八角形の中庭にあるヘルメス像ヴァティカン美術館・博物館の中でも多くの古代彫刻の傑作を集めたピオ・クレメンティーノ美術館。その八角形の中庭を囲む古代彫刻の中でも、人体の理想的なプロポーションの手本とされたのが、下の画像にあるヘルメス像なんだそうな。
オリジナルは紀元前4世紀頃の古代ギリシャのブロンズ像だった。それを古代ローマ帝国の皇帝ハドリアヌスの時代にコピーされたものがここにあるらしい。16世紀にサンタンジェロ城(元々は皇帝ハドリアヌスの霊廟として築かれたもの)の近くで発掘されたんだそうな。
ベルヴェデーレのアポロン像続いては、同じくピオ・クレメンティーノ美術館を代表する古代彫刻の傑作、ベルヴェデーレのアポロン像。紀元前4世紀に古代ギリシャで制作されたブロンズ像を、2世紀頃にコピーしたものとされている。
16世紀に今のサン・ピエトロ大聖堂の建築を始めたローマ教皇ユリウス2世のコレクションの中にあったらしい。均整のとれた美しさに加えて気品の高さも備えており、数世紀にわたって美の基準と考えられていた、と資料にあったよ。ギリシャ神話におけるアポロンは占いが得意で、しかもスポーツにも秀でていたんだそうな。古代ギリシャのオリンピックで最初の金メダリストだったとか。
古代ギリシャのトロイ戦争ゆかりのラオコーン古代ギリシャの神話の時代、英雄たちがトロイを攻めたトロイ戦争にまつわる話。トロイを攻めあぐねたギリシャ軍は、城壁の前に大きな木馬を置いて撤退したんだ。喜んだトロイの人々は、その木馬を戦利品として城内に運び込もうとした。でも、その木馬がギリシャ軍の策略であると見破ったラオコーンは、城内に運び込むことを阻止しようとした。それがギリシャの戦争の神であるアテナ女神を怒らせた。アテナ女神はヘビを使ってラオコーンと二人の子供を絞め殺した。 そんなことがあったとは知らないトロイの人々は木馬を城内に運び込んだ。やがて夜になり、木馬の中からギリシャの兵士たちが出てきてトロイは戦いに敗れたんだそうな。
八角形の中庭にあるラオコーンとその二人の子供(上の画像)は、アテナ女神が送り込んだヘビに締め付けられて苦しんでいるわけだ。この像は西暦1506年に発見され、やがてミケランジェロにも大きな影響を与えたらしい。
カノーヴァ作のペルセウス像続いては、下の画像にあるカノーヴァ作のペルセウス像。これも古代彫刻の傑作 ・・・ のように見えるよね。でも、これは西暦1800年頃に制作された彫刻なんだそうな。
西暦1796年にイタリアに侵入したナポレオンがここにあった古代彫刻をフランスに持ち帰ってしまったものだから、その代わりを作るようにとローマ教皇ピオ7世に依頼されたカノーヴァが制作した作品なんだって。はた迷惑なナポレオンなんだけど、そのおかげで価値ある芸術作品が一つ増えたと言えなくもないかも。
ローマではなくてフィレンツェの話だけど、シニョーリア広場にあるロッジア・ディ・ランツィには、16世紀のマニエリズム期の彫刻家チェッリーニのペルセウス像がある。そのペルセウスも、上の画像のカノーヴァのペルセウスと同じく、メデューサの首を左手に掲げているね。ペルセウスの伝統的なポーズなんだね。
All rights reserved このサイトの画像 及び 文章などの複写・転用はご遠慮ください。 このサイトの運営は、あちこち三昧株式会社が行います。
|