東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

旅行記 「エミリア・ロマーニャとトスカナ(イタリア)」

09. 古都ラヴェンナに到着

エミリア・ロマーニャ州の豊かな土地

私たちが乗り込んだ列車は、ボローニャ中央駅を8時15分に出発。10分も走れば、一面の田園風景が広がる。畑に実っている作物は、小麦、トウモロコシ、それに様々な野菜。

乾燥した土地の多い地中海では、野菜が栽培できるということは有り難いこと。やせた乾燥した土地で栽培されるブドウやオリーヴは、このあたりには見当たらない。つまりはこのエミリア・ロマーニャ州が豊かな土地に恵まれているということだね。

8時40分にはイーモラの駅を通過。何の変哲もない田舎の街だね。でも、かつてイーモラは名高いカテリーナ・スフォルツァの支配下にあったんだ。ミラノ公爵であるスフォルツァ家に生まれた彼女は、名高い軍人である黒備えのジョヴァンニの母でもある。つまりは、未来のフィレンツェ大公コシモ1世の祖母というわけだ。

でも、ローマ教皇アレクサンデル 6世の庶子チェーザレ・ボルジアが1499年11月25日にイーモラの街に入城し、彼の最初の領土としている。その際に捕らえられたカテリーナ・スフォルツァは、イタリアの首都ローマヴァティカンにあるサンタンジェロ城に幽閉されることとなったんだそうな。

古都ラヴェンナに到着

9時半には古都ラヴェンナの駅(下の画像)に到着。古都とはいっても田舎の駅の風情だよね。

ラヴェンナ駅の様子(イタリア)

ラヴェンナ駅の前も静かなものだ。皇帝ホノリウスの時代から滅亡までの西ローマ帝国の都が置かれ、東ゴート族の王テオドリックの宮廷が開かれ、さらにはビザンティンの総督府があった街とは思えないほどだね。

ドシャ振りの雨

しかし、問題は 30分ほど前から振り出したドシャ振りの雨だ。6月のイタリアは良い天気に決まっている ・・・ と勝手に決め込んでいた私たちが持っているのは、小さな折り畳みの傘一本だけだった。傘をさしても肩は大粒の雨にたたかれている。

しかも寒い。事前の調べでは、6月のイタリアは真夏の暑さのはずだった。それがこんなに冷え込むとは ・・・ 。いつもだったら携帯用の折りたたみ雨合羽を持ち歩く私たちなんだけど、今回はロンドンの自宅に置いて来てしまった。まさしく油断大敵、後悔先に立たず、後の祭り ・・・ 。

そういえば、私たちはイタリアでは運が悪いんだ。初めてのイタリアの旅「イタリア北部周遊」ではミラノでジプシーに襲撃され、二度目のイタリアの旅「晩秋のヴェネツィア」では大雨と洪水にたたられ、三度目のイタリアの旅「ローマとポンペイ」では熱を出して寝込んでしまった。(後のことになるけど、2002年にイタリア南部カンパーニャ地方とローマ・ヴァティカンを旅したときには、異常な暑さに苦しめられた。)

ラヴェンナ観光には便利でお得な共通入場券

ラヴェンナ駅からはほんの 500mほどの距離だというのに、サンタポリナーレ・ヌオヴォ教会に着いたときにはシャツはずぶ濡れになっていたよ。が、ここで立ち止まるわけにはいかないよね。旅は前進あるのみ。

というわけで、今日の最初のお目当てのサンタポリナーレ・ヌオヴォ教会の入口に向かう。そこで勧められたのが、ラヴェンナ観光に便利でお得な共通入場券だった。下の画像の左が表、右が裏側だ。

ラヴェンナ観光に便利な共通入場券(イタリア)

これがあれば、ラヴェンナ市内にある主な教会や世界遺産に入ることが出来る。しかも、お得なんだそうな。裏にはラヴェンナの略図もあり、教会などに入ることの出来る時間なども印刷してある。というわけで、そのチケットを購入。いざ、ラヴェンナ観光を始めよう。(ちなみに、この共通入場券は市内の主要な教会で買うことができるらしい。)


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