東西南北 春夏秋冬
ヨーロッパの旅
サンクト・ペテルブルクの旅(ロシア) 1999年8月
11. カザン寺院
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カザン大聖堂 ちなみに、クトウーゾフ将軍の像が立っているのは、1811年に完成したカザン大聖堂(下の画像)の前だ。ちなみに将軍が亡くなったのは1813年。ナポレオンのモスクワ遠征の翌年のことだった。 カザン大聖堂に足を踏み入れる。外国人観光客の姿はない。しかし、多くの地元の老人達が祈りを捧げている。観光名所ではなく、信仰の場所なのだ。 歴史の皮肉 宗教を嫌う共産主義政権は、1932年にこのカザン大聖堂を博物館にしてしまった。なんと宗教史と無神論の博物館だそうだ。 しかし、そんなことは地元の敬虔な老人たちには関係がない。彼らは、このカザン大聖堂にやって来ては祈りを捧げる。彼らにとっては、ここは博物館ではなく、今でも「大聖堂」なのだから。 「宗教は麻薬だ」として大聖堂を博物館にしてしまった政府は滅び、「大聖堂」は今でも健在だ。歴史の皮肉以外の何物でもない。 イコンを買う 「大聖堂」の一角には売店(??)がある。そのショー・ケースには、たくさんのイコンが並んでいる。その中で私の興味を引いたのが、最後の審判のイコン。珍しい。たいていはイコンといえば、キリストや聖母や聖人達を描いている。だから、最後の審判を描いたイコンに興味を持ったわけだ。 老人達が買い物を終えて、私の順番が来た。カウンターの向こうのおばさんには日本語も英語も通じない。身振り手振りで「最後の審判のイコンが欲しい」と伝える。ヨーロッパのあちこちを旅行してきたおかげで、ジェスチャー・ゲームは得意なのだ。お目当ての品を手に入れることが出来た。 お値段は、なんと50ルーブル !! 日本円に換算すれば、230円 !! 安すぎる。いや、これがロシアの一般の物価だとすると、外国人向けの土産物店の値段が如何に高いかがよくわかる。確かに外国人向けの店には商品が揃っているけどさ。 金の翼のグリフォン カザン大聖堂の裏手に回り、大通りを離れ、グリボエドフ運河沿いの道を歩く。やがてお目当てのものが見えてきた。 1825年にかけられた銀行橋のたもとにある金の翼のグリフォンだ。 このグリフォンに見覚えはありませんか ?? 確か、映画「ホワイト・ナイト」の一場面で出てきたと思うんだけど ... 。 歩き疲れてホテルに戻った時は夜の11時。家内と二人で歩き回っていたのに、怖い思いをすることは無かった。むしろ気軽に歩ける街という印象だ。ロシアの古都サンクト・ペテルブルクは治安の良い街なのかな。それとも、事情を知らない旅行者の無責任な感想だろうか。
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