東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

旅行記 「エミリア・ロマーニャとトスカナ(イタリア)」

44. サン・ジミニャーノ散策と特産の白ワイン「ヴェルナッチャ」

サン・ジミニャーノの街のチステルナ広場

そろそろ夕方が近づいている。それでも憧れの中世の塔の街サン・ジミニャーノを歩きたいという家内。じゃ、ちょいと散歩に出かけるとするか。

中世の塔の街サン・ジミニャーノにあるチステルナ広場(イタリア)

というわけで、ホテル(上の画像の中で緑の蔦がからまっている建物)を出たんだけど、そのすぐ前がチステルナ広場なんだ。「チステルナ」とは井戸のことなんだけど、上の画像の中央に見えているのがその井戸(13世紀に掘られたもの)だね。

ちなみに、このチステルナ広場を取り囲んでいる建物のほとんどが12世紀から13世紀に建てられたものなんだそうな。シエナのプブリコ宮殿を中心とする歴史地区もそうだったけど、イタリアの古い街並みの保存状態って素晴らしいよね。

但し、シエナもそうだったけど、第二次世界大戦中(連合国軍によるナポリ上陸の後、特にローマ攻略以後)は戦火による被害はあったらしい。戦後に修復されたんだそうな。

サン・ジミニャーノの通りと中世の建物

チステルナ広場を出て、サン・ジミニャーノの通りを歩いた。下の画像がそうなんだけど、石畳の両側に古い家並みが並んでいるんだ。この街の建物のかなりの部分が12世紀から14世紀に建てられたものらしい。

中世の塔の街サン・ジミニャーノの通りと古い街並み(イタリア)

このサン・ジミニャーノ歴史地区の中は、車の通行は規制しているんだそうな。だからのんびりと歩くことができるわけだよね。バスを降りてからホテルまで歩いた時のスーツ・ケースは重かったけどね。

サン・ジミニャーノ名物料理のイノシシ

サン・ジミニャーノの通りを歩けば、ところどころで見かけるのが下の画像にあるようなイノシシの剥製だったりする。

中世の塔の街サン・ジミニャーノの街角で見たイノシシの剥製とサラミやハムなど(イタリア)

実はサン・ジミニャーノの名物料理がイノシシなんだそうな。肉屋さんではイノシシ肉のサラミやハムも売っているらしい。上の画像の中にも写っているけどね。

ディナーには「ヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノ」

夜の8時にはサン・ジミニャーノ市内のレストランに到着。入口で名前を告げる。案内されたのは窓際の中央のテーブル。窓から見えるのはトスカナの田園風景だ。この店の中でも最高のテーブルだ。2ヶ月前に予約を入れておいた甲斐があったね。

さて、今夜のディナーの私の前菜は街の名物のイノシシを使ったテリーヌ。ハーブたっぷりのテリーヌのイノシシはクセもなくて美味しかったね。家内の前菜はトマトのスープ。イタリアのトマトは美味いよね。何故にこんなに美味しいのか。

他方でディナーのお供は、もちろん地元の白ワイン「ヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノ」だね。この白ワインが DOCG に格付けされたのは西暦1993年のこと。でも、その歴史は古いんだ。西暦1276年の文書に記載されているらしい。

中世の塔の街サン・ジミニャーノで飲んだ白ワイン「ヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノ」のエチケット(イタリア)

ついでながら、西暦1300年にサン・ジミニャーノを訪れたダンテも、ルネサンスの芸術家ミケランジェロも、このワインが大好きだったそうな。(上の画像が今夜のディナーで飲んだヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノのエチケット。)

話が横道にそれちゃうんだけど、イタリアを代表する赤ワインであるキャンティの生産地域では、中世においては白ワインが生産されていたらしい。西暦1282年にはフィレンツェでワイン商人のギルドが結成されたんだけど、14世紀の古文書によれば彼らはキャンティの白ワインを取り扱っていたんだそうな。キャンティの白ワイン、ヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノのライバルのようなワインだったかもしれないね。

話を元に戻して、サン・ジミニャーノでのディナーのこと。メインの鶏肉のグリルは芳ばしく焼かれていて、ワインにぴったりだった。最後にデザートはイチジクのケーキとチーズ・ケーキ、そしてエスプレッソ。料理もワインも美味しかった。店のスタッフは明るくて元気がよい。窓からの景色は素晴らしい。ディナーを満喫させてもらったね。お礼の意味を込め、ちょいと多めにお代を置いて店を出たよ。


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