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ロンドンの風景(イギリス)

ロンドンの地下鉄とバス

ロンドンの地下鉄とバス

ロンドンの風景 (イギリス)」のコーナーの最初のページは、「地下鉄とバス」について。だって、これを知らなきゃロンドンの観光も買い物もビジネスもままならないものね。

ロンドンの地下鉄(イギリス)

もちろん、タクシーも便利で安全だけど、いつもタクシーというわけにはいかないよね。それに朝晩の渋滞の時間には、タクシーよりも地下鉄の方が早いから。(もちろん、このコーナーでは、ロンドンのタクシーについても説明するけどね。)

ロンドンの地下鉄のチケットと罰金

まずは世界で初めて開通したロンドンの地下鉄から始めようか。その開業は西暦1863年のことだった。西暦1872年にはロンドンを訪れた日本の岩倉使節団のメンバーが地下鉄に乗ったんだそうな。西暦2013年には開通150周年の記念行事が開催されたんだけど、昔のように蒸気機関車まで走ったらしい。

ロンドンの地下鉄のチケットは駅の自動販売機で買う。開いてさえいれば窓口でも買えるけど、言葉の心配な方は自販機の方が良いでしょ。それから、必ず目的地までのチケットを買うこと。その理由は後で詳しく書く。ともかく、目的地までのチケットを買うことがとっても重要。

地下鉄のチケットには、大きく分けて次の三種類がある。
  • シングル Single は、普通の片道切符。

  • リターン Return は、往復切符。

  • ワン・デイ・トラベル・カード One Day Travel Card は、一日何回でも乗り降りできる切符。所定の範囲内ならばバスにも BR(英国国鉄)にも乗れるから便利だね。

    但し、販売されるのは、午前 9時半以後。つまり、ラッシュ・アワーが終わってからとということ。また、使える地域 Zone が決まっているから注意が必要だよ。

  • 最近はオイスター・カード Oyster Card というのもある。日本の Suica のようなもの。地下鉄にもバスにも乗れて便利。
もし予定より遠くまで乗ってしまい、降りた駅で精算しようとすると、下手をすると10ポンド(1,600円)の罰金を取られちゃうかもしれない !! 上で「必ず目的地までのチケットを買うこと。」と書いたけど、後で精算するつもりで乗り過ごしているところを検札でチケットのチェックをされると、罰金を取られることもありえるんだ。自慢じゃないが、私は罰金を2回も払わされたことがある。気をつけてくださいね。

ロンドンの地下鉄のラッシュ・アワー

東京の朝の通勤電車ほどひどくはないけど、ロンドンの地下鉄にもラッシュはある。ギューギューと押し込んでくる人もいるし、時には乗れなかったりすることもある。特に平日の朝の移動が必要な場合は、早めに出かけるのが賢明みたい。

ロンドンの地下鉄(イギリス)

西暦2013年9月のことだけど、ロンドンの地下鉄で初めて冷房付きの車両が導入されたらしい。当初はサークル・ラインのみの運行だけど、おいおい他の路線でも運行が始まるそうな。私がロンドンに住んでいたころには、地下鉄で冷房が必要なんて感じなかった。150年という長い歴史で初めて冷房車両が導入されたのは、混雑が悪化したからか、それとも地球の温暖化のせいなのか。

ところで、冬休みにロンドンに出かける人もいるかもしれないけど、クリスマス前後は注意が必要だよ。イヴの日には夕方から地下鉄の本数が減り始め、終電も早くなる。翌日のクリスマスの日には、全く地下鉄が動かない。ついでにバスも動かないし、タクシーも少なくなるんだ。ホテルの近くを散歩するくらいのほうが良いかも。ついでに言えば、閉まっている店やレストランも多いから、気をつけないとね。

ロンドンの地下鉄の駅で「チェンジ・プリーズ」

ロンドンの地下鉄の駅の片隅に座り込み、「チェンジ・プリーズ(小銭を下さい)」と訴える人たちがいる。イギリス人の同僚に聞いたところでは、何か面白いことや就職口などを求めて田舎から出てきたけれども、結局は仕事も何も見つからなかった人がそんなことをすることが多いらしい。

「チェンジ・プリーズ」と訴える人々の中には、小さな赤ん坊を抱いた女性もいる。その姿を見ると、私は少々苦い経験を思い出すんだ。

それは初めてロンドンに来た翌日のこと。地下鉄の電車に乗ろうとした私は、通路に腰を降ろした女性が赤ん坊を抱いているのに目を止めた。その女性は何事か訴えているが、英語を聞き取れない私には理解できない。

しかし、赤ん坊は泣いている。「どうしたんだ。病気か。大丈夫か。」。心配した私は母親に話しかけた。結局のところ、どうすれば良いのかわからず、途方に暮れた私はとりあえず財布の中から 20ポンド紙幣を取り出し、彼女に渡して立ち去ったんだ。

後から聞いた話では、彼らの間では、赤ん坊をお金で貸し借りするらしい。つまり、赤ん坊を貸し出し、その日の収益 ( ・・・ ) の中から、いくらかを借り賃として赤ん坊の親に払うんだそうな。ロンドンにやってきたばかりの私は、まんまと彼らの手にはまっちゃったわけだ。

(そりゃ、はまりすぎだわ。その女の人かて、「エラい田舎モンにつかまってしもた・・・」って対応に困っとったんちゃうか。)

しかし、そんな人々はイタリアあたりのジプシーと比べると攻撃性がないよね。私はイタリアのミラノジプシーの集団に襲われた事があるんだけど、かなり攻撃的だった。あれはかなり危険だよね。もちろんジプシーが常に危険なわけじゃなくて、ジプシーがヨーロッパで独特の文化を担う面もあるんだけどさ。

第二次世界大戦中のロンドンの地下鉄

ロンドンの地下鉄って驚くほどに地下深い場所を走っていたりするよね。そんな地下鉄のホームまではエスカレーターやエレベーターで行くわけだ。(ときどきエレベーターやエスカレーターが故障中で泣く泣く階段を歩くこともあるんだけど・・・。)

ロンドンの地下鉄の地下道(イギリス)

そんな地下深いロンドンの地下鉄は、かつて防空壕として使われたこともあるらしい。第二次世界大戦中のことなんだけど、西暦1940年に始まったナチス・ドイツによるロンドン空襲の頃の話なんだそうな。ま、確かにロンドンの地下鉄は地下深いし、とっても古いんだけどね。

地下鉄の終夜運転

西暦2016年の夏から、ロンドンの地下鉄が終夜運転を始めるとのこと。但し、毎日というわけではなく、金曜日と土曜日だけ。路線についても、まずはセントラル・ラインとヴィクトリア・ラインから始めて、年内にはピカデリー・ライン、ジュビリー・ライン、ノーザン・ラインでも終夜運転を始めるそうな。

しかし、ただでさえ突如として運行がキャンセルされたり、いきなり行き先が変更されたりするロンドンの地下鉄の深夜運転を信頼してよいのだろうか。多くの交通警官を配置して防犯に努めるというけど、治安は大丈夫なんだろうか。夜遅くまでパブで飲んだ酔払いがクダをまいていそうな気もするんだけどな。

ロンドンの二階建てバス(ダブル・デッカー)

続いては、今ではロンドン名物ともなっている赤い二階建てバス(あるいはダブルデッカー)の話。(ロンドンに赤い二階建てバスが導入されたのは西暦1959年のことだった。)

ロンドンの二階建てバスと金融街シティの風景(イギリス)

ロンドンでバスに乗れると、とっても便利。しかも2階建てバスの上の階に乗れば、景色も楽しめるしね。

但し、乗客がバスの中の階段を登っている途中でも、運転手は遠慮なく発車する。だから、バスの中の階段の登り下りには注意が必要だね。私の田舎の父がロンドンに遊びに来たときには、足腰が弱っていることを考えてバスの二階には登らせなかった。本人は登りたがっていたんだけどね。

ロンドンのバスの乗り方

注意すべきは、日本のバスのように次の停留所をアナウンスしてくれないこと。しかも、バス停にも停留所の名前は書いてないんだ。バスの外の景色を見て、ここだ !! と思う場所で降りるしかないというわけだ。

それから、車掌が乗っているバスとワン・マン・バスとがあるけど、車掌が乗っているかどうかで乗り方やチケットの買い方が違うから、注意が必要かな。

地下鉄とバスに共通の注意点

ロンドンで地下鉄の電車やバスに乗っているとき、他にも注意すべきことがある。一つは、時刻表は無いも同然ということ。バスも電車も遅れるのが当たり前。日本みたいに予定通りに到着するほうがヘンだ、と思うしかないね。

もう一つは、突如として「降りろ !!」と言われること。色々な理由があるんだろうけど、急に車庫に入ることになった場合が多いみたいね。同様に急に行き先が変更になる場合もある。座席に座って本に熱中していたところ、着いたところは見知らぬ土地だった ... なんて経験もあるよ。

もしロンドンを旅行中にそんな経験をした場合でも、怒っちゃいけないよ。お、なるほどロンドンらしい経験をしたぞ、と思うのがイギリスを楽しむ技かもしれないね。


ヒースロー空港まで行くヒースロー・エクスプレスについては、別のページで書きますので、そちらを読んでね。


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