東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

旅行記「イタリア北部の旅」

17. ピサの洗礼堂

ピサの洗礼堂

続いては、ピサの洗礼堂に向かう。下の画像に見えるように、ピサの斜塔から見れば、ドゥオモ(大聖堂)をはさんでその向こう側にあるのが洗礼堂だね。

ピサのドゥオモ広場に並ぶピサの斜塔、ドゥオモ(大聖堂)、洗礼堂(イタリア)

ドゥオモ(大聖堂)の建設が始まったのが西暦1063年なんだけど、それから100年近く経った西暦1152年にこの洗礼堂の建設が始まったらしい。ちなみに、斜塔(鐘塔)の建設は西暦1173年のことだから、洗礼堂の建設開始から20年以上も後のことだね。

ピサの洗礼堂の内部

建設工事は200年以上も続き、14世紀後半に完成したピサの洗礼堂は、ロマネスク様式を基本としつつもゴシック様式なども取り入れられているんだそうな。西暦1135年にフランスの首都パリサン・ドニ大聖堂の建設が始まり、ロマネスク様式からゴシック様式への移行の先駆となっているから、その影響がピサにも及んだということなんだろうね。

ピサの洗礼堂の内部(イタリア)

上の画像はピサの洗礼堂の2階部分から見下ろした内部の様子。この建物は直径 35メートルのドームになっているんだけど、音響効果がとっても素晴らしいんだそうな。確かに建物の中を歩く人の声や足音がよく響いていたね。

ニコラ・ピサーノの説教檀

上の画像の左側にも見えているんだけど、下の画像の巨大な円柱の脇に見えている説教檀は、ニコラ・ピサーノによって西暦1260年に完成されたもの。そのニコラ・ピサーノは13世紀にピサの洗礼堂の建設に携わっていたらしい。

ピサの洗礼堂にあるニコラ・ピサーノによる説教檀(イタリア)

そのニコラ・ピサーノの息子のジョヴァンニ・ピサーノもこの洗礼堂の建設に関与したんだけど、そのジョヴァンニはドゥオモ(大聖堂)に説教檀を残しているね。

ついでながら、ニコラ・ピサーノが上の画像に見える説教檀を制作した際に手伝った弟子の中にアルノルフォ・ディ・カンビオがいる。やがてフィレンツェのドゥオモ(大聖堂)の設計を行うことになる人物だね。のみならず、彼はサンタ・クローチェ教会ヴェッキオ宮殿の建設をも行っている。そんな人物もここで腕を磨いたんだね。

ピサのトラットリアでシーフード

というわけで、世界遺産ともなっているピサのドゥオモ広場(ミラコリ広場)で斜塔、ドゥオモ(大聖堂)、洗礼堂を見て歩いたわけだ。そして夕方。ホテル近くのトラットリアに入り、シーフードでディナー。せっかく海辺の街ピサに来ているんだから、ここはシーフードだよね。


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