東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

エミリア・ロマーニャ と トスカナ (イタリア)
1999 年 6 月


15. 聖ヴィターレ教会 -2(ラヴェンナ)

6世紀に建てられた聖ヴィターレ教会には、多くの古いモザイク画が残されている。下にある画像は、サン・ヴィターレ教会のモザイク画の中でも私のお気に入りのものだ。(残念なことに、東ローマ皇帝ユスティニアヌスを描いたモザイク画は、修復工事のためか幕に覆われており、ここで画像を紹介することが出来ない。残念。)

光輪を持った神秘の仔羊

光輪を持った神秘の仔羊 右の画像にあるモザイク画は、資料によれば「光輪を持った神秘の仔羊」と呼ばれている。

キリスト教に疎い私の推測なんて当てにはならないけど、この仔羊はキリストを象徴しているのだろうか。

アブラハムの供犠 あるいは イサクの犠牲

続いて、「アブラハムの供犠」と呼ばれるモザイク画(下の画像)。多用されている緑が、モザイク画に描かれた聖書の世界を地上のものにしている。そこが私の気に入りなんだ。

アブラハムの犠牲

アブラハムの供犠 あるいは イサクの犠牲
(旧約聖書 創世記 第22章より)

  1. ユダヤ人の族長であるアブラハムの信仰心を試そうとした神は、アブラハムに命じた。「モリヤの地に赴き、息子のイサクを神に献じなさい。」

  2. アブラハムは息子イサクを連れて出発した。父の手には刃物が握られており、息子の背には薪が担われていた。

  3. 息子イサクは父に尋ねた。「神に捧げる仔羊は何処に ??」。「息子よ、捧げ者は神様が用意してくださる。」と答えた父。

  4. 山上に祭壇を築いて薪を並べた父アブラハムは、息子を縛り祭壇に乗せた。父が刃物をふりあげたとき、神の声が聞こえた。

  5. 「アブラハム、息子を殺してはならない。お前が神を信じるものであることは良くわかった。」

  6. アブラハムは茂みの中でヒツジを捕え、あらためて神に捧げた。

  7. 「あなたを祝福し、子孫を増やそう」と神はアブラハムに言った。

上に書いた物語の中のイサクの言葉 3. から、当時のユダヤ人は神に仔羊を捧げる風習を持っていたことがわかる。ということは、「光輪を持った神秘の仔羊」は、神に捧げられたイエス・キリストだと考えてよいのだろうか。

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