東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

ブダペストの春(ハンガリー)
1996 年 5 月


02. 英雄と大天使

兵士

衛兵 英雄広場を警備しているのは、若い兵士達。

その兵士達の表情は、男が見てもほれぼれするほど精悍なんだよねえ。

銃や軍服は好きじゃないけど、平和ボケの私たちには無い魅力を持った若者達。

英雄

英雄 ところで、英雄達の像。彼らの表情も、兵士達と同じように精悍なんだ。

右の画像の英雄は、ヨーロッパを震え上がらせた頃のハンガリー人(マジャール人)の指導者だろうか。

人物の名前をメモして帰らなかったのが、ちょっと残念。




英雄たちにも浮世の風

しかし、「英雄」たちも時代の波には翻弄されるみたい。その波を真正面から受けたのが、ハプスブルクの皇帝たちの像だった。

もともと英雄広場には、ハンガリー建国当初のマジャール人の英雄達と共に、ハプスブルク家の皇帝たちやマリア・テレジアの像が立っていた。

ところが、第一次世界大戦で敗れたオーストリア・ハンガリー帝国が崩壊し、共産主義政権が 1919年に成立すると、ハプスブルク家の「英雄たち」の像は、この広場から撤去されちゃった。

その数ヵ月後、今度は軍が政権を樹立。すると、ハプスブルク家の英雄達の像も広場に復活しちゃったわけだ。そして、第二次世界大戦。ハンガリーがソ連軍によって占領されると、またもやハプスブルク家の英雄達は広場から撤去されちゃったわけだ。

(浮世の風は英雄にも冷たいんヤな。)

大天使ガブリエルと聖イシュトヴァーン

寄せては返す時代の波を、高みから見下ろしているのが大天使ガブリエル(下の画像)。広場の中央にある円柱の上に立っている。

大天使ガブリエル 話は千年前に遡る。マジャール人をパンノニア(現在のハンガリー)に導いたといわれる族長アールパードの子孫で、ヴァイクと呼ばれる人物がいた。

そのヴァイクの夢枕に立ったのが大天使ガブリエル。

天使のお告げを聞いた族長ヴァイクは、聖ゲッレールトの助けを得てマジャールの人々をキリスト教化し、他方でローマ教皇から王冠を授かり初代ハンガリー国王イシュトヴァーン(あるいはシュテファン)となった。

西暦 1000年のことである。

1038年に亡くなったイシュトヴァーン王は、1083年に聖人の列に加えられている。

【参考】都市別ツアー


【参考】ホテル検索


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