ストラスブールのレストラン「ビュールイーゼル」に到着結局のところ、ロレーヌ地方の中心都市ナンシーの駅から列車で出発したのは16時過ぎだったかな。ストラスブール駅に到着した時には既に17時半を回っていた。すぐに駅前からタクシーに乗り込み、ホテルに戻る。ホテルの部屋に戻ったら、まずは風呂に入って汗を流す。きれいにヒゲを剃る。ディナー・ジャケットを着て、日本の漢方胃腸薬をのんで準備完了だ。(ロンドンに住んでいた頃、日本の知人に頼んでは漢方胃腸薬を送ってもらっていた。イギリスの胃腸薬はどうにも強すぎてね。) ホテルからタクシーに乗り込み、ストラスブールの街外れにあるオランジュリー公園で降りる。この公園の中に今夜のレストラン「ビュールイーゼル」(下の画像)がある。ちなみに、この当時の「ビュールイーゼル」はミシュラン三ツ星だった。代替わりして星がちょいと減っちゃったらしいけどね。
ストラスブールを代表するレストラン「ビュールイーゼル」の中に入ると中庭だ。黒服のスタッフが出迎えてくれる。彼が尋ねるには、すぐに建物に入るか、あるいは中庭のテーブルでアペリティフでも飲むか。そろそろ20時なんだけど、まだ十分に明るさも残っている。では、中庭のテーブルでアペリティフを飲みながら料理を考えることにしよう。
レストラン「ビュールイーゼル」で料理をワインを選ぶ中庭で飲んだアペリティフはブラック・ベリーのリキュールをシャンパンで割ったもの。店のソムリエ氏のお薦めのアペリティフだったんだ。そのソムリエ氏のアドバイスに従って選んだワインは、もちろんアルザスの白ワイン。下の画像がそのワインのエチケットだ。
アルザスの白ワインの中では代表的なピノ・グリ(トカイ・ダルザス)だね。但し、「ヴィエイユ・ヴィーニュ、キュヴェ・デュ・サントネール」(読み方が正しいかどうかは不安だけど・・・)と書いてあるでしょ。「ヴィエイユ・ヴィーニュ」というのは「古いブドウの木」という意味らしい。そして「サントネール」というのは「100年」ということなんだそうな。つまり、「樹齢100年のブドウの木」から収獲されたブドウで作られたワインだね。
いよいよレストラン「ビュールイーゼル」の料理が登場まずは前菜はフォアグラ。アルザスのフォアグラはフランスでも評価が高いんだ。そのフォアグラの周囲にはブイヨンのゼリー。ブリオッシュとは違う堅く焼いたパンやクルミ、ブドウも添えられていた。極めてシンプルな料理。でも、どれもとっても良い素材を使っているし、組み合わせの妙もある。最高の前菜かも。
やがてメインが登場してきた。深い青の大きな陶器にパイで封がされている。私たちのテーブルの横で、ギャルソンが陶器のパイの蓋をはずしてくれるんだ。
ブレス・チキンのキャセロールやがて陶器の中から姿を見せたのは、よく太ったブレス・チキンが丸々一羽。今夜のメインはブレス・チキンを野菜と一緒に陶器に入れてオーヴンで焼いたキャセロールなんだ。ブレス地方はフランスでも最高級とされるチキンの産地なんだけど、それを丸々一羽使ったとってもぜいたくな料理というわけだ。
といっても、そのままのチキンを食べるのはワイルドに過ぎる。チーフ・ギャルソンがていねいにチキンを切り分け、野菜と一緒に皿に盛り付けてくれる。このメインも美味かったこと。とってもあっさりとした控え目な味付けが、しっかりした味のあるブレス・チキンを引き立ててくれる。そのチキンのエキスを吸った野菜がまた美味い。
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