東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

旅行記 「秋のベルギー」

ブリュッセルとアントワープ

7. ブリュッセルの小便小僧と小便小娘

ブリュッセルのレストランでディナー

アントワープから列車でブリュッセルに戻り、ホテルの部屋でしばし休憩。やがてホテルの前からタクシーに乗り、グラン・プラス近くまでやって来た。レストラン「メゾン・デュ・シーニュ」に入ったのが20時だったかな。昨夜もこの店でディナーを楽しんだんだけど、料理もワインも美味しかったから、今夜もまたここで食事をしようというわけだ。

今夜の前菜に選んだのは、家内も私も生牡蠣。続いて家内のメインはオマール。私のメインはタルボットとヒラメのカスレ。ワインは前菜にはシャブリのハーフ(下の画像がそのエチケット)。メインに合わせたワインはムルソーとした。頃合いを見計らってやってきた頑固爺さんのソムリエもそれで大丈夫とのこと。合格点をもらえたみたい。

ベルギーの首都ブリュッセルにあるレストラン「メゾン・デュ・シーニュ」で飲んだシャブリのエチケット

やがて登場してきた生牡蠣にレモンをしぼり、まずは最初の一口。美味いなんてもんじゃない。最高。そして冷えたシャブリを一口。口の中で不思議な化学変化が起きて、生牡蠣もワインもどちらも美味さが増す。どちらもしっかりとした味のあるものだから、その化学変化も強烈だね。半端な生牡蠣や半端なシャブリではこうはいかないよね。

続いてメインの料理とムルソーの白ワインが登場。美味い。が、前菜の生牡蠣とシャブリほどではないね。今夜のディナーは生牡蠣とシャブリに尽きるね。生牡蠣とシャブリの組み合わせが常に最高というわけじゃないけど、今夜の組み合わせはピカイチだった。デザートとコーヒーで締めくくり、満足して店を出る。

ブリュッセル名物の小便小僧

雨はまだ降り続いていた。が、せっかくだから少し歩いて見に行ったのが、ブリュッセル名物の小便小僧(下の画像)だった。

ベルギーの首都ブリュッセルにある小便小僧

シンガポールにあるマーライオン、コペンハーゲンにある人魚姫、そしてこのブリュッセルの小便小僧は「世界三大がっかり」とも言われているんだそうな。その評価に納得した家内の感想によれば、小便小僧はあまりに小さいとのこと。でもね、この小便小僧が大きければ、ちょいと不気味だと思うんだけどね。

とはいえ、この小便小僧、制作されたのが西暦1619年ということで、ブリュッセルで最年長の市民とも言われているんだそうな。但し、過去に2度も盗難に遭い、今のものはレプリカらしいけどね。今はオリジナルはブリュッセル市立博物館に保管されているんだそうな。

ところが、西暦2015年8月に目にしたニュースによれば、市立博物館に保管されているオリジナル ・・・ とされる小便小僧もニセモノかもしれないらしい。19世紀に盗まれた後に返還された像が、既にニセモノだった可能性があるんだそうな。詳細な調査によって真贋を確認するらしいけど、それでも真贋が定かになるとは限らないんだって。

ブリュッセルの小便小娘

小便小僧から少し歩いてグラン・プラスを過ぎ、横丁に入る。そこで見ることができるのが、下の画像にある小便小娘の像。

ベルギーの首都ブリュッセルにある小便小娘

小便小僧の彼女なのかと思ったんだけど、制作されたのが西暦1985年とのこと。ブリュッセルの最年長の市民とされる小便小僧とはちょいと歳の差があるね。でも、今どきはその程度の歳の差を気にしちゃいかんのかもしれないけど。

セルクラースの像

グラン・プラスのすぐ近くには、多くの観光客が訪れる像がもう一つある。それが下の画像にあるセルクラースの像なんだ。

ベルギーの首都ブリュッセルにあるセルクラースの像

西暦1355年にブラバント公が亡くなった後、フランダース伯が兵を起こしてブリュッセルの街を占領してしまった。でも、このセルクラースに率いられた人々が西暦1356年に街の城壁をよじ登り、フランダース伯の兵を打ち破った。そのおかげで亡くなったブラバント公の娘とその夫がブリュッセルに入城することができたんだそうな。

そんなセルクラースはその後もブリュッセルの市民の権利を守ろうと頑張ったんだそうな。でも、結局は敵対する貴族によって西暦1388年に暗殺されたらしい。

そんなセルクラースの像がブリュッセルのグラン・プラスの近くに置かれたのが19世紀の後半だった。そのセルクラースの像をさすれば、幸運に恵まれ、望みもかなえられると地元の人々は信じているんだそうな。特にセルクラースの像の腕をさすれば、またブリュッセルを訪れることができるらしい。そんなわけで、このセルクラースの像の腕の部分はピカピカになっているんだ。


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