東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

旅行記 「カンパーニャとローマ・ヴァティカン」(イタリア)

第一部 ソレント・アマルフィ編

A18. アマルフィ海岸の観光地ポジターノを遠望

アマルフィ海岸の高台の唐辛子屋さん

サンタガタからアマルフィに向かう車が、アマルフィ海岸の高台で停まった。目の前には、下の画像にある唐辛子屋さん。あの唐辛子でスパゲティ・ペペロンチーノを作れば美味しいだろうね。

イタリア南部アマルフィ海岸にある観光地ポジターノを見下ろす高台の唐辛子屋さん

でも、私たちを乗せた車の運転手氏は、唐辛子を買わせるためにここで車を停めたわけじゃなかった。上の画像でも観光客が唐辛子を横目で見ながら歩いているんだけど、私たちも店を素通りして見晴らしの良い場所へと向かったわけだ。

中世海洋国家アマルフィの港だったポジターノ

その唐辛子屋さんの脇から眺めたのが、下の画像にあるポジターノの海だった。かつて、このポジターノは中世海洋国家アマルフィの港だった。中世のポジターノは、絹織物や香辛料の貿易で栄えたそうな。

イタリア南部アマルフィ海岸にある観光地ポジターノの海を眺めた

ところが、ポジターノは次第に衰退し、特に19世紀には多くの人々が街を出て行ったんだそうな。彼らの多くは移民となってオーストラリアに向かったとか。そういえば、シドニーにもイタリア人地区があるけれども、ポジターノの移民の子孫たちもそこに住んでいるのかも。

アマルフィ海岸の観光地にして高級リゾート地となったポジターノ

そんな寂れた漁村ポジターノに転機が訪れたのが、西暦1953年のこと。ニューヨークで発行されていたファッション雑誌にポジターノについて書かれたエッセイが掲載されたんだ。そのエッセイを著したのが、あのスタインベックだった。「怒りの葡萄」の著者だよね。

その後、多くの観光客がポジターノを訪れるようになっていったんだそうな。更には芸術家たちもこの街に住むようになり、今ではイタリアを代表する著名な高級リゾート地になっているらしいよ。

ついでながら、フランス南部プロヴァンス地方にある岩山の上の村ゴルドも今では高級リゾート地になっているらしい。そのきっかけというのも、画家マルク・シャガールがこのゴルド村を気に入ったことだったそうな。名のある芸術家に気に入ってもらうのが、町おこしには良いみたいだね。

話が横道に入ってしまった。アマルフィ海岸の観光地ポジターノなんだけど、ダイアン・レイン主演の映画「トスカーナの休日」にも登場している。(この映画のDVDは私も持っている。私の好きな映画の一つなんだ。)

もう一つおまけの話なんだけど、ローリング・ストーンズの曲「ミッドナイト・ランブラー」はポジターノで作詞作曲されたんだとか。ミック・ジャガーとキース・リチャードがポジターノで休暇を過ごした時のことなんだそうな。あの二人がここで休暇を過ごしたというのもちょいと意外なんだけどね。

ポジターノのドーム(クーポラ)

そんな観光地ポジターノの斜面の様子が下の画像なんだ。中央やや下にドーム(クーポラ)が見えるかな。

イタリア南部アマルフィ海岸にある観光地ポジターノのサンタ・マリア・アスンタ教会のマヨルカ焼きのドーム(クーポラ)

ポジターノの観光名所となっているサンタ・マリア・アスンタ教会のドーム(クーポラ)なんだそうな。マヨルカ焼きで飾られているらしい。(マヨルカ焼きといえば、ナポリにあるクラリッセのキオストロも美しいね。)

という魅力的なポジターノなんだけど、今回の私たちの旅の予定には入っていない。残念ながらね。こうして高台の上から眺めるだけで満足するしかないね。こうしてここからポジターノを眺めるだけの人は多いんだろうね。だから、あの唐辛子屋さんはここに店を開いているわけだ。


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