東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

旅行記 「秋のベルギー」

ブリュッセルとアントワープ

6. アントワープ市内散策

アントワープで食べたムール貝

アントワープのノートルダム大聖堂バロックの画家ルーベンスの絵を見て、わざわざここまでやって来た目的は達した。でも、せっかく来たんだから、もっとアントワープを見て歩きたいよね。その前にまずはお昼を食べようと雨の中を歩く。

ガイドブックで見た店を目指して歩いたんだけど、あいにくと店はもぬけの殻だった。つぶれちゃったのかな。しかたない。その辺の店に入ろう。雨は降っているし、寒いし、お腹は空いちゃったし。

ベルギーの街アントワープで食べたムール貝

というわけで入った店で食べたのが、灰色エビのサラダ、ムール貝のワイン蒸し(上の画像)、フィッシュ・スープ、牛肉のビール煮。どれもベルギーの名物料理なんだけど、とっても美味しかったよ。特にムール貝のワイン蒸しは 1kg がぺろりと消えていったね。同じくベルギー名物のビールも美味しかった。

アントワープのマルクト広場、市庁舎、ブラボー像

美味しいベルギー料理に満足し、店を出た。雨はまだ降り続いているけれども、くじけずにアントワープ市内の通りを歩く。すぐに到着したのは、下の画像にあるマルクト広場だ。

ベルギーの街アントワープのマルクト広場、左に市庁舎、中央にブラボー像

上の画像の左側に見えているのは、西暦1561年に着工、西暦1564年に完成したという市庁舎。ちょうどベルギーやオランダにジャン・カルヴァンの思想が広がり、ローマ・カトリックの擁護者ハプスブルク家とプロテスタントとの対立が激化しつつある時期の建物というわけだね。

そして上の画像の中央に見えているのはブラボー像。この像は西暦1887年にものなんだけど、ブラボーという人物は古代ローマ帝国時代の兵士なんだそうな。その頃、アントワープを流れるスヘルデ川にはアンティゴーンという巨人がいて、船や旅行者から通行料を取っていた。兵士ブラボーはそのアンティゴーンを倒し、その手を切り落として川に投げ込んだ。ブラボー像はその様子を描いたものだとか。

アントワープの肉屋のギルドハウス

マルクト広場から歩いて 5分ほどのところには、肉屋のギルドハウスと呼ばれる建物(下の画像)がある。

ベルギーの街アントワープのマルクト広場にも近い肉屋のギルドハウス

この西暦1504年に完成(着工は西暦1501年)したという建物は、かつて肉屋のギルドの本部だったらしい。19世紀まではこの建物の中で肉の売買が行われていたんだそうな。今は工芸、武器などの博物館になっているらしいけどね。

アントワープ最古の建物ステーン城はルーベンスゆかり

肉屋のギルドハウスから200メートルほど歩けば、アントワープで最も古い建物とされるステーン城(下の画像)に到着する。この13世紀初頭に築かれた城は、アントワープで初めて築かれた石造の城砦だったそうな。

ベルギーの街アントワープのステーン城

西暦1520年頃には、ハプスブルク家の皇帝カール5世(スペイン王カルロス1世)によって改築されたらしい。その後、西暦1549年にはアントワープ市の所有となり、西暦1823年まで刑務所になっていたんだそうな。

アントワープのノートルダム大聖堂に代表作を残すバロックの画家ルーベンスの西暦1636年頃の作品「ステーン城の風景」にもこの城が描かれているらしい。一部の資料には、ルーベンスがこのステーン城を買い取ったと書かれているものもある。でも、上に書いたように19世紀に至るまでステーン城は刑務所として使われていたわけだし、ルーベンスが買い取ったのは城ではなくてその近くの荘園だったと思われるね。

そんなこんなでブリュッセルからの日帰りアントワープ観光はここまでにしよう。雨が降り続いたけれども、まずまずの成果だったかな。地下鉄に乗り、アントワープ中央駅に到着したのが15時半。15時40分発のブリュッセル行きの特急列車に乗り込むことが出来た。ブリュッセルに到着し、ホテルに戻ったのが16時半だった。


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