東西南北 春夏秋冬
ヨーロッパの旅
エミリア・ロマーニャ と トスカナ (イタリア)
1999 年 6 月
西ローマ帝国と皇女ガラ・プラキディア
(あるいは、ガッラ・プラチディア)
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- 西暦 390年(推定)、皇帝テオドシウスの皇女ガラ・プラキディア(現代イタリア語ではガッラ・プラチディア)誕生。
- 西暦 395年、皇帝テオドシウスがミラノで死去。東ローマ帝国は長子アルカディウスに与えられ、西ローマ帝国は次子ホノリウスに与えられた。二人ともガラ・プラキディアの異母兄に当たる。
西帝ホノリウスは、後に西ローマ帝国の都をミラノからラヴェンナに移した人物。皇帝でありながら養鶏を趣味とする男だった。
他方、皇帝テオドシウスが健在だった頃には従属していた西ゴート族のアラリックは西ローマ帝国を去り、西ゴート族の王となった。
- 西暦 400年、王アラリックに率いられた西ゴート族の部隊が、アルプスを越えてイタリアに侵入してきた。
- 401年、ヴァンダル族出身の将軍スティリコに率いられた西ローマ帝国軍が、アラリック王の西ゴート軍を撃ち破った。
- 402年、西帝ホノリウスは、西ゴート族の圧力を避ける為に、首都をミラノからラヴェンナに移した。
- 405年、イタリアに侵入してきた東ゴート族の部隊を将軍スティリコが撃破。
- 408年、戦功を重ねるスティリコに不安を抱いた西帝ホノリウス(ガラ・プラキディアの異母兄)により、名将スティリコが処刑された。
その数ヵ月後、西ゴート族を率いるアラリックが再びイタリアに侵攻し、ボローニャに達した。
- 410年、西ゴート族はローマを攻略し、三日間にわたって略奪を働いた。
ローマにいた皇女ガラ・プラキディアは、西ゴート族によって拉致された。
しかし、皇女ガラ・プラキディアは、アラリック王の弟で彼の後継者でもある王子アタウルフと恋に落ちた。
- 415年、皇女ガラ・プラキディアとアタウルフとが結婚。
既にアラリック王が亡くなっており、アタウルフは西ゴートの王となっていた。
やがて、二人の間には王子が生まれ、ガラ・プラキディアの父にちなんでテオドシウスと名付けられた。しかし、この帝位をも継承しうる王子はバルセロナで夭折してしまった。
更に、後を追うように夫アタウルフも早世。ガラ・プラキディアは西ローマ帝国に送り返された。
- 異母兄である皇帝ホノリウスの命により、皇帝の腹心コンスタンティウスと結婚させられ、皇子ヴァレンティニアヌス(後に皇帝ヴァレンティニアヌス3世)を産んだ。
しかし、やがて新しい夫であるコンスタンティウスも病に倒れ、彼女は再び寡婦となった。
- 423年、ガラ・プラキディアは甥である東の皇帝テオドシウス2世を頼り、コンスタンティノポリスに赴いた。
- 424年、異母兄である西帝ホノリウス死去。ホノリウスには皇太子がいなかったために、ヨハネスなる人物が帝位を簒奪した。
- 425年、東ローマ皇帝の支援を得たガラ・プラキディアはイタリアへ渡り、息子ヴァレンティニアヌスを帝位に即けることに成功した。
- 429年、ヴァンダル族が北アフリカを制圧。西ローマ帝国は食料の主要供給源を失い、更に弱体化した。
その後の彼女は、静かに信仰の生活を続け、いくつもの教会を建立した。
右の画像は、ガラ・プラキディアが建てさせたと言われるガラ・プラキディア廟。
但し、彼女の遺骸はここには葬られなかったと言われる。ガラ・プラキディア廟について詳しくはココをクリック。
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- 450年11月27日、ガラ・プラキディアがローマで亡くなった。彼女の遺骸は、ローマのサン・ピエトロ大聖堂付属のサンタ・ペトロニッラのロトンダに葬られたといわれている。
- 451年、カタラウヌムの戦いにおいてアエティウスがフン族のアッティラを破った。
- 454年9月、息子である皇帝ヴァレンティニアヌス3世が英雄アエティウスを暗殺。
- 455年、皇帝ヴァレンティニアヌス3世が暗殺された。そして、帝位についたのは皇帝暗殺の主謀者であるローマ貴族マクシムスだった。
皇帝となったマクシムスは、ヴァンダル族によって包囲されたローマを脱出する際に、ブルグンド族の傭兵によって殺害された。
- 476年、ゲルマン系の傭兵隊長であるオドアケルによって西ローマ帝国が滅ぼされた。
右の画像は、ラヴェンナに残るガラ・プラキディア廟の内部で見ることの出来るモザイク画「水盤から水を飲む鳩」。
鳩は魂を象徴し、水は癒しを象徴する。すなわち、このモザイク画は永遠の命の水で魂の渇きを癒すことを示している。
このモザイク画について詳しくはココをクリック。
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