東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

旅行記 「春のスペイン」

トレド、マドリッド、セゴビアを周り、歴史とバルと闘牛を楽しんだ

08. マドリッドのコロン広場とコロンブス

マドリッドのコロン広場

続いて歩いたのは、マドリッド市内にあるコロン広場。下の画像がそのコロン広場なんだけど、お目当ては円柱の上に立つ人物。すなわち、西暦1492年にアメリカ大陸を発見したコロンブスだね。

スペインの首都マドリッドにあるコロン広場

日本ではクリストファー・コロンブスと記されることが多いけど、スペインではクリストバル・コロンとされるんだそうな。そのコロンさんの記念碑がある広場だから、コロン広場というわけだね。

マドリッドを見渡すコロンブスの像

コロン広場に立つコロンブスの像が下の画像なんだけど、高い円柱の上に立っていて、下から見上げても顔は良く見えないんだ。円柱の上のコロンブスさんはマドリッドを見渡すことが出来るんだろうね。(ついでながら、カタルーニャ地方の州都バルセロナにもコロンブス記念塔がある。)

スペインの首都マドリッドにあるコロン広場に立つコロンブスの像

このコロンブスのおかげでアメリカ大陸が発見された ・・・ ということになっている。でも、彼が発見するはるか昔にアメリカ・インディアンの御先祖が発見したわけだし、ヴァイキングもアメリカ大陸にまで到達していたという説もある。またコロンブスたちによってアメリカ大陸で多くの人々が虐殺され、あるいは奴隷にされたということで非難もされている。

とはいえ、コロンブスのおかげで、その航海を支援したカスティーリャ女王イサベル1世の孫のハプスブルク家のスペイン王カルロス1世(神聖ローマ帝国皇帝カール5世)やその息子のフェリペ2世の時代のスペインは陽の沈むことの無い帝国になったわけだね。その孫のフェリペ3世やその次のフェリペ4世の時代には陽も沈みかけていたけど。

ちなみに、イサベル1世の夫のアラゴン王フェルナンド2世はコロンブスの航海を支援しなかった。というわけで、フェルナンド2世の支配下にあったアラゴンやカタルーニャの人々は、新大陸アメリカとの交易から締め出されていたんだ。なかなか厳しいもんだね。

メキシコのアステカ帝国を滅ぼしたコルテス

といっても、コロンブスの発見だけでスペインが豊かになったわけじゃない。彼に続く多くのコンキスタドレス(征服者)の活躍( ・・・ と書いて良いのだろうか ・・・ )があってこそスペインによる中南米の開発( ・・・ 搾取と書くべきなのか ・・・ )が進んだわけだね。

スペインの昔の1000ペセタ紙幣に描かれていたコルテス

例えば、上の画像はユーロ導入前のスペインの1000ペセタ紙幣に描かれたコルテスなんだけど、西暦1521年にコルテスはアステカ帝国を滅亡させている。その結果、今のメキシコがスペインの支配下に入ったわけだ。

インカ帝国を滅亡させたピサロ、そしてボリビアのポトシ銀山

スペインの昔の1000ペセタ紙幣に描かれていたピサロ コルテスが描かれたかつてのスペインの1000ペセタ紙幣の裏側が右の画像なんだ。ここに描かれているのは、コルテスに続く名高い( ・・・ 悪名高いというべきか ・・・ )コンキスタドレス(征服者)のピサロなんだ。

このピサロは、西暦1533年にインカ帝国の皇帝を捕えて莫大な身代金を受け取った上で皇帝を殺害し、インカ帝国を滅亡させた。

そんなこんなで中南米を征服したスペインは、原住民のインディオ、続いてはアフリカの黒人奴隷を酷使して鉱山を開発した。その代表例が西暦1545年に発見されたボリビアのポトシ銀山だった。

こうした征服と開発の結果、スペインには多くの銀が運び込まれ、ハプスブルク家の支配下にあったスペインの黄金時代が花開いたわけだね。永遠に続いたわけじゃなかったけど ・・・。

トマト(ポモドーロ)とピザ

ついでながら、スペインのコンキスタドレスたちが新大陸を探検・征服した結果、やがてトマト(ポモドーロ)がイタリアにもたらされた。その結果、ナポリを中心としてピザやスパゲティなどのイタリアの料理に革命が起きたわけだ。特にピッツァ・マルゲリータなどはトマトが無ければ生み出されなかったものだよね。というわけで、美味しい新大陸からの恵みに感謝。


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