東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

パリに住んだ ・・・ つもりの 9日間 (フランス)

パリからロワール、ノルマンディー、シャルトルまで

15. カーンのサン・ピエール教会 (ノルマンディー)

カーンに到着

バイユー・タペストリーと大聖堂を堪能し、バイユー駅から13時26分発のリジュー行きのローカル列車に乗り込む。列車はがら空きで、すぐに席を見つけることができた。それがオフ・シーズンの旅の良いところだよね。おそらくハイ・シーズンには、バイユーの街も列車もイギリス人であふれかえっているに違いないからね。

イングランド征服王ウィリアム1世、いやノルマンディー公ウィリアムの都カーンに到着したのは13時45分。まずはパリに戻る列車の時刻を確認してから駅を出る。北西に向かって200メートルほどのあたりを流れているのが、下の画像にあるオルヌ川。

フランス北部ノルマンディーのカーンを流れるオルヌ川

このノルマンディーの街カーンから海までの距離は14km。カーンは内陸の街なんだ。でも、このオルヌ川を下って船で海まで行くことが出来たんだそうな。というわけで、内陸にあるカーンだけど、実は港町だったりする。

カーンのカフェでランチ

ノルマンディー公ウィリアム(イングランド征服王ウィリアム1世)ゆかりの城や修道院・教会などのあるカーンの街に来たんだから、すぐにでも観光を始めたいところではある。が、既にお昼を過ぎているし、おなかもぺこぺこ。というわけで、カーンの街のカフェ(下の画像)でランチにした。

フランス北部ノルマンディーのカーンのカフェにて

私が食べたかったのは、ノルマンディー名物のシーフードのマトロート。マトロートと言えば、アルザスウナギが名高いね。でも、フランス各地にその土地の素材を使ったマトロートがある。それがノルマンディーではシーフードのマトロートというわけだ。もちろん、ワインではなく、ノルマンディーのシードル(リンゴの発泡酒)を使って調理してある。

でも、残念ながらそのカフェのメニューにはお目当ての料理は見当たらず。やむなく選んだのが仔牛肉の料理。ノルマンディーには牧場も多いし、仔牛肉も美味いかもしれない ・・・ と単純に考えたんだけど、期待はずれだったね。

但し、料理と一緒に飲んだシードルはとっても美味かった。イギリスのコーンウォールもシードルの名産地だけど、ノルマンディーのシードルの方がさわやかでフルーティかもしれない。昼からお代わりをしてしまった。

カーンのサン・ピエール教会

ともかくお昼を食べて空腹は解消。カーンの観光を始めよう。まずはサン・ピエール教会。(下の画像は、後で行くカーン城の城壁の上から撮影したサン・ピエール教会。)

フランス北部ノルマンディーのカーン城から眺めたサン・ピエール教会

このカーンのサン・ピエール教会を建てる工事が始まったのが13世紀の始めのこと。その工事は16世紀まで続いたらしい。この教会で最も目立っているのは、言うまでもなく鐘楼だよね。西暦1308年に完成し、「ノルマンディーの鐘楼の王」と呼ばれているらしい。

サン・ピエール教会の内部

そのサン・ピエール教会は、サン・ピエール(英語ならばセント・ピーター、イタリア語ならばサン・ピエトロ、つまりは十二使徒の一人だった聖ペテロ)に捧げられた教会なんだ。ついでながら、ローマにあるカトリックの総本山サン・ピエトロ大聖堂は、皇帝ネロによるキリスト教徒の迫害によって殉教した聖ペテロのお墓の上に建立されたと言われているね。

フランス北部ノルマンディーのカーンにあるサン・ピエール教会の内部

鐘楼だけではなく、上の画像にあるように内部も立派だよね。

サン・ピエール教会で見た祈り

でも、その教会の中で私の眼を惹きつけたのは、歴史ある立派な彫刻や祭壇じゃなかった。

フランス北部ノルマンディーのカーンにあるサン・ピエール教会の礼拝堂で祈る女性

教会の側廊にある小さな礼拝堂。そこに跪いて一心に祈る女性の姿。その女性を照らす陽射しは、彼女の祈りが天に届いていることを示していたに違いないよね。


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