東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

旅行記 「春のスペイン」

トレド、マドリッド、セゴビアを周り、歴史とバルと闘牛を楽しんだ

12. マドリッドのバルを食べ歩き

マドリッドにあるエビ料理の美味しいバル

マドリッドでスペインの闘牛を堪能した後、いったんホテルに戻る。部屋に戻り、余計な荷物や貴重品を金庫にしまいこむ。財布も置いておこう。必要なだけのお金だけをポケットに入れておく。間違ってもクレジット・カードは持っていかない。十分に注意をして準備完了。さて、今夜もマドリッドのバルの食べ歩きに出発だ。

実は昨夜もマドリッド市内にあるパブを食べ歩いてきたんだ。でも、スリやかっぱらいを警戒してカメラを持っていかなかった。でも、昨夜の経験から注意をすればカメラを持って行っても大丈夫だなと思い、今夜は持って行くことにしたわけだ。

ホテルの前から乗ったタクシーをプエルト・デル・ソルの前で下車。まずはスペインの生ハムの店「ハブゴ・ソル Jabugo Sol 」に到着。 ・・・ 店は閉まっていた。イースターの祝日の日曜日の夜だからね。文句は言えない。でも、この店のスペイン生ハム(ハモン)、美味しかったのに ・・・ 。(当時住んでいたロンドンフラメンコを見に行く店でも、私はスペイン生ハムが大好きなんだ。パエリャも大好きだけどね。)

続いて横道にそれて路地の奥へと向かう。スリに警戒しつつ歩き、ケンカをしているおじさんたちの横をすり抜け、やって来たのはエビ料理専門のバル「ラ・カサ・デル・アブエロ La Casa Del Abuelo 」。

スペイン首都マドリッドのバル(エビ料理の美味い店)

上の画像の奥に見える鉄板で焼かれているのが、ガンバス・ア・ラ・プランチャ。これは塩だけのあっさり味。日本人好みかも。でも、私が好きなのは、上の画像の手前に見える料理、ガンバス・アル・アヒジョ。直径 10cmほどの小さな土鍋にオリーヴ・オイルとニンニクを入れ、そこに小さなエビを入れて火にかけただけ。塩とニンニクの効いた熱々のエビを口の中に放り込む。これが強烈な味で美味いんだ。

この店の料理はこの二種類だけ。飲み物もグラスで出す赤ワインと白ワインの二種類だけ。赤ワインはやや甘くて泥臭い。きりっとした白ワインがお薦めだね。その白ワインを飲みながら、熱々のガンバスを食べるのが最高。マドリッドでも私の気に入りのバルだ。

マドリッドにあるおつまみの美味しいバル

少し歩いてやって来たのは、「ラス・ブラヴァス Las Bravas 」という店。このブラヴァスというのが店の名物のソースの名前なんだそうな。パプリカを使ったソースらしい。店の名物はパタタス・ブラヴァスというジャガイモに名物のソースをかけた料理。味はまずまずかな。チェーン店になっていて、マドリッド市内にいくつかの店があるらしい。

続いては、「ラ・トルチャ La Trucha 」という店。トルチャというのは、酒の肴とかおつまみという意味の言葉なんだそうな。下の画像に見えるように、カウンターの奥には様々なスペイン生ハムが並んでいる。

スペイン首都マドリッドのバル(つまみの美味い店)

そのスペイン生ハムも美味かったけど、印象的だったのはネギの赤ちゃん。小さなネギの丸々と太った根元を切っただけのものなんだけど、それが実に甘くて美味いんだ。他にもピリッと辛いピーマン(ペパー)やオリーヴ、切っただけのカブも美味かった。なるほどおつまみの店だね。

スペインのシェリーを勉強させてもらったマドリッドのバル

ちょいと歩いて聖アナ広場の前にあるのが、「ヴィニャ・ピー Vina P 」という店。店内の壁は闘牛のポスターが埋め尽くしている。それもそのはずで、この店の常連の中には闘牛士たちが多いんだそうな。店の名物はカジョスという臓物の煮込み。小さなレタスをそのまま半分に切り、オリーヴ・オイルをたらしただけのサラダも美味しかったね。

それでも私たちのバル食べ歩きは終わらない。やって来たのは、シェリー専門店「ラ・ヴェネンシア La Venencia 」。その入り口が下の画像なんだ。私は今でもシェリーが大好きで、自宅でも時々飲んでいる。そのシェリーについて勉強させてくれたのが、マドリッドのこの店だった。

スペイン首都マドリッドのバル(シェリーの美味い店)

店内に入ったら、黒い木のカウンターの前に立ち、ヒゲのバーテンさんにシェリーを注文する。そのシェリーの種類が多いんだ。というわけで、私が勉強させてもらったスペインのシェリーの概要を書いておくかな。

スペインのシェリーいろいろ

  • まずは、キリッとしたフィノ Fino 。フィノはシェリーの中でもアルコール濃度が低く、熟成の進んでいないさっぱりしたもの。オリーヴなどをかじりながら飲むのに良い。

  • 次はマンザニージャ Manzanilla 。少し熟成したいささかまろやかなシェリーだね。ナッツなどをかじりながら飲むのに良い。

  • 続いては、オロロソ Oloroso 。アルコール度数の高いシェリー。飲み口は柔らかいけど、家内の感想は「飲み干した後で鼻から火が出る」んだそうな。

  • 更にはパロ・コルタド Palo Cortado 。濃い琥珀色の少し甘口のシェリーだね。ブルー・チーズと一緒にどうぞ。

  • 最後にアモンティジャード Amontillado 。淡白であっさりして、クセの無いシェリー。但し、アルコールはちょいと強めかな。


とまあ、色々と書いたんだけど、残念ながら日本で手に入るシェリーの種類は少ないよね。ついでに言えば、シェリーにはスペイン産の様々な魚のカラスミも合うんだ。でも、最後に食べたのは何年前のことだったろう。東京の銀座の店に行けばあるんだけどね。

マドリッドでタイルの絵が人気のバル

最後にやって来たのは、店のあちこちを飾るタイルの絵が人気のバル「ロス・ガブリエレス Los Gabrieles 」。店に入れば大音量で CD の音楽が流れている。それもとっても泥臭いフラメンコ・ギターだ。しかも、バーテンさんは酔っていたね。こちらも酔っていたけどね。

スペイン首都マドリッドのバル(タイルの絵が人気の店)

そんなこんなで昨夜も今夜もマドリッド市内にあるいくつものバルをハシゴして、色々な料理を食べ、様々なワインやシェリーを飲んで大満足だ。スペインのバルは個性的だし、料理も独特のものが美味くていいね。美味しく楽しい夜だった。

でも、ちょいとばかりロンドンのパブも恋しくなってきた。それにイングリッシュ・ブレックファストも恋しいな。スペインも美味しいんだけどね。


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