東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

旅行記 「アルザスとストラスブール (フランス)」

16. ストラスブール大聖堂内部とお宝

ストラスブール大聖堂の中を歩く

いよいよストラスブール大聖堂の中を歩く。下の画像は西側正面ファサードの内部なんだけど、バラ窓のステンド・グラスもあり、ゴシック様式の要素もはっきりと感じられるね。

フランス東部アルザス地方にあるストラスブール大聖堂の西側ファサード内部のバラ窓

ちなみに、西暦1524年にストラスブール大聖堂はプロテスタントの教会とされたんだそうな。その際にはカトリックの聖堂に見られる聖像などが破壊されたらしい。上の画像でもどことなく簡素な印象を受けるのは、そんな歴史のせいなのかな。

宗教画や聖像を好まないプロテスタントの教会は一般的に飾り気がないよね。対してカトリックの教会には宗教画や聖像が多い。例えばカトリックの総本山であるローマサン・ピエトロ大聖堂ではミケランジェロのピエタベルニーニのバルダッキーノ(天蓋)などを見ることが出来るわけだ。

ストラスブール大聖堂の後陣にある「ストラスブールの聖母」

そして西暦1681年、フランス王ルイ14世太陽王ストラスブールを攻略した。その翌月には、ルイ14世はストラスブール大聖堂でミサを行い、この大聖堂は再びカトリックの手に戻ったんだそうな。(下の画像は大聖堂後陣の様子。)

フランス東部アルザス地方にあるストラスブール大聖堂の後陣

このストラスブール大聖堂は当初ロマネスク様式で着工され、後にシャルトル大聖堂関係者のアドバイスによってゴシック様式に変更されたんだけど、上の画像にある後陣部分はロマネスク様式で工事が行われた時期に建てられているんだ。だから、窓も小さくて後陣内部はかなり暗いよね。

その窓に入っているのは、西暦1956年に欧州評議会から送られた「ストラスブールの聖母」と呼ばれるステンド・グラスなんだそうな。このストラスブールは欧州連合の中心的な都市となっていて、例えば西暦1952年から欧州議会はストラスブールに設置されている。

ストラスブール大聖堂の天使の柱

ストラスブール大聖堂の中を歩き、やって来たのは南翼廊。そこに立っているのが、下の画像にある「天使の柱」。この柱は「最後の審判」を表現している ・・・ らしい。よくわかんないけど。

フランス東部アルザス地方にあるストラスブール大聖堂の南翼廊にある天使の柱

この南翼廊はゴシック様式に切り替えられた後に建てられた部分なんだ。窓も多く、ステンド・グラスも多用されていて、ゴシック様式の要素がはっきり出ているよね。

ストラスブール大聖堂の天文時計

そしてこのストラスブール大聖堂の最大のお宝は、天使の柱のすぐ横にある天文時計(下の画像)かな。16世紀に作られたものなんだそうな。但し、内部の時計本体は19世紀に新しくされたらしい。

フランス東部アルザス地方にあるストラスブール大聖堂の南翼廊にある天文時計

この天文時計は、仕掛け時計にもなっていて、毎日12時半に人形たちが動くようになっている。その仕掛けを見るためには、12時前には一旦大聖堂の外へ出て、南翼廊の外で行列に並び、入場料を払ってあらためて中に入るという手間をかけなきゃいけないんだ。

そして12時には多くの観光客と一緒に南翼廊の中に入り、天文時計の前で待つ。でも、フランス語、ドイツ語、英語などの説明が30分続く。その間、多くの観光客たちは天文時計の仕掛けが動くのを見るのに最適な場所を予想し、静かに場所の確保に励むことになる。

いよいよ12時半、天文時計の兵士や老人や使徒たちが歩き、天使や骸骨が鐘を鳴らし、ニワトリが時を告げる。30分待った挙句に仕掛けが動くのはほんの数分だったけどね。でも、御用とお急ぎの無い方は見る価値があるかも。なんせ16世紀の仕掛け時計だからね。


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