東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

旅行記 「春のポルトガル」

リスボン、シントラ、オビドス、ナザレなど

ポルトガル略年表 h09. ブラジルの独立


  • 1796年、スペインはフランスの革命政府と同盟を結び、イギリスと同盟していたポルトガルとの対立が深まった。(その年、ジョゼフィーヌと結婚したナポレオンがイタリアに遠征している。)

    ポルトガルの国論は二分された。革命フランスと結ぶスペインとの関係改善はイギリスとの対立をもたらし、植民地ブラジルの喪失につながる怖れがあった。イギリスとの同盟を維持すれば、スペイン・フランスの侵入を招く懸念があった。

  • 1797年、ブラジルのバイーアにおいて、本国ポルトガルに対する反乱が起こったが、当局により鎮圧された。

  • 1801年、ナポレオンと結ぶスペイン軍がポルトガルに侵入。

  • 1806年、ナポレオンが大陸封鎖令を発布。スペイン・フランスの威圧により、ポルトガルも大陸封鎖に参加を余儀なくされた。(既に西暦1804年にナポレオンはフランス皇帝となっていた。)

  • 1807年、ナポレオン支配下のフランス・スペイン連合軍がポルトガルに侵攻。ナポレオンは、ポルトガル及び植民地をスペインと分割することを狙っていた。

    フランス軍のジュノー将軍がリスボンを占領。ポルトガル女王マリア1世と閣僚など 1万人以上が既にブラジルのリオ・デ・ジャネイロに逃れていた。

  • 1808年、スペイン国王カルロス4世が廃位され、スペイン民衆によるナポレオン軍に対するゲリラ戦が始まった。スペインでの民衆の抵抗に呼応し、ポルトガルでも民衆の抵抗が始まった。

    イギリス軍のアーサー・ウェルズリー卿(後のウェリントン公爵)がポルトガルに上陸し、ポルトガル軍とともにフランス軍を破った。イギリス軍はフランス軍と休戦を結び、リスボンを支配下に置いた。フランス軍は撤退。(ちなみに、ウェリントン公爵の騎馬像がイギリスの首都ロンドン金融街シティに立っている。)

  • 1809年、フランス軍がポルトガルに侵入したが、イギリス・ポルトガル連合軍に敗れて撤退。

  • 1810年、フランス軍が三度目の侵入を行うが、リスボン攻略を果たせず、翌年には撤退。同年、ポルトガルとイギリスとの間で結ばれた通商友好条約により、ブラジル市場はイギリスに奪われた。

  • 1814年、ポルトガルに於いてイエズス会が復活。

  • 1815年、ワーテルローの戦いに敗れたフランス皇帝ナポレオンが没落し、他方でブラジルは植民地から昇格して本国ポルトガルと対等となり、連合王国が形成された。

  • 1816年、ポルトガル女王マリア1世がブラジルで亡くなった。新ポルトガル王ジョアン6世の戴冠式は、ブラジルのリオ・デ・ジャネイロで挙行された。

  • 1817年、ポルトガルに駐留を続けるイギリス軍に反発するポルトガル軍将校によるクーデター計画が発覚し、首謀者らはイギリス軍によって処刑された。

    同じ年、イギリスの経済学者リカードがポルトガルとの貿易をモデルに比較優位説(比較生産費説)に基づく自由貿易を主張した。

  • 1820年、ポルトガル軍の中の自由主義者による革命が成功した。

  • 1821年、ポルトガル国王ジョアン6世がブラジルを離れ、本国ポルトガルのリスボンに帰還した。国王のポルトガル帰還に伴ない、ブラジルは王子ドン・ペドロに委ねられた。

  • 1822年、ポルトガル国王ジョアン6世は、革命政府による新憲法に忠誠を誓った。

    同年、ポルトガルからの帰国命令を拒否した王子ドン・ペドロは、ブラジルの独立を宣言し、ブラジル皇帝ペドロ 1世として即位した。

  • 1823年、自由主義的な国王ジョアン6世を廃位し、王子ドン・ミゲルの即位を狙った反動主義勢力の反乱が失敗。自由主義的な新憲法は停止された。

  • 1824年、反自由主義的な王子ドン・ミゲルが反乱を起こして失敗。ドン・ミゲルはウィーンに亡命し、メッテルニヒの保護を受けた。

  • 1825年、アメリカ合衆国の動きを警戒するイギリス政府は、ポルトガル政府にブラジル独立を承認させた。ポルトガルは最も重要な植民地ブラジルを失ってしまった。


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