東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅冬景色のトルコ
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トルコで四番目に大きな湖 エーイルディル湖長い長い坂を登り続け、ようやく峠を越えたバスが路肩に停車し、私達はバスを降りて背伸びをする。眼下には、トルコで四番目に大きな湖 エーイルディル湖。 久々に太陽が顔をのぞかせてくれた。これから少しは天気が良くなるのかな。 トルコの陸軍基地(トルコ、小アジア)峠道を下ったところにはトルコ陸軍の基地があった。特殊部隊の基地だ。基地の周囲には、たくさんの歩哨が立ち、かなり厳しい警戒態勢をとっている。公表されてはいないんだけど、トルコの総兵力は200万人近いとのこと。世界でも有数の兵力だね。その兵力を維持するために、トルコでは徴兵制が布かれているんだ。トルコの男性は、18歳から36歳までの間に、1年半の兵役に就くことが義務付けられている。大学を卒業した男性の場合、兵役は8ヶ月に短縮されるらしいけどね。 NATO(北大西洋条約機構)の一員としてのトルコは、西側の防波堤の役割を果たしていた。かつてのソ連や東欧諸国に対して、あるいはイラクやシリアなどのイスラム諸国に対して。その見返りとして、アメリカはトルコにF16戦闘機などのライセンス生産を認めてきたわけだ。 トルコの軍事国家的な性格は、西側の防波堤としてのものには限らない。国内的にも、クルド族の反政府活動もある。それに、おそらくは失業対策の意味もあるかもしれないね。しかし、莫大な軍事費の負担は、トルコの財政赤字を悪化させ、ときおり経済危機をもたらす結果になっている。 湖畔の街エーイルディルで遅い昼食(トルコ、小アジア)やがて湖に面した街エーイルディル(下の画像)に到着。古代ローマ時代からの歴史を持つ街なんだ。但し、当時の名前はアクレトール。それが2000年の歳月の間にエーイルディルと変化した。湖畔のレストランで2時から昼食。豆のスープ、野菜の煮物、白身魚の唐揚げ。飲み物はチャイと白ワイン。家内は寒さで体調を崩したらしい。料理には殆ど手をつけない。家内の残した料理は、全て私が平らげているんだけどね。 レストランの売店には、バラを原料とした土産物が並んでいる。体調を崩したはずの家内の買い物は、バラの香油・クリーム・お茶。計2,000,000トルコ・リラ(1,300円)なり。ちなみに、このあたりではバラの栽培が盛んなんだそうな。 レストランを出発したバスは、ビザンティン時代の城の下、セルジューク・トルコ時代のモスクの横を走り、エーイルディルの街を通過。湖の畔の道を走り続ける。 小アジア(アナトリア)の夕暮れ(トルコ)いつの間にか眠り込んでしまった。ガイドさんのアナウンスに目が覚めた。時計を見れば夕方の5時。私達のバスはドライヴ・インの駐車場に停まっている。トイレ休憩だそうだ。手早く用を済ませ、チャイを飲む。ドライヴ・インの外に出ると、小アジアの高原の夕暮れ(下の画像)の風景。 再び走り始めたバスは、今日の目的地へと先を急ぐ。標高の高いこのあたりでは、夜になれば道が凍結してしまう。その前にホテルまでたどり着きたいというわけだ。 真っ暗闇の中、私達のバスはトロス山脈の峠を越えた。標高1,460メートル。麓には人口80万人のコンヤの街の明かりが見えた。今日のバスの旅も、もうすぐ終わりだ。
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