バルジェッロ博物館へ旅の5日目。まずはウフィツィ美術館へ。入館者の行列は150メートルもある。フィレンツェ随一の観光スポットだから、やむなしだよね。1時間あまりの待ち時間で入ることが出来たのは幸いだったと言えるのかも。(別の旅行記「エミリア・ロマーニャとトスカナ(イタリア)」にあるウフィツィ美術館のページを参照。内容が重なるので、ここでは割愛。)お昼を食べた後、向かったのはバルジェッロ博物館。ここは午後2時に閉まっちゃうから、早めに入るのが肝要かな。(休館日は週によって日曜日だったり月曜日だったり。事前に確認しておくのが賢明だね。)
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上の画像はバルジェッロ博物館の中庭を囲む回廊。かつてはこの中庭で処刑が行われていたこともあったそうな。このバルジェッロ博物館の建物は、フィレンツェの警察署あるいは刑務所として使われていた時期のことだけどね。
ミケランジェロのバッカス![]() フランス王シャルル8世のイタリア侵入によるフィレンツェの混乱を避ける為に、ミケランジェロは西暦1496年にローマに移っている。というわけで、このバッカスはローマで制作された作品なんだそうな。 ところが、バッカス像を注文した枢機卿は、この像の受け取りを拒否してしまった。ワインを飲み過ぎてふらついているような不謹慎なバッカスは、枢機卿のお気に召さなかったみたい。 でも、このバッカスとその後に制作したピエタ(ローマのサン・ピエトロ大聖堂にある)によって、芸術家ミケランジェロの名声が確立されたんだそうな。 ちなみに、バッカスはローマ神話におけるワインの神様(ギリシャ神話におけるディオニソス)だよね。ついでながら、右の画像においてバッカスのブドウを盗み食いしているのは、半人半獣のケンタウロスなんだそうな。 ドナテッロによる洗礼者ヨハネとダヴィデ続いて、バルジェッロ博物館では見逃せないドナテッロの作品を二つ。まずは下の二つの画像の右側に見えているのは、ドナテッロのダヴィデ像。西暦1440年頃の作品だそうな。(アカデミア美術館で見たミケランジェロのダヴィデ像とはずいぶんと違ったダヴィデだね。)
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そして上の画像の左手に見えるドナテッロの洗礼者ヨハネは西暦1415年頃の作品とされている。この洗礼者ヨハネとは、西暦26年にヨルダン川でイエス・キリストに洗礼を施した聖ヨハネだよね。ちなみに、この聖ヨハネはフィレンツェの守護聖人とされている。そんなこともあって、フィレンツェのドゥオモ(大聖堂)の前にある洗礼堂にも、聖ヨハネ(つまり、サン・ジョヴァンニ)の名が付けられている。
メディチ家の初代トスカナ大公コシモ1世の胸像そして下の画像は、チェッリーニによるコシモ1世の胸像だね。コシモ1世とは、メディチ家の傍流から出てフィレンツェ大公となり、後にはトスカナ大公となった人物。但し、この胸像は西暦1548年に制作されたんだけど、コシモ1世がトスカナ大公となったのは西暦1570年のこと。
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この胸像に姿を残すメディチ家のコシモ1世も興味深い人物なんだけど、他方で胸像を制作した芸術家チェッリーニも波乱万丈の生涯を過ごした面白い人物だったらしい。
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