アーサー王の最期(あるアーサー王物語より)
- 円卓の騎士たちと共にブリテンを統一したアーサー王だったが、やがて彼の王国にも黄昏が訪れることになる。
- 王妃グウィネヴィアと恋に落ちた湖の騎士ランスロットと戦う為、アーサー王は軍を率いて海を渡ったんだ。行き先はランスロットの領地のあったフランスだとされている。
王国の留守を委ねられたのは、アーサー王の息子モルドレッドだった。
- 円卓の騎士の一人であるランスロットと戦うことに、アーサー王は迷いを覚えていた。
しかし、ランスロットによって弟を殺されたガウェイン卿(アーサー王の甥)の主戦論に引きずられ、戦いを止めることは出来なかった。
- 戦場にあるアーサー王の許へ急を報せる使者がきた。アーサー王の留守を預かる王の息子モルドレッドが、アーサー王が戦死したと偽りの発表を行い、カンタベリーで王として戴冠式を行ったという。
報せを受けたアーサー王は、ランスロットとの戦いを中止し、兵をまとめて王国に向かい、ドーヴァーに上陸した。
- アーサー王の軍とモルドレッドの軍との間の戦闘により、アーサー王の甥ガウェイン卿が戦死。
アーサー王の夢枕に立ったガウェイン卿は、モルドレッドとの戦いを避けるよう王に説いた。
- アーサー王はモルドレッドに使者を送り、両者の間に和睦が成立した。騎士たちを従えたアーサー王とモルドレッドは和睦を祝う祝宴を開いた。
その祝宴の最中に茂みの中から毒蛇が現われ、一人の騎士にかみついた。騎士は剣を抜き、毒蛇を切り殺した。しかし、剣が抜かれたのを見た騎士たちは和睦が破られたと誤解し、戦いが始まってしまった。
- 戦場で相対したアーサー王と息子モルドレッド。アーサー王がモルドレッドの身体を槍で貫いた直後、モルドレッドの剣はアーサー王の兜を割っていたんだ。
傷ついたアーサー王は、海辺の僧院に運び込まれた。王の命により、名剣エクスカリバーは湖に投げ込まれた。
やがて、貴婦人達を乗せた小舟が岸に近づいてきた。騎士によってアーサー王は小舟に運び込まれた。貴婦人の膝に頭を乗せて横たわるアーサー王。アーサー王と貴婦人を乗せた小舟は、沖へ漕ぎ出して行った。
- アーサー王の死を知ったランスロットは、王妃グウィネヴィアを訪ねた。しかし、自分とランスロットとの恋の為に王や騎士たちを死なせたことを悔いる王妃は、修道院で祈りの生活に入っていた。
王妃の下を去ったランスロットも、僧院に入り、祈りの生活を始めた。
- やがて、王妃グウィネヴィアも修道院で亡くなった。ランスロットによってグラストンベリーに運ばれた王妃の亡骸は、アーサー王の隣に葬られた。
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