東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

冬景色のトルコ
(1997年12月 - 1998年1月)


07. 古都コンヤへの道 (トルコ、小アジア)

白い石灰のテラスが美しいパムッカレを出発したバスは、田舎道を走り続ける。周囲には広々とした畑。といっても、冬だから畑に作物は無い。畑の土は石ころだらけ。これじゃ耕すのも大変だね。

ときおり見かけるのは、羊飼いに連れられた羊の群れ。でも、周囲には草地も無い。この羊たちは何処でエサを食べるんだろう。

おやつはヨーグルトに蜂蜜

お昼前にバスはドライブ・インの駐車場に停車。まずはトイレに急ぐ。のんびりしていると、あっという間にトイレに長蛇の列が出来るからね。なんせ寒いものだから、皆さん、バスが停まる度にトイレへ行くわけだ。ちなみに現在の標高は800メートル。

トルコのおやつはヨーグルトと蜂蜜(トルコ、小アジア) 用を済ませた後は、ヨーグルトと蜂蜜。どうってことの無い食べ物だけど、これが美味いんだ。

店の自家製のヨーグルトには強烈な酸味。対する蜂蜜だって、負けずに甘さで勝負している。酸味と甘みの激しい対決だ。

強烈なデザートを食べ終わると、口直しはチャイ。あわせて400,000トルコ・リラ(300円)なり。

関連書籍

参考になる・・・かもしれない本を探してみました。(本の題名をクリックすれば詳細が表示されます。)




トルコで四番目に大きな湖 エーイルディル湖

長い長い坂を登り続け、ようやく峠を越えたバスが路肩に停車し、私達はバスを降りて背伸びをする。

エーイルディル湖(トルコ、小アジア) 眼下には、トルコで四番目に大きな湖 エーイルディル湖。

久々に太陽が顔をのぞかせてくれた。これから少しは天気が良くなるのかな。

トルコの陸軍基地(トルコ、小アジア)

峠道を下ったところにはトルコ陸軍の基地があった。特殊部隊の基地だ。基地の周囲には、たくさんの歩哨が立ち、かなり厳しい警戒態勢をとっている。

公表されてはいないんだけど、トルコの総兵力は200万人近いとのこと。世界でも有数の兵力だね。その兵力を維持するために、トルコでは徴兵制が布かれているんだ。トルコの男性は、18歳から36歳までの間に、1年半の兵役に就くことが義務付けられている。大学を卒業した男性の場合、兵役は8ヶ月に短縮されるらしいけどね。

NATO(北大西洋条約機構)の一員としてのトルコは、西側の防波堤の役割を果たしていた。かつてのソ連や東欧諸国に対して、あるいはイラクやシリアなどのイスラム諸国に対して。その見返りとして、アメリカはトルコにF16戦闘機などのライセンス生産を認めてきたわけだ。

トルコの軍事国家的な性格は、西側の防波堤としてのものには限らない。国内的にも、クルド族の反政府活動もある。それに、おそらくは失業対策の意味もあるかもしれないね。しかし、莫大な軍事費の負担は、トルコの財政赤字を悪化させ、ときおり経済危機をもたらす結果になっている。

湖畔の街エーイルディルで遅い昼食(トルコ、小アジア)

やがて湖に面した街エーイルディル(下の画像)に到着。古代ローマ時代からの歴史を持つ街なんだ。但し、当時の名前はアクレトール。それが2000年の歳月の間にエーイルディルと変化した。

エーイルディルの街(トルコ、小アジア)

湖畔のレストランで2時から昼食。豆のスープ、野菜の煮物、白身魚の唐揚げ。飲み物はチャイと白ワイン。家内は寒さで体調を崩したらしい。料理には殆ど手をつけない。家内の残した料理は、全て私が平らげているんだけどね。

レストランの売店には、バラを原料とした土産物が並んでいる。体調を崩したはずの家内の買い物は、バラの香油・クリーム・お茶。計2,000,000トルコ・リラ(1,300円)なり。ちなみに、このあたりではバラの栽培が盛んなんだそうな。

レストランを出発したバスは、ビザンティン時代の城の下、セルジューク・トルコ時代のモスクの横を走り、エーイルディルの街を通過。湖の畔の道を走り続ける。

小アジア(アナトリア)の夕暮れ(トルコ)

いつの間にか眠り込んでしまった。ガイドさんのアナウンスに目が覚めた。時計を見れば夕方の5時。私達のバスはドライヴ・インの駐車場に停まっている。トイレ休憩だそうだ。

手早く用を済ませ、チャイを飲む。ドライヴ・インの外に出ると、小アジアの高原の夕暮れ(下の画像)の風景。

小アジアの夕暮れ(トルコ、小アジア)

再び走り始めたバスは、今日の目的地へと先を急ぐ。標高の高いこのあたりでは、夜になれば道が凍結してしまう。その前にホテルまでたどり着きたいというわけだ。

真っ暗闇の中、私達のバスはトロス山脈の峠を越えた。標高1,460メートル。麓には人口80万人のコンヤの街の明かりが見えた。今日のバスの旅も、もうすぐ終わりだ。

【参考】都市別ツアー


【参考】ホテル検索


次のページ

前のページ
旅行記 「冬景色のトルコ」 の日程表に戻る
旅のインデックス(国名順)に戻る
「ヨーロッパ・ミソラン・ガイド」へ行く
このサイトのトップ・ページへ行く

関連書籍

参考になる・・・かもしれない本を探してみました。(本の題名をクリックすれば詳細が表示されます。)




姉妹サイト 「イタリア三昧+マルタ」



イタリアとマルタに興味のある方は、姉妹サイト「イタリア三昧+マルタ」をチェックしてみてくださいね。ローマフィレンツェナポリピサアマルフィなどイタリア各地、マルタ島とゴゾ島の入門編聖ヨハネ騎士団にゆかりのマルタを尋ねた旅行記を集めました。


姉妹サイト 「ヨーロッパの歴史風景」



ヨーロッパに興味のある方は、この「ヨーロッパ三昧」の姉妹サイトである「ヨーロッパの歴史風景」(先史・古代編中世編近世編近代・現代編)にも行ってみてくださいね。


Copyright (c) 2001 Tadaaki Kikuyama
All rights reserved
このサイトの画像 及び 文章などの複写・転用はご遠慮ください。