東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

旅行記「ゴールウェイとアラン島(アイルランド)」

06. キリスト教と教会

アラン島のキルロナン村に戻ってきた

古代ケルト人ゆかり(たぶん)のドゥーン・エンガス遺跡を見て、坂道を下ってきた。さっきサンドイッチを買った店でお茶を飲み、トイレを借りる。機会さえあればトイレを借りておくのが無難なのはイギリス以上だ。さて、待たせていたポニー馬車に戻ろう。

アラン諸島のイニシュモア島の略図(アイルランド)

ポニー馬車に乗り込み、キルロナン村(上の略図を参照)に戻る。ゴールウェイから船に揺られて到着した港のある村だね。ドゥーン・エンガス遺跡から村まではおよそ 5kmの距離。でも、その間に3回もにわか雨に降られた。数分間という短い雨だけど、このアラン島では携帯用の雨具は必須だね。ロンドンもにわか雨は多いけど、アラン島も負けていないね。

ケルト十字あるいはアイルランド十字

キルロナン村でポニー馬車を降り、料金を支払う。ついでに夕食の為におすすめのレストランを教えてもらったよ。

アラン島のキルロナン村で見たケルト十字(アイルランド)

村の広場で目についたのは、上の画像に見えるケルト十字。あるいはアイルランド十字とも呼ばれる。5世紀にアイルランドでキリスト教の布教を行ったとされる聖パトリックダブリン聖パトリック大聖堂の名にも冠せられている)がキリスト教のシンボルの十字架と太陽のシンボルである輪を組み合わせて作ったとの伝説もある。でも、このデザインはキリスト教以前からあるらしいけどね。

十字架のキリスト像

キルロナン村を歩けば、あちこちに十字架のキリスト像(下の画像)や聖母マリア像などがある。ローマ・カトリックの多い地域に共通の風景だよね。イタリアやマルタ島などでもよく眼にするね。

アラン島のキルロナン村で見た十字架のキリスト像(アイルランド)

このアラン島でもそうなんだろうけど、アイルランドの多くの人々がローマ・カトリックだよね。でも、かつてイギリス連合王国の統治下にあったアイルランドではローマ・カトリックは差別されていたんだ。西暦1829年にローマ・カトリック教徒解放法が成立しても、アイルランドのローマ・カトリックの不利な状況は克服されなかった。そして西暦1922年のアイルランド自由国の成立に至ったわけだ。

聖トーマス教会の廃墟

ところが、イギリス連合王国から分離したアイルランド自由国が成立すると、アイルランド各地から多くのプロテスタントが出て行くことになった。プロテスタントといっても色々な宗派があるけどね。その一つがイングランド国教会と同様のアイルランド国教会だった。

アラン島のキルロナン村で見た国教会帰属の聖トーマス教会の廃墟(アイルランド)

上の画像はアイルランド国教会に帰属していた聖トーマス教会。といっても今は廃墟になっている。というのも、アイルランド自由国成立の頃にこのアラン島からも多くのプロテスタントが出て行き、教会を維持することが出来なくなったんだそうな。

それでも今もアラン島には数人のプロテスタントが住んでいるらしい。でも、自分たちの教会が無いから、ローマ・カトリックの教会で礼拝に参加しているらしいよ。

とはいえ、今もアイルランドには少数派ながらプロテスタントが住んでいる。ダブリンの聖パトリック教会やクライスト・チャーチはそんなプロテスタントの一派であるアイルランド国教会に帰属している。ゴールウェイで見た聖ニコラス教会も同様だね。

夕食にはポニー馬車の御者が教えてくれたレストランに入った。魚料理がメニューの中心だった。フライが多かったけどね。でも、美味かった。大衆食堂のようなレストランだったけど、デザートもいけたね。お昼のサンドイッチもそうだったけど、バターが美味いからだろうな。


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