東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

旅行記 「ニース・エズ・モナコ公国とロンドン」

34. 大英博物館で見たケルトとアングロ・サクソン

大英博物館で見た古代ケルトのウィタム・シールド(盾)

イタリアのローマからガリア(フランス)に進出していた古代ローマ帝国からは、紀元前55年にブリタニア(イギリス)にカエサル(シーザー)が遠征してきているし、西暦43年には古代ローマ帝国がロンディニウム(ロンドン)を建設している。でも、当然ながらそれ以前にもブリテン島(イギリス)に人間が住んでいた。その代表が古代ケルト人だよね。

ロンドン大英博物館にも、古代ケルト人に関連する展示は多いんだ。例えば、下の画像は古代ケルト人のラ・テーヌ文化に属すると考えられるウィタム・シールド(盾)。

イギリスの首都ロンドンの大英博物館で見た古代ケルトのウィタム・シールド(盾)

紀元前4世紀頃のものと言われている。イギリスのリンカーンを流れるウィタム川で発見されたんだそうな。地中海産のサンゴがこの盾の装飾に使われているらしいけど、イギリスのコーンウォール地方で産出される錫が青銅の材料として地中海方面に運ばれていたらしいから、その対価として来た商品かもしれないね。

ちなみに、マルセイユに定住した古代ギリシャ人は、コーンウォールの錫の交易のために海路を開発しようとしたらしい。でも、結局は経済的に成り立たず、コーンウォールの錫は陸路で運ばれたんだそうな。

大英博物館で見た古代ケルトのバタシー・シールド(盾)

続いては、同じ古代ケルト人のラ・テーヌ文化に属するバタシー・シールド(盾)が下の画像だ。

イギリスの首都ロンドンの大英博物館で見た古代ケルトのバタシー・シールド(盾)

この盾は、ロンドンを流れるテムズ川で発見されたものらしい。紀元前1世紀頃のものと言われているけれども、紀元前3世紀まで遡るという説もあるんだそうな。

大英博物館で見た古代ケルトのウォータールー・ヘルメット(兜)

次に上の盾と同様に紀元前1世紀頃のものと言われ、またロンドンを流れるテムズ川で発見されたものとして興味深いのが、下の画像にあるウォータールー・ヘルメット(兜)だね。

イギリスの首都ロンドンの大英博物館で見た古代ケルトのウォータールー・ヘルメット(兜)

ヨーロッパでは角の付いたヘルメット(兜)がレリーフなどに描かれているものは発見されているらしい。でも、その実物が発見されたのは、上の画像にあるウォータール・ヘルメット(兜)が唯一のものなんだそうな。

ちなみに、このヘルメットは薄くて強度が足りず、実戦で仕えるものとは考えられないらしい。ということで、ロンドン辺りのテムズ川でケルト人が儀式を行うのに使ったものと考えられている。

大英博物館で見たアングロ・サクソンのヘルメット(兜)

皇帝クラウディウスの命によってブリタニア(イギリス)に進出した古代ローマ帝国。でも、西暦410年には古代ローマ帝国はブリタニア(イギリス)から撤退している。

その後、今のイギリスに渡ってきたのが、アングロ・サクソン人たちだった。下の画像は、そんなアングロ・サクソン人の王国の一つイースト・アングリアの王レッドウォールドのヘルメット(兜)だったとも言われているものなんだ。(他にも色々な説があるんだけど。)

イギリスの首都ロンドンの大英博物館で見たアングロ・サクソンの兜

というわけで、ブリタニア(イギリス)の主人公が交代しちゃったようにも見えるけど、いやいやケルト人も生き残っていたんだ。アングロ・サクソン人と戦ったアーサー王もそんなケルト人の伝説の英雄だし、その後もウェールズスコットランドはケルト人の土地であり続けたからね。


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