東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

旅行記 「カンパーニャとローマ・ヴァティカン」(イタリア)

第二部 パエストゥム・サレルノ編

B06. アテナ女神の神殿 (パエストゥム遺跡 -1.)

世界遺産パエストゥム遺跡を歩き始める

パエストゥム国立考古学博物館を見終わり、いよいよ世界遺産パエストゥム(ポセイドニア)遺跡を歩き回る。まだまだ暑いけど、もう逃げ場は無い。ここで遺跡を歩かなければ、何の為にはるばるここまで来たのか、わからなくなるからね。

イタリア南部のパエストゥム(ポセイドニア)遺跡にあるアテナ女神(ケレス)神殿を遠望

国立考古学博物館の前にある入口から、パエストゥム遺跡に足を踏み入れる。そこから見えるのが、上の画像の風景なんだ。

アテナ女神神殿(あるいはケレス神殿)

上の画像の中で遠く松の木の向こうに神殿が見えているでしょ。その神殿に向かって歩いて行ったんだ。

イタリア南部のパエストゥム(ポセイドニア)遺跡にあるアテナ女神(ケレス)神殿に向かって歩いた

やがて松林を抜けて眺めたのが上の画像。紀元前500年頃に建てられたアテナ女神の神殿なんだそうな。但し、18世紀の学者たちはこの建物をケレス(セレス)の神殿だと考えた。今でもそう書いてあるガイド・ブックもある。でも、さっき国立考古学博物館で買った英語の資料によれば、正しくはアテナ女神の神殿なんだそうな。

戦争をつかさどるアテナ女神の神殿

この神殿の周囲では、ヘルメット・鎧・盾などで武装した女神像がたくさん発掘されたらしい。古代ギリシャで戦争をつかさどるといえば、アテナ女神だよね。他方でケレス(セレス)女神は豊穣をつかさどる。そんな出土品の状況からも、この建物がアテナ女神の神殿であると考えられたんだそうな。

イタリア南部のパエストゥム(ポセイドニア)遺跡にあるアテナ女神(ケレス)神殿を見上げた

やがてパエストゥム(ポセイドニア)の街が古代ローマの支配下に入った後、この神殿ではミネルヴァ女神が祀られたんだそうな。古代ローマにおけるミネルヴァ女神は、古代ギリシャのアテナ女神に相当する神様なんだそうな。その点からもこの建物はアテナ女神の神殿だったんだろうね。

このアテナ女神の神殿なんだけど、二千数百年前には赤や青の塗料、金メッキされたブロンズなどで華やかに彩られていたらしい。今ではサンド・ストーン(砂岩)の自然の色に戻っているけどね。

目の前にあるのは古代ギリシャ人によって築かれたポセイドニア(パエストゥム)の街のアテナ女神像なんだけど、ギリシャの中心地アテネにもアテナ女神の神殿があるね。それがパルテノン神殿だった。但し、パルテノン神殿で発掘された出土品を見るならば、アテネではなく、イギリスの首都ロンドンにある大英博物館に行くべきかもしれないけど。

世界遺産パエストゥム遺跡を歩き続ける

というわけで、世界遺産パエストゥム(ポセイドニア)遺跡を代表するアテナ女神神殿を見たんだけど、まだまだ歩き続けるよ。

イタリア南部のパエストゥム(ポセイドニア)遺跡にある聖なる道とネプチューン(ヘラ第二)神殿

上の画像の右側に見えている石畳の道(「聖なる道」)を歩き、地下神殿や古代ローマ時代のフォロを見て、その向こうにある二つの神殿を見るつもり。さすがに世界遺産パエストゥム遺跡は広いでしょ。でも、遺跡全体のうちで今までに発掘されているのは3分の1にも満たないんだそうな。

青空の下、パエストゥム遺跡の神殿が映えるね。でも、暑い。暑すぎる。さっき水牛のステーキを食べたレストランで買っておいた水がどんどん減っていく。このボトルの水が無ければ、今頃は私たちは干からびていたに違いない。他にも帽子とサン・グラスと汗を拭うタオルは夏のパエストゥムでは必須のアイテムだね。

そんなわけで暑さにまいってはいる。が、ここでくじけるわけにはいかん。世界遺産パエストゥムにはまだまだ見るべきものがある。まだまだ頑張って歩かなきゃね。


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