東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

パリに住んだ ・・・ つもりの 9日間 (フランス)

パリからロワール、ノルマンディー、シャルトルまで

50. 凱旋門 (パリ)

パリのエトワール凱旋門

初めてフランスの首都パリを旅した時、まず向かったのはシャルル・ド・ゴール広場(かつてはエトワール広場)だった。そこに立つエトワール凱旋門(下の画像)を見て、シャンゼリゼ通りを歩いたわけだ。

フランスの首都パリのシャルル・ド・ゴール広場に立つエトワール凱旋門

ちなみに、パリには凱旋門はいくつもある。ルーブル美術館近くにカルーゼル凱旋門、他にもサン・ドニ門とか、ラ・デファンスに新凱旋門とか。でも、やっぱりパリで凱旋門と言えば、このシャルル・ド・ゴール広場のエトワール凱旋門だよね。

フランス皇帝ナポレオンとエトワール凱旋門

このエトワール凱旋門を建てさせたのは、フランス皇帝ナポレオンだった。アウステルリッツの戦いに勝ったことを記念して、西暦1806年に建設を命じたんだそうな。

フランスの首都パリのシャルル・ド・ゴール広場に立つエトワール凱旋門の夜景

ところが、フランス皇帝ナポレオンが退位してブルボン家のルイ18世がフランス王となった時点でも、その翌年のナポレオンの百日天下の時点でも、凱旋門は完成していなかった。それどころか、ブルボン家のルイ18世、続くシャルル10世の時代には、このエトワール凱旋門の工事は中断していた。

その後、西暦1830年のフランス七月革命によって王となったルイ・フィリップによってエトワール凱旋門は完成された。そして西暦1840年、セント・ヘレナ島に埋葬されていたフランス皇帝ナポレオンの亡骸がパリに帰還した際に、このエトワール凱旋門を通った。凱旋門を建てることを命じてから34年後のことだった。そのフランス皇帝ナポレオンのお墓は、パリのアンヴァリッド 廃兵院で見ることができるんだ。

エトワール凱旋門、その後

フランスの栄光のシンボルたるべきエトワール凱旋門。でも、このエトワール凱旋門を通っていったのは、フランスあるいはヨーロッパの歴史の明るい側面だけじゃなかったね。時には暗い面も凱旋門を通っていった。

例えば西暦1871年にはフランスが普仏戦争で敗れた際には、プロシア軍が凱旋門を通っている。そのプロシア王はヴェルサイユ宮殿でドイツ皇帝ヴィルヘルム1世として戴冠したんだ。他方、パリ・コミューンの混乱の中でかつてフランス王の王宮だったテュイルリー宮殿(今はテュイルリー庭園のみ残る)は焼け落ちてしまった。

フランスの首都パリのシャルル・ド・ゴール広場に立つエトワール凱旋門の上からエッフェル塔を遠望

西暦1919年には第一次世界大戦に勝ったフランス軍がエトワール凱旋門(上の画像は凱旋門の上から眺めたエッフェル塔)をパレードしている。ついでながら、その年にはモンマルトルの丘にサクレ・クール寺院も完成している。

そして西暦1940年にはナチス・ドイツがパリを占領したんだけど、その際にドイツ軍がエトワール凱旋門を通っている。しかし、西暦1944年にはノルマンディー上陸作戦の後に連合国軍がナチス・ドイツ占領下のパリを解放し、ド・ゴール将軍を含む連合国軍がエトワール凱旋門を通ってパレードを行った。

パリのカルーゼル凱旋門

上に書いたエトワール凱旋門ほどに有名でもないんだけど、ルーブル美術館の近くにあるカルーゼル凱旋門が下の画像なんだ。この凱旋門もナポレオンの勝利を記念するために建てられたもの。西暦1808年に完成している。上に書いたエトワール凱旋門は高さが 50メートルもあるのに対して、このカルーゼル凱旋門の高さは 19メートルとちょいと小さいんだ。

フランスの首都パリのテュイルリー宮殿跡のカルーゼル広場に立つカルーゼル凱旋門

このカルーゼル凱旋門の上に見える馬、かつてはイタリアのヴェネツィアサン・マルコ寺院にあった馬の像(古代ギリシャの彫刻家リュシッポスの作品とされる)が置かれていた。ナポレオンがヴェネツィアを屈服させていたからね。でも、ナポレオンが敗れた後にヴェネツィアの馬は返してしまった。だから今のカルーゼル凱旋門の上に見える馬は、西暦1828年に新たに彫られたものなんだそうな。

もう一つ余談なんだけど、このカルーゼル凱旋門のモデルは、ローマフォロ・ロマーノにあるセウェルスの凱旋門だったとされている。古代ローマ帝国の皇帝セプティミウス・セウェルスは、浴場で名高いカラカラ帝の父親だね。


ついでに 「アンヴァリッド 廃兵院 (パリ)」



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