ピオ・クレメンティーノ美術館のミューズ(ムーサ)たちピオ・クレメンティーノ美術館のベルヴェデーレの中庭(八角形の中庭)から再び建物の中に入り、彫像のギャラリーと動物の間の奥にあるミューズ(ムーサ)の間にやって来た。まず眼に入るのは、下の画像にあるミューズ(ムーサ)たちの像だね。
ミューズ(あるいはムーサ)というのは、ギリシャ神話に登場する9人の女神たちなんだ。各々の女神は、音楽、抒情詩、叙事詩、恋愛詩、ダンス、悲劇、喜劇 ・・・ などの芸術を司っているんだそうな。その女神の名前から、ミュージックという言葉が生まれたに違いないよね。
古代ギリシャの哲学者ソクラテスの像続いて興味深かったのは、「悪法もまた法なり」という言葉で名高い古代ギリシャの哲学者ソクラテスの像(下の画像)だった。
哲学者ソクラテスは、アテネの人々によって裁判にかけられた。若者たちを堕落させたという罪で。プラトンなどソクラテスの弟子たちは亡命を勧めたらしい。でも、逃亡をも拒んだソクラテスは、紀元前399年に毒によって処刑されてしまった。
古代アテネの政治家ペリクレス続いては、古代アテネの政治家ペリクレスの像(下の画像)かな。ペルシャとの戦争に勝ち、最盛期を迎えたアテネの政権を握ったペリクレスは、パルテノン神殿などを築いたことで知られているね。
でも、やがてアテネはペロポネソス戦争に巻き込まれ、政治家ペリクレスは疫病で亡くなる。その後のアテネはペロポネソス戦争にも敗れ、衰退していったわけだ。
ベルヴェデーレのトルソこのミューズの間で必見の彫像が残されている。それが下の画像にあるベルヴェデーレのトルソと呼ばれる彫像なんだ。「トルソ」という言葉は、イタリア語で「幹」を意味するらしい。そこから転じて、頭や手足の無い裸身(つまり胴体)の彫像のことをトルソと呼ぶんだそうな。
このヴァティカン博物館にあるベルヴェデーレのトルソはただものじゃないよ。まずこの像をここに持ち込んだのが、フィレンツェ出身のメディチ家出身のローマ教皇クレメンス7世だった。そして、この像を見て研究したのがミケランジェロだった。彼が描いたシスティナ礼拝堂のフレスコ画の中の裸体には、このベルヴェデーレのトルソの影響が見られるらしい。
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