東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

旅行記 「秋のベルギー」

ブリュッセルとアントワープ

9. ブリュッセルのサン・ミシェル大聖堂

ブリュッセルのサン・ミシェル大聖堂

ベルギーの首都ブリュッセルの中心グラン・プラスから食べ物横丁を経てしばし歩き、到着したのがサン・ミシェル大聖堂(下の画像)だった。

ベルギーの首都ブリュッセルにあるサン・ミシェル大聖堂の外観

首都にある大聖堂でもあり、ベルギー王家とも深い関係があるんだそうな。前のベルギー国王ボードワン1世の結婚式も、このサン・ミシェル大聖堂で行われたらしい。(前国王の弟にあたる現国王アルベール2世は即位前に結婚したからか、ここで挙式を行っていない。)

正しくはサン・ミシェル・エ・ギュデュル大聖堂

多くの資料の記述に従って、上にはサン・ミシェル大聖堂と書いたけれども、正式にはサン・ミシェル・エ・ギュデュル大聖堂というらしい。

ベルギーの首都ブリュッセルにあるサン・ミシェル大聖堂の内部

西暦1047年、地元の貴族によってサン・ギュデュル(聖ギュデュル)の聖遺物を安置する小さな聖堂が建てられた。それが後にサン・ミシェル・エ・ギュデュル大聖堂となったんだそうな。13世紀からこの大聖堂はゴシック様式に改築された。内陣は13世紀前半のもの。そして正面ファサードが完成したのは、15世紀の半ばのことだった。

サン・ギュデュル(聖ギュデュル)もサン・ミシェル(聖ミシェル)もブリュッセルの街の守護聖人なんだそうな。ちなみに、サン・ミシェルはフランスの守護聖人でもある。あの世界遺産モン・サン・ミシェルの修道院を築かせたのもサン・ミシェルだし、ジャンヌ・ダルクにフランスを救わせたのもサン・ミシェルだった。キリスト教世界でも最も忙しい聖人の一人がサン・ミシェルかもしれないね。

他方のサン・ギュデュル(聖ギュデュル)なんだけど、地元ブラバントの貴族の家に生まれ、信仰に生きた女性だったらしい。彼女の聖遺物はこの大聖堂に安置されていたんだけど、西暦1579年にプロテスタントによって大聖堂が略奪され、彼女の聖遺物も暴かれて捨て去られたんだそうな。ジャン・カルヴァンの思想に従うゴイセンをハプスブルク家フェリペ2世が抑圧し、やがてオランダの独立に至る戦いが激化した時代のことだね。

私たちがこの大聖堂に到着した時、ちょうど日曜日のミサが終わり、人々が出て行くところだった。でも、再び人々が大聖堂の中に戻ってきた。パイプ・オルガンもなり始めた。今度は万聖節のミサが始まるらしい。では、異教徒の私たちはそろそろ退散するかな。

ユーロ・スターの列車でブリュッセルからロンドン

タクシーに乗り込み、ブリュッセル市内のホテルに戻る。ラウンジのソファーに座り込み、家内はショコラ、私は野菜のスープとビール。とりあえずこれでお腹をごまかしておく。

ホテルに預けておいた荷物を受け取り、タクシーに乗り込んで駅に向かう。ちらっと見えた道端の温度計によれば、気温は 6度。寒いはずだ。やがてブリュッセル南駅に到着。ロンドンに向かうユーロ・スターの列車のチェック・インを済ませ、免税店で買い物。

ベルギーの首都ブリュッセルからイギリスの首都ロンドンに向かうユーロ・スターの列車の車窓の風景

私たちが乗り込んだユーロ・スターの列車は、定刻の15時にブリュッセル南駅を発車。すぐに列車のスタッフがシャンパンのサービスに回ってきた。そのシャンパンを飲みながら、車窓からの眺め(上の画像)を楽しむ。

やがて食事のサービスが始まった。まずは七面鳥とパセリのテリーヌ。それからベルギーならではの灰色エビを添えたカニのサラダ。実はユーロ・スターのファースト・クラスの座席にいるんだけど、食事もワインも期待以上だよね。

ベルギーの土産物の記念撮影

ユーロ・スターの列車がロンドンに到着したのは18時前だった。ここでイギリス時間に合わせるために時計を1時間遅らせる。今はイギリス時間で17時だ。

駅の中のパスポート・コントロールを抜け、地下鉄の駅に向かう。地下鉄に乗り、ロンドン郊外のウッドサイド・パークの自宅に帰りついたのは18時前だった。

ロンドンの自宅でベルギーの土産物の記念撮影

帰宅したら、まずは荷物の整理だ。洗濯物を出し、続いて土産物の記念撮影。上の画像が今回のベルギーの旅の土産物だ。旅の初日にグラン・プラスのレース編みの店のショー・ウィンドウを見ながら誓った家内は、その誓いを守ってベルギーのレース編みを買い込んできたわけだ。

その他にはブリュッセルのデパートで買ったテーブル・クロスや絵葉書、レストラン「メゾン・デュ・シーニュ」で記念にもらったメニュー、フランスのワイン、そしてタバコ。(当時の私はスモーカーだったんだ。その後、タバコはやめたけどね。)

そんなこんなで、寒かったし、雨は多かったし、無計画にいきなり行ったベルギーだったけど、色々と見ることもでき、料理もワインもビールも美味しくて、楽しい旅だったね。先週の木曜日の夜には勤労意欲を無くしていた私だったけど、明日はちゃんとオフィスに行くかな。(オフィス近くのパブイングリッシュ・ブレックファストを食べたいし。)


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