄せてきたらしい。16世紀にはフランスにユグノー(ジャン・カルヴァンの思想に従うプロテスタント)が増え、ローマの教皇に従うカトリックとの宗教対立が激化したんだけど、その際にはこのセナンク修道院も襲撃を受けたんだそうな。

西暦1789年に勃発したフランス革命の後には、修道院の財産が没収され、世界遺産として名高いモン・サン・ミシェルの修道院などと同じく、このセナンクの修道院も閉鎖されている。(その後、紆余曲折の挙句にセナンクの修道院は復活し、今は修道士も戻ってきている。)

ラヴェンダー畑に囲まれたセナンク修道院

このセナンク修道院を設立したシトー派修道会は厳しい戒律で有名なんだそうな。例えば下着を身に着けることは禁止。衣類に用いる羊毛に染色を施すことは禁止。静寂を保つために会話はなるべく避けて手振りで意思の疎通を行うこと。

そんな規律に従うセナンク修道院の内部には、殆ど装飾も無いんだ。但し、修道院の建物の中ではカメラが使用禁止になっているから、その様子をお見せできないんだけどね。

フランス南部プロヴァンス地方にあるセナンク修道院とラヴェンダー畑

そんなセナンク修道院を彩るのが、周囲に広がる畑に咲くラヴェンダーの花 ・・・ なんだけど、今は4月だからね。さすがにラヴェンダーの花は咲いていない。ラヴェンダー畑に囲まれたセナンク修道院に来るならば、6月末から7月初旬のラヴェンダーの花の頃がいいよね。

岩山の上のゴルドの村

セナンク修道院を出てニームに戻る。その途中で見かけたのが、下の画像にある岩山の上のゴルドの村だった。

フランス南部プロヴァンス地方にある岩山の上のゴルドの村

このゴルドは、古代ケルト人の頃から続く長い歴史を持つ村だった。でも、8世紀に西ゴート王国を滅ぼしたイスラム教徒サラセン人の襲撃によって荒廃したらしい。その後もプロヴァンス伯とフランス王との戦いに巻き込まれるなどで波乱の歴史が続いたんだそうな。

でも、今も中世の面影を残る岩山の上の村ゴルドを発見し、芸術家たちに紹介したのが画家マルク・シャガールだった。そのおかげでゴルドの村には芸術家たちが住み着き、やがてはお金持ちの別荘も建てられるようになったんだそうな。

もう一つの旅行記「夏のプロヴァンス」

このページに書いたセナンク修道院にしてもラヴェンダーの花の季節をはずしていたし、岩山の上の村ゴルドにしてもゆっくりと歩く時間は無かった。というわけで、是非とも再びプロヴァンスに来たいと思っていたんだ。

そんな思いを満足させてくれたプロヴァンスの初夏の旅について書いたのが、旅行記「夏のプロヴァンス」なんだ。満開のラヴェンダーの花に囲まれたセナンク修道院も、のんびり散策したゴルドの村も登場する。そちらの方が参考になるかも。天気に恵まれて青空が広がっていたし。


次のページは
「15. ニームのメゾン・カレとフォンテーヌ庭園」



ヨーロッパ三昧 トップ・ページ

ヨーロッパの歴史風景

このサイト「ヨーロッパ三昧」には、下の姉妹サイトもあります。ヨーロッパに興味のある方は寄り道してくださいね。

ヨーロッパの歴史風景 バナー このサイト「ヨーロッパ三昧」の姉妹サイト「ヨーロッパの歴史風景」。ヨーロッパ各国の歴史に重点を置いてある。



Copyright (c) 2012-2013 Tadaaki Kikuyama
All rights reserved
このサイトの画像 及び 文章などの複写・転用はご遠慮ください。

このサイトの運営は、あちこち三昧株式会社が行います。