東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅
コーンウォール と デヴォン
(イギリス、1995年8月)
07. ヒースの花が咲き誇るダートムーア(デヴォン)
ランズ・エンドから遠ざかる車の中で、家内は私を説得しようとしていた。芸術家の街として有名なセント・アイヴズへ行こうと言うんだ。
確かに当初の計画では、セント・アイヴズへ行くはずだった。だけどさ、あの大渋滞で時間をロスしちゃったでしょ。今夜のホテルはエクセターだし、まだ先は遠いんだから、セント・アイヴズまで行く時間は無いでしょ。
恨むなら大渋滞を恨みなさいね。でも、その代わりにダートムーアは行くからさ。(ダートムーアならば、さほど遠回りにはならないしな。)
ダートムーア(デヴォン)は
アガサ・クリスティの「ミス・マープル」の舞台
幹線道路の A 30 を離れ、A 388、A 3362、A 3357、A 3212 と田舎道を走り回り、ダートムーアへ向かう。途中で道を間違えたような気がしたんだが、結果的に辿り着いたんだから気にしないでおこう。(そんなことはイギリスの田舎道のドライブでは珍しくはない。)
なんでダートムーアを見たいんだ ?? 田舎道を走りながら家内に尋ねる。家内によれば、アガサ・クリスティの「ミス・マープル」の舞台がダートムーアだからだとのこと。
家内がアガサ・クリスティを読んでいるところなんて見たことないけど ... ま、いいか。私だって「ナイル殺人事件」の小説を読んだこともなければ映画を見たこともないのに、エジプト旅行記の中のカルナック神殿の列柱のところでは、生意気(あるいはミーハー)なことを書いているしね。
ダートムーアの田舎道で見かけるのは、小さな古い石の橋、壊れそうな古い教会、宿屋としてよりも幽霊屋敷とした方が高い料金を取れそうなベッド・アンド・ブレックファスト、かつては人が住んでいたかもしれない農家 ...
私もアガサ・クリスティを読んだことはないのだが、いったいミス・マープルとは何者なんだ ?? こんな場所を舞台として書いたアガサ・クリスティの小説の内容が想像も出来ないねえ。それが宮沢賢治だったら、まだ想像できそうだけどさ。
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