東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

旅行記 「春のスペイン」

トレド、マドリッド、セゴビアを周り、歴史とバルと闘牛を楽しんだ

13. セゴビアの水道橋

セゴビアの水道橋を遠望

今朝は6時半に起床。まずは風呂につかり、身支度をしてホテルのレストランで朝食だ。続いて荷物をまとめる。今日は旅の4日目なんだけど、午後のフライトでロンドンに帰ることになっているんだ。(明日の昼には金融街シティにあるパブで大好きなイングリッシュ・ブレックファストだ。)

8時半にはバスに乗り込み、マドリッドを出発し、北西に向かう。シェラ・デ・グアダラマ山脈を抜け、やがてセゴビアに到着したのは9時半過ぎだったかな。セゴビアの街はスペインの首都マドリッドから北西に 90km足らずのところにあるんだ。

スペインのセゴビアに残る古代ローマ帝国時代の水道橋を遠望

そのセゴビアの街のはずれの丘の斜面に立ち、眺めたのは古代ローマ帝国時代の水道橋(上の画像)だ。この水道橋はつい最近まで現役で、セゴビア市内の高台にあるアルカサル(後で行く予定)に水を運んでいたんだそうな。

セゴビアの水道橋を見上げた

少し離れた場所からセゴビアの全体を眺めたら、丘の道を下っていく。間もなく到着したのは、セゴビアの水道橋の真下。そこから見上げれば、下の画像のような眺めを眼にするわけだ。

スペインのセゴビアに残る古代ローマ帝国時代の水道橋を見上げた

このセゴビアの水道橋が築かれたのは西暦1世紀後半あるいは2世紀前半だろうと考えられている。古代ローマ帝国皇帝トラヤヌスとかハドリアヌスの時代、あるいはもっと前のドミティアヌス帝の時代ということかな。ローマフォロ・ロマーノにある円形闘技場(コロッセオ)よりも少し新しいというわけだ。

いずれにせよ既に二千年近くも経っている古い建造物だというのに、こうして見上げる限りではしっかりしているよね。さすが建築技術のレベルの高さを誇る古代ローマ帝国の建造物だよね。

15世紀に一部が修復されたセゴビアの水道橋

とはいえ、このセゴビアの水道橋は、かつて一部が破壊されたことがあるらしい。西暦1072年にイスラム教徒によって破壊されたらしい。

スペインのセゴビアに残る古代ローマ帝国時代の水道橋の真下で

そんなセゴビアの水道橋の修復が行われたのは15世紀のことだった。スペインに統合をもたらしレコンキスタ(国土回復運動)を完了させたカトリック両王(アラゴン王フェルナンド2世カスティーリャ女王イサベル1世)、つまりハプスブルク家の神聖ローマ帝国皇帝カール5世あるいはスペイン王カルロス1世の祖父母、スペイン王フェリペ2世の曽祖父母の時代だね。

古代ローマ帝国の水道橋

このセゴビアの水道橋は西暦1985年に世界遺産とされている。その高さは28メートル、長さは728メートルもあるんだそうな。ちなみに、同様の古代ローマ帝国時代の水道橋としては、フランス南部プロヴァンス地方に残るポン・デュ・ガールの水道橋があるよね。あちらの方がセゴビアの水道橋よりもサイズも大きいし、歴史も長いみたいだけどね。

ちなみに、スペイン北東部カタルーニャ地方の州都バルセロナにも古代ローマ帝国時代には水道橋があったんだそうな。今は地上には全く何も残っていないけどね。


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