東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

パリに住んだ ・・・ つもりの 9日間 (フランス)

パリからロワール、ノルマンディー、シャルトルまで

07. シュノンソー城に到着 (ロワール川めぐり)

再びロワール川のほとりの道

12時前にはブロワ城を出発し、バスに乗り込む。ブロワ城は良かった。ロワール川に浮かぶ姿も良かったし、建物も内部も、そして中世から近世にかけてのフランス王家の歴史も興味深い。

そんな余韻を楽しむ私たちを乗せて、バスはロワール川(下の画像)の北岸を西へと走る。ロワール川の川幅は想像以上に広くて、流れもゆるやかだよね。昔から水運に利用されてきたというのも納得だね。

フランス西部を流れるロワール川

15〜16世紀のフランス王室の宮廷は、船を連ねてロワール川流域を移動していたらしい。フランス王フランソワ1世はパリのルーブル要塞(今の美術館)を王宮と定めたらしいけど、フランス王の宮廷が恒常的にパリに置かれるようになったのは、宗教戦争(ユグノー戦争)を勝ち抜いたアンリ4世の頃からなんだそうな。

シュノンソーの村でランチ

やがて13時にシュノンソー城の近くにあるシュノンソーの村(下の画像)でバスを降りる。まずは村のレストランでランチだそうな。

フランス西部を流れるロワール川のほとりのシュノンソー城近くの村

今日のバス・ツアーの会社が手配してくれていたランチは、川スズキ(どんな魚だ ・・・ )のクリーム煮と野菜サラダ。付け合せはジャガイモの煮物、豆とベーコン。とっても「田舎」風の料理が美味かった。別料金だけど、ワインはもちろんロワールの白を合わせたよ。量はともかく、味は満足。

シュノンソー城へと続くプラタナスの並木道

ランチとワインの余韻を楽しみながら、村からシュノンソー城へと続く道を歩く。下の画像の道はプラタナスの並木道だそうな。

フランス西部を流れるロワール川のほとりのシュノンソー城に向かう並木道

シュノンソー城に着く前に予習ね。このシュノンソー城は「6人の奥方の城」とも言われるらしい。詳しい話は別に書くとして、その 6人は以下の通りなんだそうな。

  1. 財務官トマ・ボイエの妻カトリーヌ・ブリコネー
  2. フランス王アンリ2世の愛妾ディアーヌ・ド・ポワチエ
  3. フランス王アンリ2世の王妃カトリーヌ・ド・メディチ
  4. フランス王アンリ3世の王妃ルイーズ・ド・ロレーヌ・ヴォーデモン
  5. 徴税総請負人クロード・デュパン夫人
  6. プルーズ夫人

上の 6人の奥方たちは、今に残るシュノンソー城を作り上げる上でなんらかの足跡を残した女性たちらしい。例えば、最初の財務官トマ・ボイエ夫人のカトリーヌは、実質的にこのシュノンソー城の最初の建物を作り上げた人物なんだそうな。元々の城の所有者のマルク家からシュノンソー城を買い取ったトマ・ボイエ氏は、仕事が忙しくていつも留守にしていた。その間に夫人カトリーヌが城造りを指示していたというわけだ。

但し、上に挙げた 6人しかいなかったわけじゃないよ。フランス王アンリ2世の息子のフランソワ2世の奥方でスコットランド出身のメアリー・スチュアート(後にスコットランド女王)もここに住んでいたらしいからね。

シュノンソー城が見えてきた

やがてプラタナスの並木道を抜け、広い庭に出る。そこから眺めたシュノンソー城の様子が下の画像だ。

フランス西部を流れるロワール川のほとりのシュノンソー城を遠望する

ちなみに、正面にシュノンソー城を見て、左側にはディアーヌの庭がある。そして右側にはカトリーヌの庭がある。今は城をはさんで対峙するディアーヌとカトリーヌなんだけど、昔はフランス王アンリ2世を間にして二人の女性が対峙していたらしい。

シュノンソー城、カトリーヌ・ド・メディチ、ディアーヌ・ド・ポワチエ

つまり、フランス王アンリ2世の正妻で王妃が、イタリアのフィレンツェの名家メディチ家の嫡流から出たカトリーヌ・ド・メディチ。アンリ2世の愛妾だったのが、ディアーヌ・ド・ポワチエだった。元々はアンリ2世はこのシュノンソー城をディアーヌに与えた。そのディアーヌが造ったのが、城に向かって左側にあるディアーヌの庭だね。

ところが、西暦1559年にフランス王アンリ2世が亡くなり、王妃カトリーヌ・ド・メディチがディアーヌ・ド・ポワチエからシュノンソー城を取り上げちゃった。そしてカトリーヌが造ったのが、カトリーヌの庭なんだそうな。

ついでながら、父親のフランス王フランソワ1世ハプスブルク家の皇帝カール5世(スペイン王カルロス1世)の宿敵だった。そのフランソワ1世は、皇帝との戦いの為にローマの教皇を味方にしておきたかった。その当時のローマ教皇クレメンス7世がメディチ家の出身だったものだから、そのメディチ家の姫を息子アンリ2世のお嫁さんにもらったわけだ。

ちなみに、このカトリーヌ・ド・メディチのお子さんは多いんだけど、フランス王フランソワ2世、シャルル9世アンリ3世、それにマルグリット・ド・ヴァロワ(映画「マルゴー」の主役のマルゴーのこと)などなどだね。ちなみに、そのマルゴーとブルボン家のアンリ(後のフランス王アンリ4世)がパリのノートルダム大聖堂で結婚した直後にサン・バルテルミーの虐殺が起こっているんだ。


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