東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

旅行記 「カンパーニャとローマ・ヴァティカン」(イタリア)

第四部 ローマ・ヴァティカン編

D08. 円形の間・ギリシャ十字の間

円形の間の床には古代ギリシャ時代のモザイク

ミューズの間から奥に進み、やって来たのは円形の間。この部屋は古代ローマ帝国時代のパンテオンを意識して作られているらしい。上にある円屋根の直径は22メートルもあるんだそうな。でも、床にある古代ギリシャ時代のモザイクに見とれていて、円天井を撮影するのを忘れていたよ。

イタリアの首都ローマのヴァティカン美術館・博物館の円形の間の床は古代ギリシャ時代のモザイク

私が見とれていた古代ギリシャ時代のモザイクなんだけど、手許にある資料には何の説明も無い。でも、上の画像に描かれているのは、ラピタイ族の王の花嫁を誘拐しようとしている半人半獣のケンタウロスかも。

この花嫁誘拐未遂事件がきっかけになってラピタイ族とケンタウロス族との間に戦争が起こり、敗れたケンタウロス族は山の中に逃げ込んだというのが古代ギリシャ神話のお話なんだそうな。

円形の間では必見のオトリーコのジュピター

ところで、この円形の間で必見とされているのが、下の画像にあるオトリーコのジュピターなんだそうな。

イタリアの首都ローマのヴァティカン美術館・博物館の円形の間で見たオトリーコのジュピター

古代ローマ神話でジュピターというのは、古代ギリシャ神話ではゼウス。そのゼウスはエーゲ海に浮かぶクレタ島の出身なんだそうな。ジュピター(ゼウス)は神々の中で最高位に位置しているらしい。

ギリシャ十字の間にある聖へレナの石棺

円形の間から更に奥に進み、やって来たのはギリシャ十字の間。そこで見たのが、下の画像にある聖へレナの石棺。

イタリアの首都ローマのヴァティカン美術館・博物館のギリシャ十字の間で見た聖ヘレナの石棺

聖へレナっていったい ・・・ と思って調べたら、古代ローマ帝国の新しい首都コンスタンティノープルを建設した皇帝コンスタンティヌスのお母さんなんだって。

皇帝コンスタンティヌスといえば、古代ローマ帝国内でのキリスト教の信仰を認めた人物だし、ローマのヴァティカンにある教皇庁にとっても重要人物だよね。しかも、その母親の聖ヘレナは聖地エルサレムに巡礼し、イエス・キリストが処刑された聖なる十字架を発見したとも伝えられている。そりゃ聖人とされても不思議じゃないよね。

皇帝コンスタンティヌスの娘の石棺

ギリシャ十字の間にはもう一つ立派な石棺がある。それが皇帝コンスタンティヌスの娘(聖へレナの孫だね)にあたるコンスタンティーナ(あるいはコンスタンティア)の石棺(下の画像)なんだ。

イタリアの首都ローマのヴァティカン美術館・博物館のギリシャ十字の間で見たコンスタンティーナ(コンスタンティア)の石棺

この石棺の中央にあるレリーフには、ブドウを収獲するキューピッドが描かれている。この「ブドウの収獲」はキリスト教においては生命を象徴するものなんだそうな。ちなみに、この石棺は西暦340年頃にエジプトで制作されたものらしい。


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