東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

旅行記 「ニース・エズ・モナコ公国とロンドン」

35. 大英博物館で見たキリスト教

大英博物館で見たブラック・ジョージ

ロンドン大英博物館には、中世を中心とするキリスト教関連の展示品もある。その中でも特に私の興味を引いたのが、下の画像にある通称「ブラック・ジョージ」。

イギリスの首都ロンドンの大英博物館で見たブラック・ジョージ(黒馬に乗ったセント・ジョージ)

この「ブラック・ジョージ」は、14世紀後半にロシア北部で作られたセント・ジョージ(聖ジョージ)のイコンなんだけど、黒い馬に乗っている点がとってもユニークなんだ。一般的にはセント・ジョージ(聖ジョージ)は白馬に乗っているからね。

大英博物館で見た白馬のセント・ジョージ

上のブラック・ジョージに対して、下の画像に見えるセント・ジョージ(聖ジョージ)は白馬に乗っている。これが一般的な姿だね。

イギリスの首都ロンドンの大英博物館で見た白馬に乗ったセント・ジョージ(聖ジョージ)

ちなみに、このセント・ジョージ(聖ジョージ)はイングランド(イギリスじゃなく)の守護聖人になっている。ついでながら、ウェールズのシンボルはドラゴンなんだ。ドラゴンを退治するセント・ジョージ(聖ジョージ)を守護聖人としたのは、ウェールズを征服しようというイングランドの政策が関係したんだろうか。例えば、イングランド王エドワード1世はウェールズ征服のために何度も遠征したんだ。(そのエドワード1世はスコットランド遠征も何度も行っているけどね。)

余談ながら、フランスには守護聖人が何人かいる。フランスの首都パリのシテ島にあるノートルダム大聖堂を筆頭に、フランス各地にノートルダムと呼ばれる教会が多いんだけど、そのノートルダム(聖母マリア)がフランスの守護聖人だね。他にも、パリのモンマルトルの丘で殉教したと伝えられるサン・ドニ(聖ドニ)もそうだし、百年戦争で名高いジャンヌ・ダルクもフランスの守護聖人だね。

余談が続いて申し訳ないんだけど、そのジャンヌ・ダルクはガール・スカウトの守護聖人だったりする。そのジャンヌ・ダルクにお告げを伝えたことと世界遺産モン・サン・ミシェルで名高いサン・ミシェル(聖ミカエル)は、兵士や警官の守護聖人なんだそうな。イングランド王ヘンリー8世によってロンドン塔で処刑されたトマス・モアは弁護士の守護聖人とされている。

大英博物館で見た授乳する聖母子像

私が最も好きな聖母子像はラファエロの「小椅子の聖母」なんだ。とっても人間らしいからね。他方で、大英博物館にあった授乳する聖母子像(下の画像)も人間らしいという点では劣っていないかもしれないね。

イギリスの首都ロンドンの大英博物館で見た授乳をする聖母子像

ところで、上の画像の聖母マリアに抱かれた赤子のキリストの右手にあるのは、おしゃぶりだろうか。ちなみに、西暦1506年に描かれたアルブレヒト・デューラーの聖母子像でもおしゃぶりが描かれている。おしゃぶりも昔からあったんだね。

大英博物館で見た十字架

そして下の画像の十字架に困っている。大英博物館にはいくつもの十字架が展示されているんだけど、この十字架の美しさに思わずシャッターを押したんだろうと思うんだ。ところが、手持ちの資料をめくっても、ウェブで調べてもこの十字架についての情報が無いんだ。

イギリスの首都ロンドンの大英博物館で見た十字架

上の画像の十字架が何なのか、またロンドンへ行く機会があれば、大英博物館にも立ち寄って調べてみたいもんだ。この十字架のことが無くても、雨が降ったり、時間調整の必要があれば、やっぱり大英博物館へ行くだろうけどね。


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