東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

旅行記 「エミリア・ロマーニャとトスカナ(イタリア)」

39. シエナの国立絵画館

シエナ国立絵画館で見たドゥッチョ・ディ・ブオニンセーニャ

続いては、中世から近世にかけてのシエナ派の絵画を集めた国立絵画館に入った。そこで見た絵画のひとつが、下の画像にあるドゥッチョ・ディ・ブオニンセーニャの「フランチェスコ会修道士の聖母子」だった。

このドゥッチョ・ディ・ブオニンセーニャは13世紀末から14世紀にかけてシエナで制作を行った画家なんだそうな。シエナ派の祖とも言われている。

シモーネ・マルティニの「聖母子」

続いては、上のドゥッチョ・ディ・ブオニンセーニャの後継者とされているシモーネ・マルティニによる「聖母子」。

このシモーネ・マルティニは、シエナのみならず、ナポリでも制作をしていたらしい。更には教皇のアヴィニョン捕囚で名高いフランス南部の街アヴィニョンの教皇宮殿でも制作をしたんだそうな。

ロレンツェッティ兄弟による「受胎告知」

続いては、14世紀前半のシエナ派の画家ピエトロ・ロレンツェッティとアンブロージョ・ロレンツェッティの兄弟による「受胎告知」

上の画像の右側の人物は聖母マリア、左側は天使ガブリエルだね。天使ガブリエルは聖母マリアに対して、お腹にキリストを身ごもったことを告げているんだそうな。この受胎告知はキリスト教では祭日とされていて、ローマ・カトリックでは3月25日がその祭日となっているらしいよ。

この天使ガブリエルによる聖母マリアに対する受胎告知は、新約聖書の中の「ルカによる福音書」に記されている。でも、「マタイによる福音書」においては、聖母マリアの夫であるヨセフの夢の中に天使が登場して受胎を告げるとされているらしい。

ところで、この「受胎告知」を描いたロレンツェッティ兄弟なんだけど、二人とも西暦1348年に亡くなっている。その前年にフランス南部プロヴァンス地方の港町マルセイユに上陸した黒死病(ペスト)によって亡くなったらしい。その年、シエナでは人口の半数がペストで亡くなり、シエナの衰退を招いたんだそうな。

シエナ派の絵画を集めたジュゼッペ・キアチェリ

ところで、このシエナ国立絵画館で見ることのできるシエナ派の絵画なんだけど、その収集に貢献したのがジュゼッペ・キアチェリという人物だった。18世紀後半の聖職者だった彼は、14世紀から15世紀にかけての全盛時代のシエナ派の絵画を集め、今の国立絵画館のコレクションの基礎をなしたらしい。そのシエナ国立絵画館は西暦1932年に創設されたんだそうな。


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