東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

スコットランドの旅(イギリス)

02. マクベスゆかりのコーダー城とインヴァネス城

シェイクスピアのマクベスゆかりのコーダー城

続いては下の画像にあるコーダー城にやって来た。インヴァネスからは 15 マイル( 24 km )というところかな。

シェイクスピアのマクベスゆかりのコーダー城(インヴァネス、スコットランド、イギリス)

一説によれば、このインヴァネス近くのコーダー城は、シェイクスピアの「マクベス」においてスコットランド王ダンカン1世が殺害された城のモデルになったとかならないとか。

実在のスコットランド王ダンカン1世とマクベス

ちなみに、スコットランド王ダンカン1世もマクベスも実在の人物ではあるらしい。但し、ダンカン1世は無謀な軍事行動によってスコットランド内部の争いを引き起こした人物であり、決して敬愛された王ではなかったみたい。

他方で、西暦1040年に戦いにおいてダンカン1世を殺したマクベスは、スコットランド王となって安定した政治を行ったとか。西暦1050年にはスコットランド王マクベスはイタリアのローマに巡礼に行ったという話もある。国内が不安定ではこんなことはできないだろうね。

シェイクスピアのマクベスゆかりのコーダー城の花壇(インヴァネス、スコットランド、イギリス)

しかし、そのマクベスはダンカン1世の息子によって西暦1057年に惨殺され、今度はそのダンカン1世の息子がスコットランド王マルカム3世となったらしい。どうも実話の方はシェイクスピアの話とは逆のような印象を与えるよね。ちなみに、このコーダー城(上の画像にある花壇が美しい)が築かれたのは、ダンカン1世やマクベスの時代から300年後のことだとか。

インヴァネス城

インヴァネス市内に戻り、レストランで昼食を食べて、次はインヴァネス城(下の画像)を見て歩く。

スコットランドにあるインヴァネス城(イギリス)

が、インヴァネス城の前のベンチに腰を降ろした私の表情はうつろだ。徹夜で車を運転してきて、それで昼食時にビールを飲んだのがいけなかった。ビールはまずいと考えればわかりそうなもんだけど、そもそも考える力さえ無くしていた。

ここでちょいと弁解をしておきたい。当時のイギリスは、飲酒運転については相当に寛大だったんだ。例えば、ロンドンの郊外にあるパブまで車を運転して行き、そこでビールを飲んだ上で、ハンドルを握って帰宅するなんてことは普通の話だったんだ。今は事情が違うみたいだけどね。

インヴァネス城の前に立つフローラ・マクドナルド像

スコットランドのインヴァネス城の前に立つフローラ・マクドナルド像(イギリス) ところで、このインヴァネス城の前には、フローラ・マクドナルドという女性の像(右の画像)が立っている。この女性がスコットランドではヒロインだったりするんだ。

前のページにも書いたけど、西暦1746年のカロデンの戦いでジャコバイト軍ボニー・プリンス・チャーリーはイギリス政府軍に敗れた。

その敗軍の将にしてイギリス王位を狙ってきたスチュワート家の御曹司ボニー・プリンス・チャーリーを政府の手から逃したのが、このフローラ・マクドナルドだった。

後に釈放されてはいるけど、フローラ・マクドナルドはテムズ川のほとりのロンドン塔に幽閉されてもいる。そんな女性の像をインヴァネス城(今は裁判所)の前に立てておくということでも、スコットランドの人々のイギリスあるいはイングランドに対する微妙な心情がうかがえるような気もするよね。

しかし、・・・ 私は既に体力の限界を越えていた。このあとホテルに向かったんだ。ホテルの部屋に案内されるや否や、ベッドに倒れこみ、そのまま翌朝まで眠り続けたよ。


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