東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

旅行記 「カンパーニャとローマ・ヴァティカン」(イタリア)

第四部 ローマ・ヴァティカン編

D09. ヴァティカン美術館・博物館の更に奥へ

グレゴリウス・エトルリア美術館

このローマのヴァティカン美術館・博物館は広大で展示品も数限りなく多い。全てをじっくりと見ていては疲れて大変だよね。というわけで、何に力を入れて見るかを選ぶことがポイントかもしれないね。(イギリスの首都ロンドンにある大英博物館などでも同じだね。)

私の場合、その力を入れて見るリストの中にはグレゴリウス・エトルリア美術館が含まれていた。だって、エトルリア人が古代ローマの王になっていた時代もあるし、歴史の彼方に消えてしまった謎の民族ともされているし、じっくりと見てみたかったんだ。

イタリアの首都ローマのヴァティカン博物館にあるグレゴリウス・エトルリア美術館の入り口

そのグレゴリウス・エトルリア美術館の入り口が上の画像。ところが、その入り口が閉まっている。その理由も書いていないし、いつ開くのかも掲示されていない。とにかく閉まっている。どこかに別の入り口はないかと捜してみたけど、・・・ 無い。その奥にはギリシャ彫刻の間もあるというのに ・・・。しかたないけど ・・・。

ちなみに、このグレゴリウス・エトルリア美術館は、ローマ教皇グレゴリウス16世によって西暦1837年に創設されたらしい。既に見たグレゴリウス・エジプト美術館を創設した人物だね。

大燭台のギャラリー

残念ながら閉まっていたグレゴリウス・エトルリア美術館の入り口の向かいにあるのが、下の画像にある大燭台のギャラリー。

イタリアの首都ローマのヴァティカン博物館にある大燭台のギャラリー

大きな燭台をたくさん集めてあるのかと思ったら、入り口のアーチの左右に大きな燭台が置いてあるから、大燭台のギャラリーなんだそうな。2世紀から3世紀にかけて古代ローマ帝国で制作された彫像や石棺が展示されている。燭台も少しだけあったけどね。

タペストリーのギャラリー

大燭台のギャラリーに続いては、タペストリーのギャラリー。ここに展示されているタペストリーは、ラファエロの弟子達の下絵に基づいてベルギーブリュッセルで織られたものなんだって。メディチ家出身のローマ教皇レオ10世クレメンス7世の頃の作品なんだそうな。一連のタペストリーは「キリストの一生」をテーマにしている。

イタリアの首都ローマのヴァティカン博物館にあるタペストリーのギャラリー

このタペストリーのギャラリーは、上の画像に見るようにとっても暗いんだ。数百年前に織られた古いタペストリーの保存の為なんだろうね。フランスの首都パリクリュニー中世美術館にある中世のタペストリー「貴婦人と一角獣」の展示室もとっても暗かったね。

これらのタペストリーなんだけど、実はフランス革命の後の歴史の嵐に翻弄されている。西暦1796年にナポレオン軍がイタリアに遠征したわけだけど、フランス軍はこれらのタペストリーを西暦1799年に売り飛ばしちゃったらしい。その後、西暦1808年に買い戻されて、今はローマのヴァティカン美術館・博物館に展示されているというわけだ。

地図のギャラリー

そして地図のギャラリーを歩く。イタリア各地の地図が展示されているんだけど、特に興味深かったのは、昨日まで旅をしていたイタリア南部カンパーニャ地方の地図だね。

イタリアの首都ローマのヴァティカン博物館にある地図のギャラリーで見たカンパーニャ地方の地図

上の画像の中央に写っているのがナポリ湾。昨日まで歩き回っていたナポリの街は、ナポリ湾の中心に描かれているかな。中世の海洋都市国家アマルフィは地図の左の方の半島にあり、古代ギリシャ時代の神殿が見事に残っているパエストゥムが画像の中には含まれていないみたい。

ソビエスキ王の間

更に歩いてやって来たのは、ソビエスキ王の間。ソビエスキ王というのは、17世紀のポーランド王ヤン3世ソビエスキのことなんだ。

西暦1683年、オスマン・トルコの大軍がハプスブルク家の都ウィーンを包囲(第二次ウィーン包囲)した。そんなウィーンを救援したのがポーランド王ヤン3世ソビエスキだった。

イタリアの首都ローマのヴァティカン博物館にあるソビエスキの間で見たポーランド王ヤン3世ソビエスキのウィーン戦役の絵

そのウィーン戦役の様子を画家ヤン・マティコが描いた絵が上の画像なんだ。この絵は西暦1883年にローマ教皇レオ13世に寄贈され、このヴァティカン博物館・美術館の中に飾ってソビエスキ王の間としたわけだ。


次のページは
「D10. コンスタンティヌスの間」



ヨーロッパ三昧 トップ・ページ

ヨーロッパの歴史風景

このサイト「ヨーロッパ三昧」には、下の姉妹サイトもあります。ヨーロッパに興味のある方は寄り道してくださいね。

ヨーロッパの歴史風景 バナー このサイト「ヨーロッパ三昧」の姉妹サイト「ヨーロッパの歴史風景」。ヨーロッパ各国の歴史に重点を置いてある。



Copyright (c) 2002-2013 Tadaaki Kikuyama
All rights reserved
このサイトの画像 及び 文章などの複写・転用はご遠慮ください。

このサイトの運営は、あちこち三昧株式会社が行います。